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    Interview – オカモトレイジ[OKAMOTO’S]

    • Interview & Text:Rhythm & Drums Magazine Photo:Yoshika Horita(page 3)

    シャッフルのアプローチがハマったのも
    一番ドラムを練習していた時期に
    50〜60年代のロックンロールやブギーの音楽を叩いていたからかもしれない

    普段俺らが使わないような
    脳ミソの部分を使ってアレンジしていった

    ●「Welcome My Friend」や「History」もそうですが、「MOTEL」は、ポップさや歌謡曲のテイストを取り入れている感じもありつつ、OKAMOTO’Sらしいロック要素をいい塩梅で表現できていますよね。

    レイジ 「MOTEL」は一番大変でしたね。大変だったっていうか、デモからアレンジをめちゃくちゃ変えたんですよ。スタジオに入って思いつきでやったアレンジが、結構いいねってなって。もともとのバージョンは全然違って、4つ打ちの打ち込みっぽい歌モノのディスコっていう感じだったんですよね。

    ●完成した曲を聴くとそういった曲調だったとは想像できないですね(笑)。もともと80年代の歌謡曲にマッチした重たさをねらって、シャッフルっぽいアプローチにしたのかと思ったのですが……。

    レイジ 違うんですよ、それが。その場の瞬発力でこんな感じになって。「ちょっと思いついたんだけど、こんな感じの演奏でやってみない?」って確かハマ君(b)が言い始めたんですよね。それでパッと合わせてみたら、「こっちの方が良いんじゃん?」ってなって。ただ、作った本人のコウキさんは、突然変わりすぎてちょっと困惑してた(笑)。

    ●(笑)。

    レイジ 「ちょっと一回持ち帰らせて?」って。で、そしたらその日からコロナ自粛になって、3ヵ月ぐらい空いてレコーディングを再開したんですけど、その間に俺らの最近あるレコーディングずっと手伝ってくれているBRIAN SHINSEKAIとコウキの2人でちゃんとそっちの方向でアレンジを詰め直してくれて。それをスタジオ入って録った感じですね。

    ●曲調が大幅に変わったにも関わらず、パッと合わせてやってみたシャッフルのアプローチがしっかり曲調にハマっているのは驚きです。

    レイジ このアプローチがハマったのも、一番ドラムを練習していた時期にロックンロールとかブギーとかシャッフルの多い音楽を叩いていたからかもしれないですね。50〜60年代の音楽はそういうノリが多いから。

    ●「History」は、弾き語りが始まったかと思いきや、16ビートで疾走感のある展開となっていて、サビでは弾けるロックンロールの曲調になるなど、多彩なアプローチが盛り込まれていますよね。

    レイジ この曲は映画のエンディングで流れるから、スタジオでアレンジを詰めるときに、監督の黒木 瞳さんが実際にスタジオに来てくださって、「映画ではこうなるから、もう少し尺を伸ばしてほしい」とか、エンディングに合わせて調整していったんですよね。

    ●怒涛で多彩でありながら自然にポップな展開の曲に仕上がっている印象があって、SNSでも、“何度もリピートして聴いてしまう”などの評判も多く見受けられました。

    レイジ 普段俺らが使わないような脳ミソの部分を使ってアレンジしていったり、不自然な小節数になっていたりするのが、逆にクセになるのかもしれないですね。曲自体はザ・ラプチャーみたいなディスコ・パンクのような感じにしたいなと思ったんです。

    ●そういう要素などいろいろと盛り込んで、“OKAMOTO’S、変わっちゃったよね”なんて絶対思わせずに、サビでポップに聴かせたりして映画のエンディングにもマッチさせたり、初めて聴いた人にも興味を持たれる要素もある気がします。

    レイジ そうですね。弾き語りから始まるみたいなのも新鮮なんですよね。ライヴでも何度かやったんですけど、かなり良い感じの手応えでした。