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    菅沼孝三が教える!王道、定番、最新フレーズ!!!ツーバス&ツイン・ペダル技 怒涛の100連発!!!【2010年10月号掲載】

    • 譜面&原稿:菅沼孝三

    Part.3 メタル・ビート&ブラスト・ビート 題して……“スカンク・ビート”!


    ここがポイント!
    Part.3は変態ハイテク・ドラム講座でも紹介したメタル・ビートやブラスト・ビート! ジョージ・コリアスもデレク・ロディも、このあたりを“スカンク・ビート”、“メタル・ビート”と総称して、基本パターンとして扱っている。

    実際にメタル系のファンは「おおっ!このパターンは聴いたことがあるぜ!」的なパターンで始まっているが、ブラスト・ビートまでいくと「どれも同じやん!」と区別がつかなくなる。

    そこで、今回は細かくカテゴリーごとに分類してみた。「このパターンは得意」とか「これはムリ」など、ドラマーによっていろいろあるが、頑張ってクリアしてね!

    技9〜13
    アップ・ビート系

    スネアが拍のウラにくるパターンを“アップ・ビート系”と呼ぶ。

    まずは、ベーシック・パターンから技10までをプレイしてみよう。

    ※R(右耳)に右足のバス・ドラム、L(左耳)に左足のバス・ドラムの音が流れます。音源はスロー→ファストの順番で再生されます。

    足の2連打はシングル・ペダルでもプレイできるが、ツイン・ペダルやツーバスを使えば楽に、そしてより高速でプレイできる。

    技11〜技13は“トト、タト、ント、タン”を含むメタルの王道パターン!

    片足でも踏めなくはないが、“トト”の2連打に気合いとコントロール力が要る。ツーバス、もしくはツイン・ペダルを使えば圧倒的に体力の消費が抑えられ、さらに高速で踏めるのだ!

    技14〜18
    ダウン・ビート系

    スネアで拍のアタマを強調しながら構築するパターンは、メタル系やエクストリーム系の演奏では欠かせないテクニックだ。アップ・ビートのときと同様に、足の2連打はツーバスやツイン・ペダルでプレイする。

    基本的なパターン“タットン”(ベーシック・パターン)を安定するまで練習してみよう。

    ※R(右耳)に右足のバス・ドラム、L(左耳)に左足のバス・ドラムの音が流れます。音源はスロー→ファストの順番で再生されます。

    そして、いよいよ足の2連打が入る“タットン・タットコ”(技14)、毎拍足の2連打が入る“タットコ・タットコ”(技15)。これらはまず、シングル・ペダルで右足のみでプレイしてみて、タイミング、音色、音量が揃ったイメージを持ったままツイン・ペダルに移行する。

    問題は“タトトン”(技16〜技17)のパターンだ。足の“トトン”の2連打の幅が近くなる傾向があるので、しっかり分離させるように注意が必要だ。

    まずは、スロー・テンポから練習を開始して、少しずつアップさせることが大切。アップ・ビート、ダウン・ビート共にラストの16分音符の連打(技18)では身体のバランスがブレないように。スピードと音量が欲しい場合は、ペダルに体重を乗せるために上半身もやや前傾姿勢でプレイする。

    技19
    ハンマー・ブラスト

    ハンマー・ブラストは文字通り、ハンマーでドラムを打ちつけるが如く“タタタタ・タタタタ” と手足でボース打ちするのだ! 少しのズレもなくして、完全に同時に打てたときは音圧やツブ立ちが倍増する。しかし長時間踏む場合、右足がめっちゃしんどい!

    ※R(右耳)に右足のバス・ドラム、L(左耳)に左足のバス・ドラムの音が流れます。音源はスロー→ファストの順番で再生されます。

    そんなときはムリをして右足だけで踏まなくてもいい。そう!我々の味方!“エコノミー・ブラスト” はハンマー・ブラストにも存在する(技19)。ぜひ試していただきたい!「こんなに楽に連打できるなんて!」と自分でも驚くことだろう。

    ドラムを叩いていて、いろんな人から「よく手足がそんなにバラバラに動きますねぇ。僕なんか全部同時になっちゃいますよぉ……」なんていうヤツがいるが、だったら“ハンマー・ブラスト”をやってみんさい!同時がええねんやん。

