特別部門の大賞に
ドラマー、神田リョウが選出
受賞スピーチ＆パフォーマンスをレポート

全国楽器協会による主催で、楽器店スタッフが推薦する今年の楽器・作品、そして、楽器店スタッフと一般投票で選ばれた今年のベスト・プレイヤーに賞が贈られるイベント「楽器店大賞」。今年の輝かしい大賞の表彰イベントが、去る10月23日に銀座・ヤマハスタジオにて開催された。

今年の開催では、楽器を表彰する“商品部門”、楽器にまつわる“作品部門”、そして、“今、世に広めたいイチ押しプレイヤー”、“今年、楽器の楽しさを伝えてくれた人”を楽器店スタッフによる自由投票でノミネートし、一般投票を通して大賞が決定する“商品プレイヤー部門”が設けられ、この日の表彰イベントの模様はライヴ配信で届けられた。

主催挨拶を終えて、まず発表されたのは、商品部門。今年発売された電子ピアノ・キーボード／ ギター／ベース／フルート／バイオリンの5部門から、それぞれ1〜3位を獲得した商品が発表されると、トロフィー授与のため、大賞を獲得した各商品のメーカーの代表者が登壇。受賞への感謝と共に、楽器の製造・改良、また品質へのこだわりを投じた自社商品の受賞に対する喜びを笑顔で語った。今年、打楽器部門は設けられていなかったものの、商品に投票した楽器店員によるコメントや、各商品のPR映像などからも、選ばれた楽器の魅力がよく伝わってくる。

続いて発表された作品部門では、楽器経験のない層にも大きな反響を呼び起こしたアニメ「ぼっち・ざ・ろっく！」が大賞に選出。2位には「BLUE GIANT」、3位に「青のオーケストラ」が続いた。

ラストの商品プレイヤー部門では、ピアニストの石井琢磨（たくおん）、ギタリストとしてMarco ［ヨメトオレ］、ベーシストではハマ・オカモト［OKAMOTO’S］、フルーティストの岩崎花保、バイオリニストではAyasaが大賞に選ばれ、トロフィーを授与された。

そして、担当楽器を問わず選出される特別部門の大賞に見事選ばれたのは、Mrs. GREEN APPLEのツアー・サポートを初めとして、セッション・ワークで幅広く活躍中のドラマー、神田リョウ！

ステージに登壇し、トロフィーを受け取った神田は感謝の言葉を述べると共に、「歴史を遡ると、打楽器って実は、言葉よりも古い存在なんじゃないか……というお話もあるように、原始的だからこそ、ドラムという楽器は、どんなジャンルの音楽に対しても相性のいいポジションであったりするのかなって。自分もジャンルを問わない活動をしていることもあり、いろいろな場所で、いろいろな音楽を経験して、いろんな人と出会えるという恩恵をいただけているのかなと思います」と、自身のキャリアを踏まえて思う、ドラムの魅力について語った。

表彰イベントの後半戦は、大賞に選ばれたプレイヤーによる豪華パフォーマンス！　この日出席がかなわなかったハマ・オカモトとMarcoのパフォーマンス映像が続けて上映されると、神田リョウ、岩崎花保、Ayasa、石井琢磨（たくおん）が再びステージに登場し、それぞれ生演奏を披露した。

神田がこのパフォーマンスで使用したドラム・セットは、愛用の旧SAKAE Celestialで、1バス、1タム、1フロア・タムにジルジャン・シンバルを4点、スネアを2台組み込んだキット構成。演奏曲は、tonunの「Sugar Magic」。4つ打ちのイントロで始まるダンサブルな楽曲をグルーヴ感たっぷりに支えていたかと思うと、手数足数を繰り出す迫力のドラム・ソロを披露！　意外性も見応えもたっぷりの演奏で楽しませてくれた。

そんな神田から、今回の受賞に関するコメントをいただいたので紹介しよう。

楽器店大賞については、以前からSNSを通じて認識していました。友達のミュージシャンがプレイヤー部門で大賞を獲っているのを見て知り、とても喜ばしく思ったのと同時に“いつか僕も……！”と拳を握りしめたものでした。大賞のご連絡をいただいたとき、スタジオでこっそり飛び跳ねてガッツ・ポーズをしたのはここだけの話です。

この歳になり、自分の人生で何かしらの賞をいただくということもそうそうない経験でしたので、表彰式はこれまで立ってきたどんな大きなステージよりも遥かに緊張しました。

ドラマーとしてこの上なく刺激的な音楽漬けの毎日を過ごさせていただいておりますが、2023年も残りわずかとなり、神田リョウのドラマー人生に忘れ難い大きな節目を打っていただいた気持ちです。

「今、世に広めたいイチ押しプレイヤー」として、大賞に恥じぬ演奏を続けていけるよう兜の緒を締め、謙虚に、直向きに精進して参りたいと思います。

応援してくださった皆様へ重ね重ね心からの感謝を申し上げます。
本当にありがとうございました！
ヨッシャーーーーー！！！

神田リョウ

楽器を身近で見ている楽器店スタッフが注目機材やプレイヤーを推薦し、一般層もプレイヤー部門の投票に参加できるということで、ユーザーと連動して楽器の魅力を広く伝える役割を担う“楽器店大賞”。今回選出された商品や作品、プレイヤー達の受賞を祝福すると共に、今後どのような商品／アーティストが選出されるのか、次回の開催も楽しみにしたい。

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