プランのご案内
  • PLAYER

    UP

    【Interview】むらたたむ[NEMOPHILA]

    • Interview:Rhythm & Drums Magazine

    私のキャラクターも、考えるドラミングも
    激しいサウンドとは絶妙にミス・マッチなんだと思う
    だからこそ、NEMOPHILAというバンドの
    良いエッセンスにできていたりするんじゃないかなって

    2019年に結成されたガールズ・ヘヴィ・メタル・バンド=NEMOPHILA(ネモフィラ)が、1stアルバム『REVIVE』をリリース。確かな演奏力を備えた5人が繰り出すド迫力のサウンドで話題を呼び、LINE CUBE SHIBUYAで行った有観客のワンマン公演は即ソールド。大注目のこのバンドで痛快なドラミングを聴かせるむらたたむに、楽曲制作やライヴでの意識について存分に語ってもらった。

    気をつけているのは
    “わかりにくいことをしない”こと

    ●ヘヴィ・メタル・バンドとして19年に始動したNEMOPHILAですが、バンド結成のきっかけは、ヴォーカルのmayuさんからのセッション・バンドへのお誘いだそうですね。当時、面識はなかったそうですが……。

    むらた ちょうどその頃バンドがやりたくて、私もメンバーを探していたんです。でも、良いテンポで話を進められる出会いがなくて。そんなときに声をかけていただいたので、行ってみようと思いました。気持ち的には、観光旅行しにいく気分でスタジオに向かいました。どんな景色が見られるかな、ワクワクルンルンって感じですね。初めてメンバーと演奏した印象は、あらためて“人と合わせるのって楽しいな”と……スタジオで何を合わせたとかは、あんまり記憶にないんですよね(笑)。

    1st Album『REVIVE』
    マスターワークスパブリッシャーズ

    DDCZ-2285

    ●このメンバーで、本格的にバンド活動をしようと思った決め手は何だったのですか?

    むらた SAKI(g)ちゃんですね。最初、SAKIちゃんはバンドの監修的な立場で入る予定だったそうなのですが、メンバーとして入ると聞いたので、「それならやる!」って言いました(笑)。あとはやっぱり、メンバーそれぞれの人柄ですね。これはかなり大きな理由です。一緒にチームとしてやっていくためには、この部分が必須条件だと思います。

    ▲NEMOPHILA(L→R)
    葉月(g)、むらたたむ(d)、mayu(vo)、ハラグチサン(b)、SAKI(g)

    ●人柄は確かに重要ですね。さて、バンドの名刺代わりとなる1stアルバム「REVIVE」ですが、ドラマーとしてはどのような意識で制作に取り組みましたか?

    むらた 曲のラインナップが決まった段階で、自分のやりたいことがどの曲でどれくらいできるか、全体のバランスを考えました。その上で、1つの作品として見たときに雰囲気がバラバラにならないように意識しました。

    ●作曲は、秋山健介氏がメインで担当されているそうですね。ドラム・アレンジやレコーディングはどのように進めていったのですか?

    むらた プリプロ音源が来た段階では、打ち込みのドラムが全編入っています。秋山さんにはいつも「たむちゃんにお任せします!」と言われるので、プリプロ音源を聴いて、大まかな雰囲気を掴んだ上で、ここをこうしよう、ここはこれを入れてみようかな、と考えながら頭の中で整理してRECに臨みます。気をつけているのは、“わかりにくいことをしない”ことです。わかりやすく説得力のあるドラミングをした方がカッコいいので、そこは意識しています。

    レコーディング当日は毎回、まずは自分が仕上げた通りに叩きます。それを聴いたあと、秋山さんからマストでやってほしいところとか、「もっとやっちゃって良い!!」、「やりすぎ!!」みたいなリクエストがあったりします。

    ●表題曲のM1「REVIVE」は、mayuさんのデス・ボイスやメンバーのみなさんのアグレッシヴなプレイが痛快な楽曲ですね。ツーバス・フレーズやタムを絡め、全身で表現するような手数の多いむらたさんのドラミングにも強いインパクトがあります。

    むらた ありがとうございます。RECではとにかくライヴしてるのかってくらい全身全力で叩きました。なので、強いインパクトがあると言っていただけてうれしいです。この曲はシンプルに叩ききる曲ですが、1サビ終わりのセクションの足順がややこしくなってたり、フィルがギュッと詰まっているので勢いだけでいきすぎないことを大切にしました。秋山さんには、「サビでのコーラス部分にクラッシュを入れるのはマストで」と言われましたね。

    ●M2「DISSENSION Remaster」は、緩急のダイナミクスに富んだ楽曲ですね。シンバルの豪快な4つ打ちやメタリックなツーバス・フレーズにも存在感があり、スネア・サウンドもタイトでかなりパワフルに聴こえます。

    むらた この曲は結構鬼で、足が死んじゃいそうになるのですが(笑)、そこは置いておいて。スネアのアタマ打ちがこの曲のリズムの肝なので、そこが絶対にブレないように、身体の重心を低めに意識してRECしました。サビでドラマチックに聴かせたいので、Aメロ、Bメロはわざとマシンになった気持ちで叩いていて、サビで人間になるイメージです。

    ●M3「鬼灯」は、切れ味のある展開豊かな楽曲で、ラップに寄り添う独特なリズム・パターンも印象的でした。ドラムのフレージングはデモの段階で決まっていたのですか?

    むらた 本当に展開が激しく変わるので、気が抜けない曲です。フィルは全部オリジナルですが、ラップ・パートは、プリプロ音源の段階ではメロ譜面は入っていなかったので、多分私が叩いたフレーズにインスパイアされて、mayuちゃんが歌詞をつけて歌ってくれたんだと思います。

    ●そうだったんですね。この楽曲を盛り上げていく上で、ドラムで工夫したポイントはありますか?

    むらた どイントロの“デデッデッデッデ”の2回目は、バス・ドラムで前打音をドゥルル、と3発入れたりして強調しています。それは他の曲でもよくやってますね。

    ●M4「HYPNOSIS」は、ヘヴィな曲調の中で、むらたさんのドラム・ソロや、繊細なシンバル・ワークが楽曲中で良いフックになっていると思います。

    むらた ありがとうございます! シンバル・ワークは意識したので、気づいていただけてうれしいです。特にAメロは静かな雰囲気なので、綺麗な音で鳴らすことに気持ちを集中させています。ソロは、後ろのSEと一体感のあるように、あくまでも曲の一環として、流れが途切れないように意識しました。

    Next➡︎「悪い顔をしながら上機嫌で叩くイメージです」