SPECIAL
UP
Product Report – MEINL Stick & Brush
- 撮影:八島 崇 撮影協力 :G-ROKS 下高井戸スタジオ
マイネル・スティック&ブラシが引き出す
至高のドラム・セット・サウンド
1951年の創業以来、豊富な製品ラインナップと、上質なサウンドで世界中の打楽器奏者に支持されてきたドイツのシンバル/パーカッション・メーカー=マイネル。そんな同社が近年、スティック、ブラシ、ロッズを扱う製品事業に進出。マイネル・スティック&ブラシとして、独自の技術を注ぎ込んで新開発されたアイテムが、今年ついに日本に初上陸することとなった。ここでは、発売開始からまだ全貌の見えない同ブランドの製品×19種を一挙試奏。開発者インタビューと併せて、その特徴やサウンドを探っていこう。
Contents
■Check on MEINL Stick & Brush~マイネル・スティック&ブラシのここに注目!~
■Interview~マイネルがスティックで追求するもの~
■Product Review~スティック13ペア、ブラシ&ロッズ6種を一挙試奏!~
~マイネル・スティック&ブラシのここに注目!~
マイネル・スティック&ブラシの製品は今年9月から日本国内での販売がスタート。ここでは、幅広いドラム製品を展開している同社が品質にこだわり開発したスティック、ブラシ、ロッズの特徴を解説していこう。
Stick
Focus on the Tip
マイネル独自の
ハイブリッド・チップ
音色を左右するチップの形状にこだわっているマイネル。中でもアコーンをベースに、トリミング加工でバレルの形状に近づけることで、双方のメリットをブレンドしたという独自のハイブリッド・チップは、シンバルを叩いたときにダークで滑らかなサウンドを演出するという。
Focus on the Weight
均一な品質のスティックをペアリングするための
重量カテゴライズ “モデル・ベース・ウェイト・セレクション”
マイネルが、品質を保つための重点の置きどころとして掲げていることの1つに、スティックのペアリングがある。均一な品質のスティックをペアリングし、スティック同士の差異を抑えた状態で出荷するという目標を実現するため開発されたのが、“モデル・ベース・ウェイト・セレクション”というシステムだ。 “ モデルごとに重量を選択する” というこの工程で、スティック材は、メーカーの設定した重量カテゴリごとに分類。木目が悪いものは同時に除外されていく。同社のスタッフも、「スティック材の分類工程は、おそらく私達の生産工程の中で最も重要なステップでしょう。マイネルならでは、他のドラム・スティック・ブランドとの違いなのです」と胸を張る。
重量カテゴリは、 “1-3(軽め)/4-7(中量)/8-10(重め)” という、全10段階を設定。ここで選別されたスティックは、パッケージ化される前の最終段階で“重量とピッチのマッチング” を経て、ようやくペアリングされるのだという。その最終テストが“ トリプル・フリケンシー・ピッチング”と呼ばれる下記の工程だ。
■トリプル・フリケンシー・ピッチングとは
1 本の音が完璧であるか、スティックを1/3回転ずつ回しながら叩き、周波数ピッチのデータを3回ずつ収拾する工程。周波数はコンピューターでスキャン、データ化される。3つのデータは、ほぼ同じという。ペアリングされるスティックの誤差が5Hz 以内であれば出荷される。
マイネル・スティック&ブラシ社の品質の追求がうかがえる、この工程を無事に通過した均質なスティック同士のみがペアリングされ、出荷工程へと進んでいく。
Brush
ブラシのワイヤー部分に使用される材は主に、メタル、ナイロン・ワイヤー、竹、藁など。基本的に柔らかくしなる素材が採用されている。ハンドル部分は、ゴム、アルミ、木、プラスチックなどさまざまな種類をラインナップ。
Rods
ロッズの材質は、バンブー、バーチ、ハード・ウッド、ナイロンの4種をラインナップ。先端のアジャスタブルリングで広がり具合いを調節できるので、打点の音だけでなく、素材同士の擦れ合うサウンドも楽しめる。
Accessories
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