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    流麗なるテクニックの“核心”をここに公開! サイモン・フィリップス直伝“至高”のスネア・エクササイズ

    • Photo:Takashi Yashima
    • Text:Ryuichi Yamamoto(RCC Drum School)

    ジェフ・ベック、マイケル・シェンカーを筆頭に数々のアーティストのサポートを務め、TOTOのメンバーとしても活躍、近年は上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクトの一員としてその名を轟かせたサイモン・フィリップス。彼の華麗なスティック・ワークから叩き出される、テクニカルかつメロディアスなドラミングに憧れるドラマーも多いだろう。ここでは、そんなサイモンのテクニックの核心を探った、2014年11月号掲載の特別企画「サイモン・フィリップス直伝“至高”のスネア・エクササイズ」の一部を公開!! 基礎中の基礎となるスネア1台でできる、ウォーミングアップ方法を伝授していただいた。全ドラマー必見!

    サイモン流 基本型スネア・ウォーミングアップ

    サイモン・フィリップスの最もスタンダードなウォーミングアップについて。ドラムを演奏する上でも基本中の基本となる1つ打ちを、どのように活用しているのだろうか。

    1〜4つ打ちを用いたウォーミングアップ

    今回は、サイモン・フィリップスが日頃から実践しているウォーミングアップについてを中心に話を聞いた。

    まず最初に質問したのは、以前開催されたクリニックで紹介していたお気に入りのパターン。そのときは、今1つ不明な点が多くて楽譜に書き出せなかったのだが、今回は丁寧に解説してもらえたので紹介しよう。

    基本は1つ打ち、2つ打ち、3つ打ち、4つ打ちの組み合わせだ。ただし「それぞれを何回ずつ叩いたら……」という回数形式ではなく、16分音符連打の8小節(=128打)で1フレーズを完結させるべく調整されている。実際に叩くと、1〜2小節目(=5〜6小節目)の1つ打ち&2つ打ち部分はわかりやすいが、3〜4小節目(=7~8小節目)の3つ打ち&4つ打ち部分は戸惑うだろう。

    そこだけをピックアップしたのがEx-1b。カッコで括った組み合わせで叩き、最後に1回だけダブルを叩いて、手順をリバースさせるのがポイントだ。まずは、この部分を完全に理解してから、全体に取り組んでみよう。

    ▲本誌で紹介してくれたスネア・ウォーミングアップのエクササイズは、こちらの動画でもサイモンが実演している。

    そして、自分が正確に叩ける限界のテンポと、少し負荷のかかるアップ・テンポの2通りで実践してみるといいだろう。ちなみにサイモンの実演はとても滑らかなノー・アクセントで行われ、手順の変わりめがほとんどわからなかった。また、テンポはBPM=100くらいからスタートし、最後はBPM=180近いところまで到達していた……。

    サイモンの基本グリップ&フォーム

    取材は、サイモンのシグネチャー・スネア1台という、とてもシンプルなセッティングで行われた。それだけに、彼の細かいフォームや微妙なコントロールを、ハッキリと確認できたのは収穫だ。

    まずグリップだが、基本はマッチド・グリップ。親指と人差指とでスティックをしっかりとホールドし(強く握りしめてはいない)、主に中指と薬指を用いたフィンガリングで高速フレーズを叩く姿が印象的だった。逆に小指はスティックに触れていない場面も多く見られた。手の甲の向きは、フレンチ・グリップからアメリカン・グリップの中間あたり(ジャーマン・グリップになることはなかった)。

    また、写真からもわかるように、両肘を開いたフォームも特徴的。そして、どんなフレーズを叩いても、その直後に素早くスティックを引き上げる動作が印象に残った。スティックを打面に押しつけず、より良い響きを導き出すために、常に鋭いタッチを意識している現れだと言えるだろう。

    ※本記事は2014年月号の記事を転載したものです。

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