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岩瀬立飛がドラム・セットで叩く“世界のリズム” #2 – キューバ系のリズム②
世界中のリズムを研究する名手=岩瀬立飛が、各国のリズムをモチーフとしたパターンをドラム・セットで演奏&解説した、ドラマガ2011年10月号の特集“世界のリズム”。ドラマガ Webではその一部を、演奏音源つきで地域ごとに紹介していく! 第二弾は、前回に引き続き、「キューバ系のリズム」。今回は“チャチャチャ・ワラーヒ”と、ブラシを使った“チャチャチャ”、マンボのリズム=“カスカラ”を解説!
#2 キューバ系のリズム②
キューバ系リズム その3 – チャチャチャ・ワラーヒ
前回解説した“ソン・アフロ”と逆に、4分音符をあえて強調します。ただ感じ方、ノリ方はそのまま大きくとっておいた方が良いです。“おもちゃの〜”も似たようなもの。“アバニコ”というフィルインが定番。けっこう即興性が許され、いろいろちょっかい出していいみたいです。
大まかにパーカッション的にするか(Ex-1〜3)、ドラム・セット的にするか(Ex-4)に分けられ、前者はコンガ、ティンバレスの代用。後者はハーフの8ビートか、8ビートかディスコ(4分打ち)といったところでしょうか。
▼Ex-1〜4までまとめて聴いてみよう!
キューバ系リズム その4 – ブラシでチャチャチャ
ワイヤー・ブラシでギロのようにスネアを擦るパターンです(Ex-5)。動きとしては、
“→(中圧)・←(強圧)・→(小圧)・←(小圧)”
という感じ。お洒落にクールにやりたいとき、BGM仕事で、騒音の苦情が来たのにも関わらずチャチャチャがしたいときなどにどうぞ。
キューバ系リズム その5 – マンボ①(カスカラ)
キューバのドラマー、イグナシオ・ベロア的なやり方です。ジャズで言うところの、アフロ・キューバンに近いものになります。コンガ・スラップの代用としてクロス・スティック(クローズド・リム・ショット)、コンガ・オープンの代用がタム、カウベルの代用がシンバル・カップということになります。
最初(Ex-6)はハイハットの刻みから入っています。
そして両手でハイハットによるカスカラ(タツタツ・ツタツツ・タツツツ・タツタツという刻み)をしているところ(Ex-7)は、ティンバレスのパイラと同じ。アクセントありが基本です。
ここだけの話ですが……手順に慣れたら超〜適当にやる気なくやってみてください。勝手に訛り始めて、けっこう現地っぽい感じになってしまいます。本当は歌えてないとダメなんですけどね。
▼Ex-6〜9までまとめて聴いてみよう!
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■# 1:キューバ系のリズム
◎Profile
岩瀬立飛(Tappi Iwase):愛知県出身。14歳でドラムを始め、日野元彦、坂田 稔に師事。高校では吹奏楽部でパーカッションを担当。その後、1988年に渡米。ピーター・アースキンやデヴィッド・ガリバルディに教えを受けながら、現地でライヴ、レコーディング活動を展開。帰国後、現在に至るまで自身のバンドである。Nervioや宴での活動の他、エリック宮城バンドをはじめ、さまざまなセッションで活躍中。
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