プランのご案内
  • PLAYER

    UP

    【Interview】Shinya[DIR EN GREY]

    • Interview:Rhythm & Drums Magazine Photo:Takao Ogata(Live)

    速いセクションは過去最速
    その部分は逆にアグレッシヴさを抑えて
    “無”になって脱力している

    いざアレンジをしていくと
    これまで以上に複雑になった

    ●Shinyaさん個人としては、今作を完成させていく上で意識されたテーマやコンセプトはあったのでしょうか?

    Shinya シンプルを心がけていたのですが、いざアレンジをしていくとシンプルでは収まらなかったので、これまで以上に複雑になった印象です。

    ●なるほど。約10分に及ぶM1「Schadenfreude」は、冒頭でのタムを使ったパワフルなビートに始まり、クローズド・ハイハットのみで繊細な演出をするセクションや、疾走感のある2ビートを用いたアグレッシヴなプレイまで、ドラムの展開も豊富ですね。ストーリー展開はどのように練っていったのでしょうか?

    Shinya もともとは長尺の曲ではなかったのですが、アルバム制作後半で長くなりました。曲が長いので、同じ構成でも1回目と2回目で微妙に変えたりとかして、飽きないようにフレーズ作りを意識しました。

    ●M2「朧」はメロディアスなバラードで、Shinyaさんの叩くトライバル・ビートと、煌びやかなシンバルを効果的に絡めたリズム・パターンが楽曲をドラマチックに演出していますね。フレージングはどのように組み立てていきましたか?

    Shinya サビがシンプルなビートになるので、Aメロのパートをあまりやったことのないようなフレーズにしました。ラストに出てくるAメロだけ、ライドとスプラッシュのフレーズを入れてるのがポイントです。

    ●M3「The Perfume of Sins」は緩急がはっきりと分かれた楽曲で、メタル色の強い高速ビートも印象的です。セクションごとに、プレイや意識はどのように切り替えていますか?

    Shinya この曲は速いパートが過去最速なので、その部分が来たら、逆にアグレッシヴさを抑えて“無”になって脱力しています。そのセクションが終わったら、今度はアグレッシヴなプレイを意識しています。

    ●最速のビートへの挑戦もあったわけですね。M4「13」は、鍵盤などの上モノも入った壮大かつ厚みのあるバンド・サウンドの楽曲で、各パートがユニゾンするように、一体感のあるプレイを繰り広げていますね。ライヴで演奏される際は、どんなところに気をつけてプレイしていますか?

    Shinya 歌は綺麗に流れていきますが、ドラムはアクセントの場所とかが非常にややこしいです。ギターと合わせたフレーズが多いので、ライヴではギターをよく聴くことを意識しようと思っています。

    ●M5「現、忘我を喰らう」は、メロディアスな曲調も、主体となっているポリリズミックなビートも印象的でした。随所にキメも絡む複雑なドラム・アプローチですよね。

    Shinya この曲がアルバムで一番キメが多く、めちゃくちゃ複雑でした。レコーディングでは譜面から一瞬たりとも目が離せなかったです。

    ●M9「Eddie」は、駆け抜けていくような疾走感のあるハード・チューンですね。ドラム始まりの楽曲ですが、イントロのフレージングはどのように考えましたか?

    Shinya この曲はもともとこんなに激しい印象はなかったのですが、アレンジしていく中でテンポも上がり、曲もハードコア寄りなアレンジになっていきました。それに伴い、「イントロはドラム・ソロ的なものを入れたらどうか」という提案があり作りました。

    ●ダークなM10「御伽」もまた、タムと金モノで楽曲の世界観を演出するような曲で、冒頭のビートなども印象的でした。フレージングにおいて、タムとシンバルのバランスはどのように意識していますか?

    Shinya 自分のドラム・セットはフロアのすぐ上にライドが設置されてるので、それを頭でイメージしながらフレーズを考えていきました。

    ●今作をドラマチックに締め括るM11「カムイ」では、シンプルでどっしりとしたアプローチかつ、スネアやバス・ドラム主体のビートで歌に寄り添っている印象を受けました。歌を生かす上で重要視していることは何ですか?

    Shinya ドラム・アレンジを詰めるときはすでに歌が入ってる状態なので、歌に合わせるフレーズを入れたり、歌の隙間のところを縫うようにフレーズを入れたり、かなり歌を意識したドラム作りを基本的には心がけています。

    Next➡︎「14ページにも及ぶ枚数で、集中力もかなり要りました」