NOTES
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“ドラムの材”が丸わかり!スネア材質図鑑 -番外編-
- Text:Kazuaki Yokoyama、Takuya Yamamoto、Rhythm & Drums Magazine
Other Shell
まだまだある!あんな材こんな材
未知なる可能性を秘めた特殊材
Acousticon -アコースティコン-
Concrete -コンクリート-
Corrugated plastic -プラダン-
最後に、ドラムのシェルに使われている特殊な材をいくつかまとめて紹介しておきたいと思います。レモがドラム/パーカッションのシェル材として使用しているアコースティコンというものがあります。耐久性のあるリサイクル・ウッド・ファイバーを100%原料として、独自に開発……と説明されていますが、要は木材チップを樹脂で固めて成型した材で、ウッド・シェルの温かみと樹脂シェルの安定性の両立をねらったのだと思われます。
DWは近年コンクリート樹脂シェルのスネアを発表しました。コンクリートとは、もちろんみなさんご存じの、建設土木工事の材料として使われる、砂、砂利、水などをセメントで凝固させた硬化物です。硬く重く、質感はマット。音が塊で飛んでいく感覚があります。
Foldrumからは、ポリカプラダン製(ポリカーボネートを素材に用いた中空板)シェルのドラムが発売されました。柔軟、軽量、高強度な特性を生かし、ヘッドを外して折り畳めるという、斬新なコンセプトのものです。シェル自体の響きは少なめですが、ドラムとして成立する音には仕上がっており、ほとんどパーツ類+αの重量で持ち運べるのは大きなメリット。
資源には限りがあるため、今後、入手が困難になる材が増えていくことは避けられません。しかし、その一方で、このような未知なる可能性を秘めた素材でのドラム製作は増えることでしょう。それはそれで、とても楽しみなことだとは思いませんか?