｜試奏｜
芳垣安洋［Orquesta Libre、On The Mountain、他］

芳垣：このアコーン・チップが奏でるサウンドは、すごく鋭くて良いですね。アタックがはっきりしている印象です。特にシンバルを叩いたときに、音の明るさを感じます。重心はチップ側に寄っていて、重すぎず、アタックが楽に出せるくらいのバランスです。タイコ自体の音がしっかり出るのも良いですね。持ったときの感じも、全然滑らないし、ラッカーも強すぎないので気に入りました。僕はこのくらいの塗装が好きです。

【Spec】
材：ヒッコリー
重量：ヘヴィ［実測値50g］
チップ：アコーン　
サイズ：13.6mm×406mm

芳垣：基本的な音色やニュアンス、チップのアタック感、叩くときのバランスなどはStandard 7Aと同じで、統一されている印象です。7Aとは、太さの違いから音程感とアタックの強さの違いが若干出るくらいですね。このスティックもやはり重心のバランスがすごく良くて、力まなくても、スティックのチップが自然に打面に落ちてくれる感じがします。タイコの打面をしっかりと捉えてくれるので演奏しやすいと思います。

【Spec】
材：ヒッコリー　
重量：ミディアム［実測値57g］
チップ：アコーン
サイズ：14.4mm×406mm

芳垣：Standardシリーズと比べると、こちらの方が重心のバランスが若干エンド側にあるので、（Standardシリーズよりも）スティックを振り下ろすときに手元でコントロールしやすい印象です。非常に長さのあるスティックなんですけど、ニュアンスの出しやすさで言うと、僕はコントロールが利くStandard Longの方が好きですね。細かい動きや、速い動きにも対応しやすいスティックだと思います。

【Spec】
材：ヒッコリー　
重量：ライト［実測値51g］
チップ：アコーン
サイズ：14.4mm×419mm

芳垣：Standard Long 5Bは、同じシリーズの5Aと音色やチップの当たり方などが共通しています。シンバルのピング音は、すごく鋭角的で、エッジが効いています。5Bの方がバランスも良い印象で、僕が普段使っているVIC FIRTHのSD2ボレロに似たものを感じました。ジャズやフュージョンを叩く人達も使いやすいんじゃないかと思いますし、太さもあるのでロックでも使えそうですね。機動力のあるスティックだと思います。

【Spec】
材：ヒッコリー　
重量：ライト［実測値58g］
チップ：アコーン
サイズ：15.1mm×419mm

芳垣：このシリーズは“ハイブリッド”という独自のチップが採用されていて、鋭角的なサウンドの出るアコーンに比べると少しダークな感じで、どちらかというとローの成分が強く出る印象です。打点の面積が広いので、ゴツッとしたアタック感を出しやすいぶん、強めのはっきりとしたビートやフレーズを叩きたい人に向いているスティックだと思います。重心はStandard シリーズと同じくチップ寄りで、力を無理に入れることなく、深い音を出すことができます。

【Spec】
材：ヒッコリー　
重量：ミディアム［実測値54g］
チップ：ハイブリッド・チップ
サイズ：14.4mm×413mm