ここからは後半戦。事前に募集されたヒカセン達からのプレイ動画をモニターに投影しながらのコラボ演奏が繰り広げられる。鮮やかに並み居る強敵の数々を撃破していく名プレイを盛り立てるTHE PRIMALSの演奏。熱のこもった“ゲーム”と“演奏”のプレイが織りなす相互関係はステージと客席、そのどちらが主役であるのかを曖昧にさせていく。制作陣とプレイヤーの垣根を壊しにかかるという、実に粋な演出であった。

アコースティック・アレンジで届けられた「知恵の巻き貝 〜オールド・シャーレアン：夜〜」では入りをトチるという（実は本日2回目）、微笑ましい一幕も見られたが、「夜に相応しい曲を」とのMCにある通り、揺れるサイリウムやライトの灯りに束の間の戦士の休息を体験させてくれると言った趣きであった。

終盤では、“ Say My Name!! ” “Say my name!!” “ Sephirot!! ”のシャウトでお馴染みの「魔神 ～魔神セフィロト討滅戦～」から、こちらも“Bow down overdweller!!” ×3からの“Titan!!”でお馴染みの「過重圧殺！ 蛮神タイタン討滅戦 」。後者なんかは特にタム中心のトライバルなビートやコージの早口でがなり、まくし立てるヴォーカル・スタイルにも相まって、何だか辺境のミクスチャー・バンドを聴いているかのようであった。

本編ラストに演奏されたのは「エスケープ ～次元の狭間オメガ：アルファ編～」。オリエンタルなギター・フレーズでドライヴするバンドの演奏に祖堅がエフェクトがかったヴォーカルを伸びやかに響かせる。

アンコールでは「メタル：ブルートジャスティスモード ～機工城アレキサンダー：律動編～」、「ライズ ～機工城アレキサンダー：天動編～」、「ローカス ～機工城アレキサンダー：起動編～」と、機工城アレキサンダーからの3連発を矢継ぎ早に叩きつけ、バンドに、そしてFFXIVという作品へ向けられた愛への感謝を満面の笑みで示し、最後に祖堅の「今日のライヴを楽しめた人は、FFXIVを真剣にプレイしていた人だ！」との一言で本公演は締め括られた。

一応、今さらながらに断っておくがTHE PRIMALSでメイン・ヴォーカルを務める祖堅とコージはれっきとしたスクウェア・エニックスの社員さんである（笑）。コンテンツの制作スタッフが音楽グループとして表に出て大観衆を熱狂の渦に巻き込むと言うこの図式は、とんねるずにおける野猿（とんねるずのお2人意外は全員番組制作スタッフであった）のそれを思わせるものであり、野猿の楽曲を未だに愛聴しつつカラオケでもよく歌う筆者においてはもう、感涙を禁じ得ない光景であった。野猿イズムがここに継承されているとは……。

単純に圧巻であったし、そのヒカセン達へのうれしい演出の数々にはやはり、ユーザーを“楽しませ続ける”ということについて真摯に向き合い続けるゲーム制作者としての強くて優しい矜持を感じさせてくれた。

そんなTHE PRIMALSの面々に心からの感謝の意を示しつつ、FFXIVやってみたいけど、いかんせんどうにもこうにも時間がねえんだよなあと頭を抱える、筆者であった。

『THE PRIMALS Live in Japan – Beyond the Shadow』 Set List

1. ENDWALKER
2. 輝ける蒼 ～希望の園エデン：覚醒編～
3. 究極幻想
〜MC〜
4. メタル ～機工城アレキサンダー：起動編～
5. 忘却の彼方 ～蛮神シヴァ討滅戦～
〜MC〜
6. 目覚めの御使い ～ティターニア討滅戦～
7. 女神 ～女神ソフィア討滅戦～
8. 悠久の風
9. メインテーマ～マトーヤの洞窟メドレー
10. ビッグブリッヂの死闘
-MC-
11. 貪欲
12. To the Edge
13. Shadowbringers
14. 知恵の巻貝 ～オールドシャーレアン：夜～（Acoustic Version）
15. Close in the Distance
16. Flow Together
17. 此処に獅子あり ～万魔殿パンデモニウム：辺獄編～
18. ロングフォール ～異界遺構 シルクス・ツイニング～
〜MC〜
19. 魔神 ～魔神セフィロト討滅戦～
20. 加重圧殺！ ～蛮神タイタン討滅戦～
21. エスケープ ～次元の狭間オメガ：アルファ編～

EN1.（22）メタル：ブルートジャスティスモード ～機工城アレキサンダー：律動編～
EN2.（23）ライズ ～機工城アレキサンダー：天動編～
EN3.（24）ローカス ～機工城アレキサンダー：起動編～

▼Information▼

ドラマガWebにて、たちばなテツヤのライヴ機材レポート＆インタビューを近日掲載予定！
機材へのこだわりや、たちばなさんのドラム観など、ディープに掘り下げていきます。乞うご期待！