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Archive Interview – ピエール中野[凛として時雨]2010年10月号
- Interview & Text: Rhythm & Drums Magazine Photo:Yoshika Horita
ピエール中野[凛として時雨]のアーティスト・ブック発売を記念し、ドラマガWebでは本書の特設サイトを公開中! ここでは試し読みコンテンツとして、書籍に再収録予定の本誌掲載インタビューを一部ピックアップ。今回はその第3弾として、ピエールが初めて表紙を飾ったリズム&ドラム・マガジン本誌2010年10月号掲載、『still a Sigure virgin?』リリース時のインタビュー記事を発掘! 大会場や初の海外公演について語られたセクションを紹介しよう。
リズム&ドラム・マガジン2010年10月号掲載インタビュー
良いプレイができれば反応がある
それは日本もイギリスも変わらない
●まずは今年の活動を振り返っていきたいのですが、I was musicツアーのファイナルをさいたまスーパーアリーナで飾ったというのは、大きなトピックの1つだと思います。アリーナ・クラスの会場でワンマンをやるのは初めてだと思いますが、やってみた感触はいかがでしたか?
ピエール 緊張すると思ったんですけど、大きめのライヴ・ハウスでやっている感覚と近かったですね。その前にJACK IN THE BOXのセッションを武道館でやったんですけど、そのときは会場がすごく大きく感じて、やっていてもフワフワした感じだったんですけど、今回はそういうこともなく、ライヴ・ハウスに近い感覚で演奏できましたね。
●地元埼玉でツアー・ファイナルを飾るということには、特別な思いがあったんじゃないですか?
ピエール そうですね。他にも候補があったんですけど、どうせやるなら地元でやりたいという思いがあったので。当日は両親も呼べましたし、地元の友達やずっと一緒にバンドをやっていた仲間もたくさん来てくれて、あの日はすごく楽しかったですね。
●ツアー後には、イギリスでツアーも行ったそうですが、初となる海外公演はいかがでしたか?
ピエール 日本とそんなに変わらない印象でしたね。お客さんも自分達のことを知らなくて、他のバンド目当てだったり、日本人が演奏するから見てみるかっていうノリの人もいたかもしれないんですけど、イギリスでも良い演奏がちゃんとできたので、レスポンスもドンドン返ってくるようになったし、終わった後には、みんなウェルカムな感じになっていて。
その感覚は日本で最初にやっていたときと同じっていうか、僕らのことを誰も知らない中で演奏して、終わったあとにすごく良かったって空気に変わっていく感じがあって。その感覚や空気をイギリスでも作れたのは良かったと思いますし、きちんと良いプレイができれば反応があるっていうのは、日本と変わらないなって。だから、もっと海外でやってみたいという気持ちが強くなりました。もっとやれるんじゃないかって。
●海外で演奏することで変わるという話も聞きますが、ピエールさんの中で何か変化はありましたか?
ピエール やっぱりバンドを始めた当時の感覚を思い出したっていうのは大きかったと思います。プレイに関しても、今のスキルや経験がある中で、その当時の爆発力みたいなものをそのまま出したらどうなるんだろうと思ってやってみたら、すごく良かったんです。これまではそうすることでプレイが粗くなって、伝わりにくくなるのかなと思っていたんですけど、経験を積んだ今、初期衝動的なところに自分を持っていくと、また違った部分で面白いドラムやライヴができるなって、イギリスでやっているとき発見して、日本に戻ってきてからも同じようなスタイルでライヴをやってみたら、やっぱりきちんと手応えがありましたね。
Review 〜当時のインタビューを振り返って〜
ピエール中野「イギリスでライヴ終わってトイレ行ったときにさっきの日本人のドラム観たか? あんなすげぇドラム初めて観た!って興奮気味に言われて、あれは僕だよって返したらめちゃめちゃ驚いてくれて。日本でもこういう人を増やしたくてライヴ頑張ってたんだよなって思い出しました。つっちーとの出会いも大きくて、ホテルで同じ部屋だったからドラムの話を延々にしてたし、その後もいろいろとお世話になってます。TKデモのドラム打ち込みが緻密になってくるのと、楽曲に現在のTKソロの片鱗が見えてくるのもこの頃です。8分、16分に関しては既存のセオリーを踏襲しつつも、そこに頼りすぎないバランスは変わらず持ってますね。基礎があってこその応用だし、自由であり、個性です。コピーする読者へのアドバイスが的確!」
12月14日発売の『ピエール中野[凛として時雨]アーティスト・ブック』では、このインタビューの続き&過去の掲載記事をまとめて読める!
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Artist Book
ピエール中野[凛として時雨]
今年CDデビュー15周年を迎えた凛として時雨のドラマー、ピエール中野。ドラマーとしてはもちろん、プロデューサー、DJ、MC、ヘッドホン/イヤホンの監修など、その才能を多方面で発揮している。本書ではそんなピエールのマルチな魅力をさまざまな角度から掘り下げていきます。録り下ろしによる最新の超ロング・インタビューでは、そのルーツやドラマーの軌跡はもちろん、求められる自分になる方法や、セルフ・プロデュース術などにもフォーカス。ドラム・セット5台、スネア・ドラム24台を核とした膨大な機材コレクションや、愛用のイヤモニや監修したイヤホンも30ページ以上に渡って掲載! さらにリズム&ドラム・マガジンでこれまでに行ってきたインタビューを再収録する他、関係者によるコメントや撮り下ろし写真を駆使したプレイ・スタイル分析なども掲載。ドラマーとしての魅力を凝縮したアーティスト・ブックでありながら、“人生の歩き方”もわかる世界的にも類を見ない1冊です。
-掲載予定コンテンツ-
Special Interview
Biography
Gear
Drumming Style
Archive Interview
Discography、etc.