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    UP

    close up! – Roland V-Drums Acoustic Design

    • Text:Isao Nishimoto Photo:Taichi Nishimaki Video:Shigeki Azuma(A-Frank.llc)

    2020年のWinter NAMM Showでお披露目となったローランドVドラムの最新モデル=V-Drums Acoustic Design シリーズ。アコースティック・ドラムの外観を追求し、その核を司る音源モジュール、TD-27 には新たに開発された“PureAcoustic Ambience”テクノロジーを搭載。ルックス&サウンド共に、従来のモデルとは異なるラインナップとなっている。ここではローランドが満を持して発表したこの革新のニュー・モデルの全貌に迫ってみたい!

    Roland V-Drums Acoustic Design meets 松浦千昇/そうる透

    Part.1 V-Drums Acoustic Designの全貌

    これまでのVドラムで培ってきたノウハウとテクノロジーを集結しながらも、従来のモデルとは異なるラインナップが揃うV-Drums Acoustic Design。Part.1では新たなコンセプトの元、開発された同シリーズの全貌を紐解いていこう。

    1月のThe NAMM Show 2020で発表されたV-Drums Acoustic Designシリーズは、VAD506VAD503VAD306という3つのキットがラインナップされたV-Drumsの新しいシリーズ。これまでV-Drumsのキットには“TD-◯◯”という型番がついていたのに対し、今回の“VAD”で始まる型番には、他のシリーズとは異なるラインの製品だという主張を感じる。

    そして実際の製品からは、あたかもアコースティック・ドラムを叩いているような感覚を、今までとは違うアプローチで実現しようとしていることが伝わってくる。そのアプローチとは、アコースティック・ドラムさながらの外観と、そこからイメージされるサウンドおよび演奏感の両立だ。

    ⬇︎VAD506/Open Price

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    VAD5シリーズ(VAD506VAD503)は、タム/フロア・タム/バス・ドラムにフル・サイズのウッド・シェルを採用。スタンドはラック型ではなく一般的な三脚タイプで、これもアコースティック・ドラム的なルックスに大きく寄与している。

    クラッシュ・シンバルは新開発の薄型モデルで、スネアとライド・シンバルは、TD-50シリーズと共に登場したデジタル・パッド、PD-140DSCY-18DRが組み込まれる。ハイハットは、通常のハイハット・スタンドを用いて1枚のパッドが上下動するタイプ。

    これらがセッティングされた姿はアコースティック・ドラムそのもので、それぞれのパッドを叩いたときの手応えも、ドラマーが慣れ親しんだ感覚に限りなく近づいている。

    ⬇︎VAD503/Open Price

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    その感覚をサウンド面から支えるのが、新たな音源モジュールTD-27だ。フラッグシップ音源であるTD-50と同じモデリング技術、“Prismatic Sound Modeling”で生み出されるサウンドは、アコースティック・ドラムらしいニュアンスを伴った豊かな質感が特徴。

    さらに、新技術“PureAcoustic Ambience”テクノロジーによって、ドラマーのポジションで聴こえるアンビエンスをさまざまなパラメーターで調整することができる。3つの増設トリガー入力を使ってキットを拡張することも可能だ。

    ⬇︎VAD306/Open Price

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    もう1つのキットVAD306は、タムとスネアが深さ4″、バス・ドラムに深さ7″のウッド・シェルを用いたモデル。こちらもスタンドは三脚タイプが採用され、アコースティック・ドラムで言えば浅胴のコンパクト・キットというイメージだ。

    音源モジュールは、既発売のTD-17に新規作成されたアコースティック・ドラム音色を10キット追加したバージョン。シンプルな操作で、音色のカスタマイズからゲーム感覚のトレーニングまで多彩な機能を活用できる。

    V-Drums Acoustic Designシリーズが目指すサウンドと演奏感を省スペースで実現した手頃なキットとして、こちらも大いに注目したい。