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みなさん、Greyson Nekrutman(グレイソン・ネクルトマン)というドラマーを知っていますか? Instagramを活用しているドラマーならばご存知の方もいるかと思いますが、年代、ジャンルを問わずさまざまなドラマー達のカヴァー動画を投稿し、世界のトップ・ドラマーから絶賛を浴びる若き超絶テクニシャン。6月16日発売のドラム・マガジン2021年7月号の「DM Debut」では、そんな彼の初インタビューに成功。ここではその一部を先出しとして掲載しちゃいます!
トラディショナルなドラマーに対するみんなの意識が足りない
●まずはドラムを始めたきっかけを教えてください。
○ドラムをやりたいと思ったのは、楽器店でドラム・セットを見たのがきっかけだった。兄が地元の楽器店でサックスを習っていて、その店に飾られていたピッカピカの赤いTAMAのドラム・セットを見つけた僕は、「あれ、叩きたい!」と言って展示台によじ登って楽しく叩き始めたんだ。母親は「降りなさい!」って言ったけれど、お店の人がそのまま試させてくれた。それで、しばらく楽しんだあと、母親が練習パッドを買ってくれて、ドラムの先生のところへ習いに行くようになったんだ。習い始めたのは4歳で、7歳まで同じ先生に習いながら、ロックやジャズなどのいろんなビートも少しずつ覚えていったよ。
●好きなドラマーや音楽のスタイルは?
○最初に憧れたドラマーはカーター・ビューフォードだった。ドラムの先生の家でカーター・ビューフォードの映像を見せてもらったのがきっかけでね。僕はデイヴ・マシューズ・バンドのあらゆる曲を覚えて、自分のキットを左利き用にセットして、カーターみたいにオープン・ハンドで叩いていた。そうやって、左手リードのスタイルで四肢の独立性を身につけたんだ。僕自身は右利きで、キットももちろん右利き用にセットしているけれど、10歳の頃から1、2年間は左利き用にセットしたキットを左手リードで叩いていた。左手と左足をよりうまく使えるようになりたいと思ってね。
●Instagramにアップしている動画はトラディショナルなドラマーのコピーが多いですが、何か特別な理由があるんですか?
○それはトラディショナルなドラマーに対するみんなの意識が足りないと思っているからなんだ。偉そうなことを言うつもりはないけれど、僕らの世代は特に、モダン……モダンと言っても20~30年くらい前だけれど、その世代のプレイヤーを聴いて、これを発明したのはこの人だ、あれを最初にやったのはあの人だと言っている。でも、実際にはそうじゃなくて、すでに50年以上前にそれをやっていた人がいたわけだよね。
●今までコピーした中で一番難しかったドラマーは誰ですか?
○ソニー・ペインがその1人なのは間違いないね。彼は同じ曲でも演奏するたびに違ったことをやっている。バディ・リッチもすごいし、ジンジャー・ベイカーやアート・ブレイキーは、ドラムのフレーズをメロディのように捉えていて、メロディの歌い方を変化させるようにドラミングにバリエーションをつけているけれど、ソニーの場合はそういった要素を網羅した上で、さらに意表を突いたアイディアを盛り込んでいる。そこが難しいんだ。
↓ソニー・ペインのコピー動画↓
グレイソンのインタビュー全編は、6月16日発売のリズム&ドラム・マガジン2021年7月号をチェック! インタビューでは、バディ・リッチやソニー・ペインなど、ジャズ・レジェンド達のプレイのコピー方法やそこから学んだこと、練習時のポイントや愛用する機材の詳細など、多岐に渡って語っている。また、本号では3月に急逝した日本を代表する名ドラマー、村上“ポンタ”秀一氏の追悼特集を掲載。縁の深いミュージシャンの追想インタビューや楽器変遷、膨大なアーカイヴ記事など、約70ページに渡って偉大なるドラマーに迫る永久保存版です!