    技20〜21
    トラディショナル・ブラスト

    文字通り“伝統的なブラスト・ビート”のパターン。伝統的にプレイするにはスポーツ根性を発揮して片足で踏むこと(トラディショナル・ブラスト1&2)。

    ※R(右耳)に右足のバス・ドラム、L(左耳)に左足のバス・ドラムの音が流れます。音源はスロー→ファストの順番で再生されます。

    片足で踏んだ方が、音量、音質のバランスが揃うのだが、長時間のプレイでは本当に体力を消耗する。そこで、ついついやってしまうエコノミー・ブラスト! いかにラクに早く、しかも長時間踏めるかということを追求すると、このエコノミー・ブラスト(技20〜21)に辿り着く。

    フット・ワークを左右に分散させるため、別の難しさが生まれるのも事実で、逆にこれが苦手というドラマーも多い。しかし、これをクリアすると“パターンもの”だけではなく、フィルインにも応用できる。

    技22〜25
    ボンブ・ブラスト

    タイトルもズバリ“爆弾ブラスト”! 簡単に言うと、トラディショナル・ブラストのフット・ワークを 16 分音符で踏むパターンだ。

    まずハンマー・ブラストの手で、足は16分音符というパターンをプレイしてみよう(技22)。このパターンは身体のバランスがとりやすく、ハンマーとボンブ「合わせて一本!」みたいな強力な技だ。

    ※R(右耳)に右足のバス・ドラム、L(左耳)に左足のバス・ドラムの音が流れます。音源はスロー→ファストの順番で再生されます。

    次は手足がユニゾンとも言えるボンブのアップ・ビート系(技23)。生理的に打ちやすいが、長時間のプレイでは、体力の消耗はとてつもない。

    ダウン・ビート(技24)では、右手をスネアに持ってきて、左手でハイハットをプレイするドラマーが多い。僕の場合、足の方を左スタートにして手足のユニゾンを保っている。

    ラストのパターン(技25)は手がボースで16分音符のウラ拍を打つパターン。聴く方は簡単そうに聴こえるが、プレイする方は相当なリズム感を要する。

    技26〜28
    モダンビート・ブラスト

    ジョージ・コリアス先生がいとも簡単にやっているパターン。気分は普通のハーフ・ビート! しかし手は32分音符でハイハットとスネアを埋め尽くしたパターン。その上で3拍目にスネアのアクセントを入れるという超絶技だ(技26)。

    ※R(右耳)に右足のバス・ドラム、L(左耳)に左足のバス・ドラムの音が流れます。音源はスロー→ファストの順番で再生されます。

    なんとジョージ先生、ひょうひょうと右手でレガートなんかも入れちゃいます(技27)! 教則DVD『INTENCE METAL DRUMMING』(輸入盤)では、このパターンをキープしながら片手でシンバルをチョークしたりと、もうパターン自体が完全にオスティナートになっているので、上半身は自由自在なのだ。

    次は足のみで32分音符をキープして手がハーフ・ビートのパターン(技28)! これはゆったりとしたバラードのときに使用するが、周りの演奏がゆったりしているのに足はほとんどロールですな(笑)。

    ジョージ先生はBPM=120越えてのプレイが日常的だ。今回は少し控えめのBPM=100で聴いていただきま〜す。その昔のメタルでは、ハーフ・ビートは音で埋め尽くすなんてせずに、男らしくパワーと顔の表情で魅せていた。こんなにブルブル踏んでしまうのは、まさに近年のスタイルと言えるだろう。

    技29
    フリーハンド・ブラスト

    このパターンは、メタルでは“グラヴィティ・ブラスト”と呼ぶ。フープを支点にしてカタカタとアップ・ダウンで打つ奏法ね。

    あのジョニー・ラブの“フリーハンド・テクニック”が元祖だと思われるが、これは今では、片手連打の常套手段として広く知られ、ジョニーの教則本も2冊出ているほどだ。ワタシも持ってま〜す! 僕が思うに早打ち用の奏法なのに、教則本ではBPM=60からやれと言ってはります。辛いっつーの!

    メタル系のプレイでは打ちつける音量をややアップしないと電気楽器に負けるので、前腕筋を使った動きが必要になる。左手をクッキリ聴かせるには、足は8分音符(フリーハンド・ブラスト)。フロウ・モーニエ式では足も16分音符(技29)。これ、ワタシのソロ・アルバム『Convergence』の中でやってます。

    ※R(右耳)に右足のバス・ドラム、L(左耳)に左足のバス・ドラムの音が流れます。音源はスロー→ファストの順番で再生されます。