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    Selected Jeff’s Works 沼澤 尚が選ぶジェフの名盤 100〜Vol.03〜

    スティーリー・ダン、ボズ・スキャッグス、マイケル・ジャクソンなど数々の傑作にセッション・ドラマーとしてその名を刻み、TOTOのメンバーとしても大成功を収めた伝説のグルーヴ・マスター、ジェフ・ポーカロ。4月1日の彼の生誕記念日に絡めて、その功績を語り継ぐべく、生前ジェフとも親交のあった沼澤 尚が選んだ“ジェフの名盤100”を10日間に渡って紹介! 3日目=Vol.03では記念すべきTOTOのデビュー・アルバムを含む10作品を紹介していきます。 

    Vol.01、02で紹介した作品はこちらのまとめサイトをチェック!

    『Deep In The Night』/Etta James(1978年発表)

    “ブルースの女王”の異名を取るエタ・ジェームスのR&B作品。ジェフのドラムと組みするのはチャック・レイニー、ラリー・カールトンらと共にコーネル・デュプリー、リチャード・ティーのスタッフの一員。ジェフのプレイも心なしかガッドのようにも聴こえてくる。当時の“コテコテ”のR&Bプレイヤーの中で、それを楽しむようにプレイているのだろう。(菅沼道昭)

    『Fm(The Original Movie Soundtrack)』/V.A.(1978年発表)

    特に自分のグルーヴや技術に関して、この人ほど極端に謙虚なドラマーは未だにお目にかかったことがない……まるで理解不能だが。その彼がどうしても1曲だけ好きなドラム・トラックを選ばなければいけなかったとしたら、と聞かれて渋々自身の口で答えたのがこのタイトル曲(スティーリー・ダン)。奇跡の超人的グルーヴとドラム・サウンド。(沼澤 尚)

    『Larry Carlton』/Larry Carlton(1978年発表)

    カールトンの代表曲「Room 335」が収録された名盤。同曲でのプレイは、一見シンプルなようで実は細かいハイハットが隠し味となった奥の深いグルーヴが秀逸。またアップ・テンポの「Point It Up」は、中間部の高速ラテン・ファンク系パターンが有名で、ジェフのテクニシャンとしての側面を広く認知させた。(長野祐亮)

    『Leo Sayer』/Leo Sayer(1978年発表)

    本作にジェフは6曲参加。そのプレイは比較的シンプルだが、楽曲に即した懐の深いグルーヴと温もりに満ちたダイナミクスが心地良い。「La Booga Rooga」の陰影に富んだスネア・ワークの表現力や「Frankie Lee」などのダンサブルな楽曲で聴ける、突き上げるようなビート感はまさに芸術的。音質が非常に生々しいのも良い。(長野祐亮)

    『Mannequin』/Marc Jordan(1978年発表)

    AORの代表的アーティスト、マーク・ジョーダンの1stアルバム。ドラムはジェフとハーヴィー・メイソンが参加しており、詳細は不明だが、ジェフのテイクが多いと思われる。乾いた空気感と共に都会的なセンス溢れるドラミングを堪能できる作品で、スネアやタムなどの音圧や芯の太さも抜群。プレイの説得力が半端ではない。(長野祐亮)

    『KENJI SHOCK』/大村憲司(1978年発表)

    中学時代からとにかく大ファンで、初めてライヴを観たときにその弾いている姿と“音”のカッコ良さに完全にヤられてから、やがて共演させてもらえるようにもなり、亡くなる寸前まで本当に大村憲司一筋だった。初めてのソロ作品をリリースした直後に、ハーヴィー・メイソンがプロデュースして、ジェフがプレイした歴史的傑作。(沼澤 尚)

    『In the Center』/Rodney Franklin(1978年発表)

    1970年代のクロスオーヴァー・キーボディストのデビュー・アルバム。変拍子の組曲以外のドラムはジェフが担当。フュージョンというジャンル確立以前の混沌としたクロスオーヴァー・サウンドで、ある種のレア・グルーヴ。ジェフのプレイもジャズ、ディスコ、ラテンのフレーヴァーをごちゃ混ぜにした感じで、レアなプレイで盛りだくさん!(菅沼道昭)

    『Toto』/TOTO(1978年発表)

    1978年、ジェフを始めとするLAの才能溢れる凄腕若手ミュージシャンによって結成されたTOTO。本作がそのデビュー・アルバムで、驚異的完成度を誇る。ジェフのオンリーワン・グルーヴがとにかく絶品。「Georgy Porgy」、「Girl Goodbye」、「Hold the Line」などなど、すべてがジェフでなければ、と確信。(小宮勝昭)

    『Wild Child』Valerie Carter(1978年発表)

    デビュー作での優れた楽曲、独特な歌声、特別なサウンドと際立ったパフォーマンスで完全に虜になっていた彼女のセカンドは、ジェームス・ニュートン・ハワードのプロデュースによって黒っぽさは姿を消し、この時代ならではのセンスの良いハイクオリティさにフォーカスして、トータルな意味でこの時代を象徴する超名盤に。(沼澤 尚)

    『Sweet Vendetta』Adrian Gurvitz(1979年発表)

    その頃の学生達の「なんとなくクリスタル」な流行りと共に日本国内では空前のAOR/ディスコ・ブームが到来。1960年代後半から若くしてバンドを渡り歩きながら、イギリスのどちらかと言えばハード目なロック・シーンで活躍していたエイドリアン・ガーヴィッツがLAで制作した隠れたAORの名盤。(沼澤 尚)

    ※本記事はリズム&ドラム・マガジン2014年5月号、6月号の記事を転載したものになります。

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