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“アフロ・ビートの帝王”=トニー・アレンの“遺作”はヒップホップに挑んだ意欲作

  • Text:Shinichi Takeuchi

“アフロ・ビートの帝王”の異名を取り、2020年に逝去した、ナイジェリア出身のドラマー、トニー・アレン。彼の“遺作”とも言えるアルバム『ゼア・イズ・ノー・エンド』が命日に当たる4月30日にリリースされる。

1960~70年代に活動を共にしたフェラ・クティと一緒に革新的な演奏を繰り広げた彼は、アフロ・ビートを発明したドラマーとして知られる存在。そのドラミングは、ヒップホップやブレイクビーツの元ネタされるなど、後の音楽シーンへも多大な影響を与えている。もちろん、演奏活動も精力的に行っており、晩年もアート・ブレイキーのトリビュートや、ジェフ・ミルズとのコラボレートなど、さまざまなプロジェクトに意欲的に携わった。

先行して公開された「コズモシス」

今回リリースされるのは、そんな彼が亡くなる直前にレコーディングした音源。“ヒップホップ”をコンセプトに、スケプタやダニー・ブラウン、サンパ・ザ・グレイトら、現在のヒップホップ・シーンを牽引するアーティストから、ナー・イート、コリアタウン・オディティといった気鋭までをフィーチャーしている。トニー・アレンが、そんな刺激的な面々とどんなドラミングで対峙しているのか大いに注目だ。

今作の中で最初にレコーディングされたという「コズモシス」が現在公開中。ベン・オクリ、スケプタ、デーモン・アルバーン(ブラー、ゴリラズ)との共演が実現しているこの曲でも、トニーならではのクールなビートが堪能できる。なお、日本盤には限定ボーナス・トラックとして、この曲のインスト・バージョンが収録される予定。

『ゼア・イズ・ノー・エンド』収録曲

01. トニーズ・プレリューディアム
02. スタンブリング・ダウン(feat. サンパ・ザ・グレイト)
03. クラッシュド・グレープス(feat. ロード・ジャー=モンテ・オグボン)
04. トレ・マニフィーク(feat. ツナミ)
05. マウ・マウ(feat. ナー・イート)
06. クーンタ・キンテ(feat. ゼルーパーズ)
07. リッチ・ブラック(feat. コリアタウン・オディティ)
08. ワン・インナ・ミリオン(feat. ラヴァ・ラ・ルー)
09. ギャング・オン・ホリデイ(エム・アイ・ゴー・ウィー?)(feat. ジェレマイア・ジェイ)
10. ディア・イン・ヘッドライツ(feat. ダニー・ブラウン)
11. ハート・ユア・ソウル(feat. ネイト・ボーン)
12. マイ・オウン(feat. マーロウ)
13. コズモシス(feat. ベン・オクリ & スケプタ)
14. ゼア・イズ・ノー・エンド
15. コズモシス (インストゥルメンタル)
※日本盤限定ボーナス・トラック

◎作品情報
『ゼア・イズ・ノー・エンド』
トニー・アレン

発売元:ユニバーサル 品番: UCCQ-1137 詳細はこちら●ユニバーサル・ストア