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    Report -【KID FRESINO “20,Stop it.” Release Live】(柏倉隆史[toe、the HIATUS]、石若 駿)

    • Photo:Ray Otabe(Live)

    KID FRESINOとCH.0によるDJセクションを挟み、再び始まったバンド・セクションで演奏されたのは柏倉がアルバムで客演している「No Sun」。特有のスリップ感、絶妙なゴースト、バス・ドラム/スネア/ハイハットの3点で生み出されるうねるグルーヴはまさに“柏倉節”に尽きる1曲。

    新作以外の未リリース曲やコラボ作も多数披露された。石若のソロ・プロジェクト=Answer to Rememberの1stアルバムに収録の「Run」もその1つ。スリリングな7/8拍子進行、矢継ぎ早に叩き込まれるFRESINOのリリック、そして石若の超絶ドラミングが圧巻だった。

    「Let me in」では、石若のセットがラテン仕様にシフト。ティバレスのサウンドがアサインされたVパッドや、バス・ドラムに直置き(!)されたボンゴなどを駆使する様子に、彼のドラムの可能性に対する探究心を垣間見た気がした。

    バンド・セクション本編の最後を飾ったのは、FRESINOがカネコアヤノのパートも歌った「Cats & Dogs」。この曲は石若がアルバムで客演しており、原曲でのハイハットによる6連アプローチが非常に印象深かったが、そこは柏倉が見事に再現。ゆったりとした曲調と無機質な刻みとの絶妙なコントラストを生み出していた。再びDJセクションを挟みアンコールで披露された「LOVE」は、小林が奏でるスティールパンの優しい音色と、石若の鳴らすキットの木の温かさが際立った1曲だったように思う。アウトロではFRESINOの「長めにやろうよ」という一言に反応するようにドラマー2人が掛け合いを始め、最後は柏倉がまくし立てるという一幕も見せ、ライヴは幕を閉じた。

    今回のライヴでは、石若も柏倉も、かなりの量のパーカッションを持ち込んだり、ドラム・セットを拡張しており、原曲の再現、多彩な音色、ツイン・ドラムによるバンドの奥行きに対する意識の高さを痛感した。そして2人の奏でる人間味のあるビートは、確実にFRESINOのフロウに寄り添い、支えていたように思う。それはDJセクションがあることで、趣の違いをより深く感じることができたのだろう。

    今回のライヴで使用された2人のキットは近日公開予定!

    KID FRESINO『20, Stop it.』
    Dogear Records/AWDR/LR2 DDCB-92114
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