2021.03.12 UP

凄腕メンバーが集結した伝説のグループ、スタッフのコンピ盤

Text：Yusuke Nagano

スティーヴ・ガッドがメンバーであったことでも知られる伝説的フュージョン・バンド、“スタッフ”のコンピレーション・アルバム『NY Sweetness : Best WORKS』が3月10日にタワー・レコードから限定で発売された。

スタッフはニューヨークの気の合ったトップ・セッションマン達が、スタジオ・ワーク後にクラブに集まり、自分達の没頭できる音楽の楽しむことを発端としたグループ。主に70年代の中頃から80年代初頭に活動しており、今年でデビュー・アルバムから45周年を迎える。

1976年にリリースされたデビュー・アルバムの『Stuff』。

メンバーは、スティーヴ・ガッドとクリス・パーカ－というツイン・ドラムに、ゴードン・エドワーズ（b）、コーネル・デュプリー（g）、エリック・ゲイル（g）、リチャード・ティー（key）という6名。ソウルやＲ&Bを基調とした歌心溢れるサウンドが魅力で、ガッドもスタッフでの活動を通して気の合う仲間同士でシンプルなグルーヴをプレイする楽しさを経験したと語っていた。

本アルバムは2枚組で、ディスク1は、『スタッフ!!』(1976年)、『モア・スタッフ』(1977年)、『ライヴ・スタッフ』(1978年)、『スタッフ・イット』(1979年)、『イン・ニューヨーク』(1980年)、『ベスト・スタッフ』(1981年)という、6枚のグループ名義アルバムからのベスト・セレクション。スタジオ盤からの代表曲はもちろん、日本公演を含めた生々しいライヴ盤のテイクも熱い。

ディスク2は、メンバーが参加したさまざまなアーティストとのセッションを厳選して15曲収録。アル・ジャロウの「スペイン」やバディ・リッチ・ビッグ・バンドの「ラヴ・フォー・プレイ」など、スティーヴ・ガッドの名演も楽しめる。

この2枚のディスクで、スタッフというバンドの魅力の深さや、当時の彼らが支えた70～80年代のアメリカ音楽の歴史的音源を堪能できるお得な構成。45年経った今でも色褪せない、そのソウルフルなサウンドの素晴らしさを、リアルタイムを過ごした人はもちろん、当時を知らない若い世代にもぜひ味わって欲しい。

ガッドの名演の1つであるアル・ジャロウの「スペイン」も収録。

【DISC1：STUFF WORKS】
01.ジス・ワンズ・フォー・ユー
02.いとしの貴女 *FM『軽音楽をあなたに』テーマ曲
03.アズ *FM『アスペクト・イン・クロスオーバー』テーマ曲
04.フーツ
05.ハニー・コーラル・ロック
06.ハッピー・ファームス
07.サブウェイ
08.レインボウ
09.アンド・ヒア・ユー・アー
10.ウォント・サム・オブ・ジス
11.ベイビー・ベイビー・スウィート・ベイビー
12.スタッフ・イット
13.リアル・マッコイ(ヴァン・マッコイに捧ぐ) ★
14.ブラザーがのった時 ★
15.ラビット★
16.フーツ★
17.ドゥ・イット・アゲイン ★
★LIVE音源

【DISC2：ANOTHER WORKS』
01.コーネル・デュプリー／ハウ・ロング・ウィル・イット・ラスト（1974年）：リチャード・ティー参加
02.カーリー・サイモン／ユー・ビロング・トゥ・ミー（1978年）：クリス・パーカー除く全員参加
03.渡辺貞夫／ランデヴー（1984）：スティーヴ・ガッド、リチャード・ティー、エリック・ゲイル参加
04.グローヴァー・ワシントンJr.／「クリスタルの恋人たち」（1980年）：スティーヴ・ガッド、リチャード・ティー、エリック・ゲイル参加
05.ジョー・コッカー／ホワット・ユー・ディド・トゥ・ミー・ラスト・ナイト（1978年）：コーネル・デュプリー、リチャード・ティー（ピアノ）参加
06.アリフ・マーディン／ストローリン（1974年）：ゴードン・エドワーズ、コーネル・デュプリー、リチャード・ティー参加
07.ドナルド・フェイゲン／「トランス-アイランド・スカイウェイ」（1993年）：クリス・パーカー参加
08.ファンク・ファクトリー／ワトゥーシ・ダンス（1975）：スティーヴ・ガッド参加
09.アル・ジャロウ／スペイン（1980年）：スティーヴ・ガッド参加
10.デイヴィッド・サンボーン／愛のテーマ（1978年）：スティーヴ・ガッド、リチャード・ティー参加
11.ロバータ・フラック／イン・ザ・ネーム・オブ・ラヴ（1982）：スティーヴ・ガッド、リチャード・ティー、エリック・ゲイル参加
12.ダニー・ハサウェイ／貧民街（1973年）：コーネル・デュプリー参加
13.ハービー・ハンコック／ウィグル・ワグル（1969年）：エリック・ゲイル参加
14.バディ・リッチ・ビッグバンド／ラヴ・フォー・セール（1994年）：スティーヴ・ガッド参加
15.グローヴァー・ワシントンJr.／アイム・オール・ユアーズ：スティーヴ・ガッド、リチャード・ティー、エリック・ゲイル参加