SPECIAL
UP
話題のスタジオに大潜入!GT MUSIC SCHOOL/Studio GT
- 取材&文:竹内伸一
- 撮影:八島 崇(Studio)、森島興一(Live)
「楽しくてどーしようもない1日」!
生徒達によるオープン記念演奏会、
GT講師陣+ゲストを迎えた
スペシャル・ライヴ2本立て!をレポート
4月に新校舎が完成したGTミュージックスクールが、4月29日にそれを記念してスペシャル・ライヴ「Renewal Open Anniversary Live」を、地元の西川口のライヴ・ハウス、Heartsで開催した。
この日は昼夜2回公演となり、昼の部は、同校の生徒が講師陣と一緒に演奏するという趣向に。開演前の会場では、出演を控える生徒達が、譜面を見直したり、スティックを振りながら手順をおさらいする姿などが見受けられ、どことなく緊張した雰囲気が漂っていた。そんな中、滝川校長が、多くの人々の協力によって新校舎が完成したことへの感謝を述べ、「今日は楽しくてどーしようもない1日にしましょう!」と宣言。ライヴがスタートした。
GTミュージックスクールはもともとドラムのレッスンからスタートしたこともあり、ドラムを習う生徒が多いようで、ステージ上にはドラムが3台並び、生徒達はトリプル・ドラムで演奏するようだ。
まずは小学生と思われる少年、社会人と思われる女性と男性がドラムにスタンバイし「Stand by me」を演奏し始めた。ユニゾンでリズムを刻む3人の表情からは緊張感がうかがえたが、3人は息を合わせながら一生懸命に演奏と取り組んでいった。演奏し終えると滝川校長が、出演者にインタビュー。すると口々に「楽しかった!」と表情を崩した。以降もまだ幼稚園児かと思われる女の子から、孫が生まれたばかりという女性、一緒に習い始めた父娘など、年齢も性別も超えた共演が続々。彼らの一生懸命に演奏する姿は実に感動的だった。ドラムでライヴに出演した小学生の男の子が演奏を終えて「みんなで協力して演奏できて楽しかった!」と感想を語っていたが、その言葉が、音楽を演奏することの魅力を端的に表していたように思う。彼をはじめ、出演した生徒達にとっては、それぞれに忘れられない「楽しくてどーしようもない1日」になったことだろう。また、滝川校長は「練習よりもよくできた!」「テンポがすごく安定していたよ!」といった具合いに、出演した生徒達の長所を見出し、声をかけていたのも印象的。そこには生徒それぞれの魅力を引き出していこうとする同校の理念が現れていたように思う。そして、校長のその姿勢が、GTミュージックスクールのアットホームで温かい雰囲気を作り出しているように感じた。
夜の部は滝川校長を中心としたスペシャル・セッション。「良い音楽を届けられるように頑張ります」と挨拶すると、講師陣で編成されたGTティーチャーズバンドによる即興のセッションからライヴがスタートし、やがて校長ゆかりのミュージシャンが加わり、演奏に花を添えていった。諌山実生が伸びやかではつらつとした歌声を聴かせれば、下地正晃はしっとりとバラードを歌い上げ、田村直樹が華やかなギター・サウンドを響かせる。それぞれに確かなキャリアを持つ面々のパフォーマンスが、やはりさすがと唸らされるものだった。中でもスペシャルゲストのダイアモンド☆ユカイは、力強くも伸びやかな歌声でライヴを盛り上げ、会場の視線をすべて引きつけてしまうようなカリスマ性溢れるパフォーマンスは圧巻だった。
また、滝川校長のドラミングも秀逸で、ヴォーカリストの呼吸に合わせるかのごとく、タイトなビートを刻み、心地良いグルーヴを導いていく。過不足なくジャスト・フィットとでも言いたくなるようなドラミングも、やはりさすがと唸らされるものだった。最後は「みんなが知っている曲を」と、出演者全員で「君はともだち」を演奏。校長がブラシによる温かみのあるスネア・サウンドを聴かせて、多幸感溢れる中、ライヴは大団円となった。
この曲の前に「次代を担う人たちに音楽の感動を伝えられたらうれしい」と校長は語っていたが、詰めかけたGTミュージックスクールの生徒達は多いに刺激を受けたことだろう。そんなことを思わせる感動的なライヴだった。