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【Rest In Peace】エリック・クラプトンを支えた名セッション・ドラマー、ジェイミー・オールデイカー、逝く

  • Photo:Michael Putland/Getty Images

エリック・クラプトンらとの活動で知られる名ドラマー、ジェイミー・オールデイカーが去る7月16日に急逝した。享年68歳。

ジェイミー・オールデイカー(Jamie Oldaker)は1951年生まれ。アメリカのオクラホマ州タルサ出身。父親の影響でジーン・クルーパ、バディ・リッチなどのジャズ・ドラマーに憧れ、10歳でドラムを始めたという。そして学生時代から地元タルサで演奏活動を始め、ボブ・シガーとの共演をきっかけに、72年頃から本格的にプロ・ドラマーとしてのキャリアをスタートさせ、J.J.ケイル、レオン・ラッセルらのライヴ/レコーディングでも活躍。

ジェイミーの名前を一躍有名にしたのは、74年にリリースされたエリック・クラプトンの『461 Ocean Boulevard』への参加だろう。マイアミのクライテリア・スタジオにて、わずか2週間で制作された本作は、ジェイミーがプレイしたボブ・マーリーのカヴァー曲「I Shot The Sheriff」が大ヒットを記録し、アルバムも全米1位を獲得。ジェイミーの話によると、スタジオについて最初にセッションした曲が「I Shot The Sheriff」だったそうで、2テイク録音し、その1つがアルバムに採用されたとのこと。その後、エリックはレコーディング・メンバーと共にワールド・ツアーを行い、ジェイミーは1974年のエリックの初来日公演にも帯同した。

79年にバンドを離れ(83年〜86年に一時復帰)、その後はピーター・フランプトン、エース・フレイリー、スティーヴン・スティルスなど数々のアーティスト達と共演。92年にはスティーヴ・リプリー率いるバンド、トラクターズにも参加。プロデュース・ワークも精力的に行い、05年にはエリックを筆頭に縁深いミュージシャン達が参加したセルフ・プロデュースによるアルバム、『JAMIE OLDAKER’S MAD DOGS & OKIES』を発表した。

テキサス、ナッシュヴィルと活動拠点を変えていたジェイミーだが、2013年に故郷であるオクラホマに戻り、ドラマー&プロデューサーとして活動。エリックとは長年に渡って連絡を取り合う仲で、2014年発表のJ.J. ケイルへと捧げたアルバム『The Breeze: An Appreciation of J.J. Cale』でも、エリック本人からオファーを受けて、共演を果たしている。

2013年に久しぶりに来日した際のインタビューでは、自分のキャリアについて、「僕は自分のキャリアを振り返ったとき、楽しい人生だったと思うよ。エリックもエースも愉快な男達だ。僕はステージの後ろに座ってみんなを見ていた。ステージで何が起きているのか見ながら楽しいと思っていたよ」と語っていたジェイミー。心よりご冥福をお祈りいたします。