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    Interview – アーロン[ダーティ・ループス]

    • Interview & Text:Rhythm & Drums Magazine Interpretation:Hitomi Watase Translation:Takayuki Matsumoto

    常に全員が弾きまくり、叩きまくりのバンドなんて
    誰も聴きたくないと思う
    お互いにスペースを与えあうこと
    それが重要なんだ

    ドラマーとしての役割は
    僕にとっては一番最後に来るもの

    ●前作からの6年間で、メンバーとは精力的にライヴ活動をされていたそうですね。ドラマーとして成長したと思うところは?

    アーロン もちろんあるよ。ツアーでは、メンバーと一緒に毎晩自分達の曲を演奏するけど、そのときは100%集中していなければいけない。毎日のように繰り返していることをやるときには、自分が何をしているのかをきちんと意識していなければならないと思うんだ。そうすれば、毎日が自然と成長につながる。ヘンリックとジョナ(key、vo)とツアーをしているとそうなるね。ライヴのあとは毎回、“もっとああすれば良かった”とか“こうすれば良かった”って思うし、その次のライヴでは反省点をちゃんと意識して、常に成長しようとしているんだ。だから、2010年に初めてこのバンドでライヴをした頃と比べると、時間が経つにつれて良くなってきたと思っているよ。

    ▲2014年に出演したモントルー・ジャズ・フェスティバルでのライヴの模様

    ●ドラミングや、意識の面で変わったなと思うところはありますか?

    アーロン うーん、難しい質問だね(笑)。ドラム的な観点で言うと、フィルにしても、いつものように意識をしなくても出る手癖で叩くのは簡単だけど、僕は最近、新しいことをやろうとしているんだ。難しいことだけど、曲を書いてレコーディングするときはいつもそれを心がけているよ。子供の頃はもっとオープンなマインドだったから新しいことへの挑戦はもっと簡単だったけど、今では当時ほど簡単にはいかないね(笑)。

    ●今、ドラムの練習にはどのくらい時間を割いているのですか?

    アーロン 昔は1日7時間も練習していたけど、もうあまり練習はしなくなってきているんだ。何でだろう……僕も歳を取ったからかな(笑)。ジョナとヘンリックと一緒に使っているリハーサル・スペースに自分のドラム・セットが置いてあって、ダーティ・ループスで新しい曲をレコーディングするとなったときは、その前に練習するよ。

    ●ダーティ・ループスのドラマーとしての役割をどのように考えていますか?

    アーロン 僕は自分のことを、作曲もして、アレンジもして、ドラムも叩いて、ビデオの編集もする人間だと思っているから、ただの“ドラマー”として自分を見ているってことはないかな。曲作りとかいろいろやっている中で、ドラマーとしての役割というものは、僕にとって最後に来るものだと思っているんだ。ドラムに力を入れるのも必要なことなんだけど、僕は年を重ねるにつれて、ドラムを叩くことそのものよりも、曲作りやアレンジをより重要視するようになってきたんだ。

    ▲YouTube上で注目を集めている“SONG FOR LOVERS”シリーズの映像。
    アーロン曰く、作品とは別の意識で、自分達が楽しむためにやっている」とのこと。国内盤にはボーナストラックとして収録!

    ●なるほど。メンバーとの音の足し引きについては、どのように意識していますか?

    アーロン 基本的に手数の多いバンドなのにこんなことを言うのはおかしいかもしれないけど(笑)、僕達は、お互いにスペースを与えようとしているんだ。常に全員が弾きまくり、叩きまくりのバンドなんて誰も聴きたくないと思う。曲の中でお互いにスペースを与えあっていれば、(多少弾きすぎでも)最後まで聴けるような曲になると思うんだ。それが重要なんだと思う。

    ●そういう意味では、お互いのアプローチをかなり意識されているんですね。最後に、久しぶりに作品をリリースしての思いや、今後のビジョンについて教えてください!

    アーロン ダーティ・ループスとして、シーンに戻って来られてワクワクしているよ! 曲作りのプロセスは僕達3人にとっては本当に大変で、時間とエネルギーがかなり必要なんだけど、この作品を完成させることができて、今後は(この作品で)ツアーを回れると思うとすごく気持ちがいいね。早くライヴができることを祈っているよ。本当は日本でもライヴをするはずだったけど、コロナの影響でキャンセルになってしまったから、またライヴをできるのをすごく楽しみにしているし、これからも新しい曲を作り続けていくよ。