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    【2021年10月号掲載】フット・ワーク特別対談!〜河村“カースケ”智康×玉田豊夢〜

    総力特集“the Foot Work”より
    カースケ×玉田対談の一部を公開!

    ただいま発売中のドラム・マガジン2021年10月号は、1冊を通して総勢100人のプロ・ドラマーの足元がわかる“the Foot Work”号! ここでは、総力特集のスタートを飾る河村“カースケ”智康&玉田豊夢による、フット・ワーク対談をちょっとだけお届け。

    日本のトップ・ドラマーが語り合う“ ペダル愛”

    ●フット・ワークと言うと、動きに焦点が当たりやすいですが、お二人は音色にこだわっているように感じます。セットによってペダルを変えるという点も共通していますが、そのきっかけは何だったんでしょうか?

    カースケ 俺は楽器との相性でペダルを変えてるんだよね。まず踏み心地が一番の肝で、跳ね返りが強いペダルは苦手。踏んでからさらに“グッ”と押し込めるペダルが好きで、今日持ってきたペダルは全部その感じがあるから使ってるんだと思う。踏み込めないと嫌というか、変に跳ね返られるとプレイできなくなっちゃうんだよね。

    ●なるほど。だからカースケさんのペダルのスプリングは緩いんですね。

    玉田 自分もスプリングが緩い方だと思ってたんですけど、さっきカースケさんのペダルを触らせてもらったら、ビックリするくらい激緩で、ほとんどスプリングが効いてないくらい(笑)。でも僕もカースケさんと同じで、ペダルが勝手に行ったり戻ったりしてほしくないですね。僕がいろんなペダルを使う理由なんですけど、例えば26″でミュートが少なくてヘッドの跳ね返りの強いキックに現代的なペダルをつけると、ブルブルブルって返ってきちゃうんですけど、それがすごく苦手で。そういう場面でスピードキングを使うと、不思議と丸く収まるというか、キックとペダルと足が一体になるような感覚があるんです。逆に締まりのあるローが出る現代的なキックにスピードキングをつけると一致しないんですよね。そういう場面ではDWだったり、そういうペダルの方がキックとペダルと足が一致する感覚がありますね。その一致する感覚を知っているから、ペダルを使い分けるんだと思います。

    カースケ わかる。楽器とペダルとの相性ってあるよね。それは自分の持っているイメージもあると思うんだけど、例えば50年代のフェンダーのギターには、フェンダーの古いアンプが合うみたいな感じで、オールド・ラディックには絶対にスピードキングが合うと思うの。もうそれ以外はつけたくないくらいの感覚があって。ペダルと楽器のイメージが合うもの同士で組み合わせたいんだよね。

    玉田 僕も一緒です。だからカースケさんが使っている機材に興味があるんですよ。

    カースケ 豊夢ちゃんとはそういう情報の交換するもんね。これ良いよ、とか。けっこう楽器の趣味嗜好が似ているのかもしれない。確かソナーもペダルもそうだったよね?

    玉田 今日持ってきたソナーのペダルを買うきっかけになったのはカースケさんで、たまたまスタジオが同じになったときに見学に行って、そのときにカースケさんがソナーのペダルを使っていたんです。踏ませてもらったらめちゃくちゃ良くて。ものすごくふくよかな音だったんです。そのイメージが頭に残ったまま、たまたま行った楽器店でソナーのペダルを見つけたときは、これは買うしかないって(笑)。

    ●今日は取材用に3台ペダルを持ってきてくださいとお願いしたのですが、偶然にも3台のメーカーが同じで。使い方のイメージも同じで、まずヴィンテージ楽器にはラディックのスピードキングを使うという。

    カースケ もう絶対に。ラディックもグレッチも、昔のものには必ずスピードキング。チャーリー・ワッツもずっとスピードキングを使ってるけど、やっぱりそういうことなんだと思う。

    ●カースケさんがイメージするラディックのバス・ドラムの音色は、スピードキングじゃないと出ないんでしょうか?

    カースケ 出ない。豊夢ちゃんはどう?

    玉田 わかります。カースケさんが録音した音源を聴くと、その組み合わせが浮かんでくるというか、キックの音色がふくよかで、ブフッとした感じが絶対にあるんですよ。僕はそういうカースケさんが出そうとしている音が好きなので、今、こうして話を聞いていても、腑に落ちるというか、“ですよね!”って思います。でも当然のことかもしれないですけど、メーカー同志のキックとペダルは相性がいいですよね。ソナーのガチッとしたキックには、やっぱりああいうガチッとしたペダルが合うように作られている気がする。

    カースケ DWもそうだよね。特に同じ時代の楽器とペダルは合うと思うな。

    ▼リズム&ドラム・マガジン2021年10月号をチェック▼

    本誌ではさらに、この日2人に3台ずつ持参してもらった愛用ペダルについて深掘り。使い分けやセッティングについてなど、フット・ワークについてのこだわりをうかがい知ることができる。