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【誌上ドラム・コンテスト2022】ERWIT プロフィール・インタビュー

  • Photo:Keishi Sawahira

メインストリームで表現する
自分自身が本当にやりたい音楽

●ERWITさんは、神⾕さんの⾃主レーベル=Make Some Recordsの募集企画でこうして出逢ったわけですが、そもそも神⾕さんのことは知っていたんですか?

ERWIT お恥ずかしながら知らなかったんです。ERWITを始めてすぐに⾃主制作盤を作ったんですけど、その時にゲスト・ヴォーカルで参加してくれた⼦と名古屋にいるMake   Some Recordsのスタッフの⽅がつながっていて、声をかけていただいたのがきっかけなんです。で、さっそく調べてみたところ、⾃分の好きなアーティスト達と制作したりプレイしていることを知って、かつ、ちょうど神⾕さんがソロ・アルバムを発表した頃で、それに感銘を受け、すぐに応募しなければ!となりました。

神⾕ そういう話はあったのですが、ERWITという名前は僕⾃⾝、聞いていたか聞いていないかくらいの感じだったんです。SNSで募集して40作品くらい集まったんですけど、そこで他の⾳源と同じように彼の作品を初めて聴いたんです。

ちなみに今、ERWIT君と同様、⼀緒に作業しているTakumadrops君という北海道の⼦もいるんですけど、実は彼も同郷(北海道)の⽯若 駿君が「神⾕さんが募集しているらしいから応募してみれば?」って⾔ってくれたみたいで(笑)。意外にも2⼈は僕の知り合いの推薦だったという。

●ERWITさんにしよう!という決め⼿は?

神⾕ バランス感が良かったんですよね。曲の中に良いポップス感があって、洋楽感も出したいけど出せない、みたいなところを感じて。そこを僕が⼿助けできるんじゃないかなと思ったんです。というかポップス感は僕よりERWIT君やTakumadrops君の⽅があるから(笑)。そこは崩さなくて良いなと思ったし、むしろそういうバランスでいながらも ERWIT君のアート性に魅⼒を感じたんです。彼の録⾳を⼿伝って⼀緒に⾳を出せたらすごく幸せなんじゃないかって素直に思いました(笑)。

●最初の共作『春暖の候』が完成したときは感動でした?

ERWIT もちろん感動しました。でも、正直なところ不安もありましたね。⼤学院を卒業して⾳楽をやるってなったときに、やっぱりキャッチーでポップな曲じゃないと売れない、⽣きていけないんじゃないかって思っていたので、J-Popな曲ばかり書いていたんですよ。そんな曲達を神⾕さんのもとへ持って⾏ったら、これとこれとこれは違う、と(笑)。かろうじて1曲選んでもらったのが「春暖の候」でした。

神⾕ 正しく伝えると、「違う」ではなくて、「今じゃなくて良いんじゃない?」って伝えたんですよ(笑)。キャッチーでポップな曲はいつか絶対に世の中に出すときが来るから、「今、僕とやるならこういう曲が良いんじゃない?」って⾔ったんです。全否定ではないです(笑)。

ERWIT そうでしたね(笑)。でも何かそれで吹っ切れたんです。神⾕さんはaikoさんや森⼭直太朗さんなど、ポップス最前線にいる⽅ともプレイしながら、⼀⽅で、⾃⾝のユニットの⾚い靴やソロ⾳源ではディープな⾳楽もやっていて、“⾃分のやりたいことや好きな部分もちゃんと出していいんだ”って思えるようになりました。

それから気持ちが軽くなったと思いますし、今は昔より⾃分の好きなようにやれていると思います。共作2作⽬の『浮遊船』なんかは思いきり好きに振り切れました。

●神⾕さんはどんな意識でERWITさんとの制作に臨んでいますか?

神⾕ 僕が常に彼の近くにいて何から何までやってあげるというよりは、まずは彼ができるところまでやって、少しだけ⼿助けをしたり、何かきっかけを作ってあげたいんですよ。

ただ、ERWIT君は⼀直線な男なので、僕が勧めた⾳楽とか⾃分の好きな⾳楽ばかりを聴くんですけど(笑)、そうなるとそういう⾳楽しか⾒えなくなるので、ちょっとずつヒントは送り込んでいきたいなとは思います。まだ上京してきたばかりなんですけど、彼の真⾯⽬さとストイックさがどう化けていくか楽しみですね。

●最近の若いミュージシャンは、とてつもないテクニックを持っていたり、ある意味隙のないパーフェクトな⽅も多いですけど、ERWITさんはまだキャンバスが真っ⽩な気がしています。だからどうなるのか楽しみですよね。

神⾕ 洋楽っぽいことをやる若いミュージシャンも多いですけど、彼はそれとも違うというか。ある意味、異端児ですよね。同性代でも“何だコイツ”って思われているのかなと(笑)。

●最後に、今後の⽬標などはありますか?

ERWIT いつか「映画ドラえもん」の主題歌をやりたいですね(笑)。と⾔っても、ただメインストリームに歩み寄った⾳楽をやりたいという意味ではなくて、⾃分の持っている感覚や表現、バックグラウンドをしっかりと出しながら、いつか⼤きな舞台で神⾕さん達とやりたい⾳楽を奏でられたら! それを⼀緒に楽しんでくれる仲間に出会えたら! という意味での⽬標です。

●今後のご活躍、期待しております!

ERWIT ありがとうございます。

◎Information
ERWIT  FRIENDSHIP. YouTube Twitter

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