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    【Interview/前編】”カシオペアの新ドラマー”、今井義頼 に迫る1万字超えの独占取材!

    • Interview:Isao Nishimoto
    CASIOPEA-P4(L→R):今井義頼(d)、大髙清美(Key)、野呂一生(g)、鳴瀬喜博(b)

    ちゃんと音を出した最初のタイミングは
    アルバム1曲目「TODAY FOR TOMORROW」
    背筋を伸ばして「よろしくお願い致します!」
    そういう意識で演奏したのを覚えています

    ●アルバム『NEW TOPICS』の制作はどのように進められましたか? ベース・マガジンの鳴瀬さんのインタビューによると、今年の2月に野呂さんから新曲7曲の譜面が渡されたそうですが、具体的なスタートはそこからということでしょうか。

    今井 そうですね。譜面のみ7曲郵送されてきまして。何となく譜読みはすぐしたのですが、如何せん譜面だけではイマイチどのような曲かわからなかったので、レコーディング前に自分でDAWで打ち込んでデモを作りました。その作業のおかげで、楽曲の雰囲気を掴むのは早かったですね。

    ●レコーディング前の準備に、自宅スタジオも活用されましたか? どんな準備/練習をしたのか教えてください。

    今井 自分で打ち込んだ音源にドラムを重ねて録ってみたりして、それを聴いてアイディアを練っていました。ただ、当日みなさんがどんな演奏をするかによってフレキシブルに対応したかったので、あまり演奏を固めすぎないようにはしましたね。

    ●鳴瀬さんと2人で“秘密練習”をされたとも聞いています。具体的にはどのようなことをしましたか?

    今井 あれは3月頃でしょうか。鳴瀬さんが音大のスタジオでカシオペアの既存の曲をリズム体で練習しないかと誘ってくださいまして。当時まだ僕の加入はトップ・シークレットでしたので、音大のスタッフの方々には「新学期からの音大での講師レコーディングに向けてリズム体特訓する」と言って、締め切ったスタジオでカシオペアの曲を練習していました(笑)。

    これがまたものすごく2人で盛り上がりまして。本当に楽しかったです。あのリズム体で思いっきり音を出した時間があったから、ブルーノートでの演奏も良い感じになったのだと思います。

    ●鳴瀬さんとは、以前野獣王国で共演したり、東京音大の授業で2人で演奏することもあるそうですね。いろいろなベーシストと共演している中で、鳴瀬さんは今井さんから見てどんなベーシストですか?

    今井 鳴瀬さんは本当に器の大きな、そしてとても歌心と遊び心、独特の味のあるベーシストです。こちらのプレイを全面的に受け入れてそれに対して思いっきりベースを弾いてきてくださる。そして音も大きいです(笑)。

    タイプとしてはドラマーにガッツリ、リズムを引っ張ってほしいタイプの方だと感じるので、僕も全力でビートを叩くことができます。そうすると鳴瀬さん自身すごい粘りのあるリズムでグイグイ押したり引っ張ったりしてくる。このリズムの押し合い引っ張り合いで強靭なグルーヴが生まれることを今回デビュー・ライヴで実感しました。綺麗に叩くこととはまったく別次元の、エネルギーに満ちたバンド・サウンドという世界を今ものすごく勉強させていただいています。

    ●今井さんのツイートによると、4人で初めて音合わせをしたのはレコーディングの数日前だったようですが、そのときの印象はいかがでしたか?

    今井 初合わせがアーティスト写真撮影のときで、“弾いているテイで楽しそうな顔をする”というときに実際少し曲を弾いて合わせた、これが“初音出し”でしたね。当然アンプもつないでない、鍵盤も音しない、ドラムもブラシでシャカシャカ言ってるだけなので、印象もヘチマもなかったです(笑)。

    ただ感じたことと言えば、大先輩の皆様も、やはり楽器小僧だということ。音出し禁止のスタジオでの撮影だっていうのに、みんなおもむろに楽器を持ったら、どんどん熱が入って熱中しちゃって。結局ブラシでも一番音がデカい僕が怒られるっていう(笑)。

    ちゃんと音を出した最初のタイミングは、アルバム1曲目「TODAY FOR TOMORROW」ですね。緊張はまったくなかったですが、背筋を伸ばして「よろしくお願い致します!」という意識で演奏したのを覚えています。皆様、1発目なのに流石の演奏でした。

    『NEW TOPICS』の各楽曲におけるドラミングに関する話はインタビュー後編へ