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    【誌上ドラム・コンテスト2022】ERWIT プロフィール・インタビュー

    • Photo:Keishi Sawahira

    マルチにアウトプットしていた
    アートの世界から音楽への移行

    ●大学生活が進むにつれて、今度はアートの世界へと誘われていったそうですね。

    ERWIT ⼤学で芸術表現を学ぶにつれ、“⾳楽以外にもこんなに⾯⽩い世界があるんだ、もっとアートについて勉強したい”って思うようになり、⼤学院まで進みました。⾃分の知らない世界へどんどん⾶び込みたくなっちゃうんですよね(笑)。

    僕の通っていた⼤学院は、映像、⾳楽、彫刻、絵画、建築、アニメーション、プログラミング、デザイン……とにかくさまざまな領域とアートを結びつけて考えるカオスなところで、⾃分もドキュメンタリー映画を作りながら映像表現やSNSと⼈間の関係性を研究していました。同時に、学内展⽰会のパンフレットを作ったりデザイン系のバイトもしていて、これまたかなりいろいろやっていました。

    ●すごい! マルチですね……。

    ERWIT ⾳楽活動に専念してこなかったという若⼲のコンプレックスはありますが、逆にアートというフィールドで培った感覚がERWITの⾳楽に生かせればな、とも考えています。

    ●アートどっぷりの世界から⾳楽メインでやりたいと思ったきっかけは?

    ERWIT アートって、例えば僕の研究で⾔うと“SNSが普及することによって⼈間のこんな⼀⾯が露わになったよね? これからSNSとどうやってつき合っていく?”みたいなことを考え抜いて、提⽰することがあるんですよ。

    ⼈によってはそれが原発問題だったり、国によっては紛争だったりすると思うんですけど、こういった現代社会の負の側⾯に⽬を向け、作品を通して伝えるっていうのがアートの役割の1つにあって、これらについて四六時中考えるのが⼀時期しんどくなってしまいました(笑)。で、⾃分は⼤学院を卒業してどうやって⽣きていくのか、⽣きていきたいのかを考えたとき、遠回りしたけど、やっぱり⾳楽を創ること……⾳楽が好きだってあらためて思ったんです。

    ●話を聞いているとERWITさんならではの哲学をとても強く感じます。

    ERWIT アートの役割の1つとして、作品を通して普段は気がつきにくい世界を想像させる、と話しました。もちろんこれは⾳楽にも⾔えることなんですけど、⾃分の⾳楽を1⼈でも多くの⼈に聴いてもらうってなったとき、アート的な視点だけではなかなか届かないこともあると思うんです。なので、⾳楽が持つエンターテインメントとしての要素も⼤切にしながら、⾃⾝の哲学を表現していけたらと思います。

    ●神⾕さんもERWITさんの哲学を感じるところはありますか?

    神⾕ そうですね。曲を作っているときに、そういう哲学的な部分をちゃんと僕に伝えてくれるんです。その根底にはアートからくる部分もあるでしょうし、彼なりの表現とか世界っていうのはいつも強く感じています。彼はエンターテインメントと⾔ってますが、最初のアートなところからあまりブレていない感じはありますよ。

    レコーディングをしていて僕の思いついたアイディアを彼が⾯⽩がることがよくあるんですけど、そのアイディアってすごくアート的な要素が多いんですよ。コード進⾏とか具体的なことじゃなくて、曲の景⾊みたいなところで“もっとやっちゃおうよ”とか、実験的なことをよくやるんです。

    しかもいろいろ提案する中で、彼の中で違っていたらちゃんと違うって⾔うし、「いや、ここはもっと⾯⽩いことやりましょう」とか、そういうやり取りがすごく良いんですよね。

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