UP
FUYUが伝授するGospel Drummingの奥義
- Performed by FUYU Score & Text:Yusuke Nagano Photo:Taichi Nishimaki/Yoshika Horita(Main) Video:Shigeki Azuma
本場ニューヨークで磨き上げたチョップス&グルーヴと、日本で培った一打入魂のドラミングを融合したハイブリッド・スタイルで、メジャーからアンダーグラウンドまで、ボーダレスな活動を展開する超売れっ子ドラマー、FUYU。ここでは彼が初めて表紙を飾った2017年5月号の付録DVDに収録した“FUYU流ゴスペル・ドラミング”のレクチャー映像を公開!
Demonstration
奏法解説①
〜ダイナミクス表現〜
奏法解説①では、小さいボリュームでも熱さを失わずに演奏することの大切さを説いている。Ex-1はデモ演奏しているAメロのパターン。軽いタッチで叩くハイハットは小気味良いアクセントが躍動を導くポイントとなっている。
肩関節を前方に移動させた柔軟なフォームで、腕全体を巧みに連動させて演奏している点に注目。その動きがFUYUの身体の奥のヴァイブレーションを楽器に確実に伝えている印象で、このあたりは小さいボリュームで熱さを失わないための1つの秘訣と言えそうだ。
またバス・ドラムを軸に演奏するポイントにも触れているが、背筋を巧みに作用させて腰を入れて踏んでいるのが映像からもうかがえる。
奏法解説②
〜ゴスペル・チョップス〜
奏法解説②では、いよいよゴスペル・ドラミングの目玉とも言える“ゴスペル・チョップス”のアイディアや組み立て方を解説。Ex-2はFUYUがフレーズの軸にしていると語る、手の4打にバス・ドラムを2打組み合わせた音型で、このフレーズをウラ拍からスタートすることでゴスペルっぽさを醸し出すという。
Ex-3は1拍目のウラからスタートしたデモ演奏。ウラからのフレーズ感に加えて、スネア・アクセントが6連の1打目と3打目に来る音型が混在することで複雑さが増して聴こえる。またフレーズの最後をリズム系に戻して、グラデーションをかけたように解決しているのもポイントだろう。
Ex-4も1拍目のウラからスタートした4小節フレーズ。6連に加えて左手スタートの9打のグルーピングを混ぜてウネリを増しているのがミソだ。
奏法解説③
〜パラディドルを応用したシンバル・ワーク〜
奏法解説③ではライドとハイハットを絡めたリズム・パターンを解説。Ex-5は冒頭のデモ演奏の前半部分で、ライドとハイハットを32分音符で絡めて、きらびやかでスピード感が抜群のグルーヴを生み出している。右手はライドのカップでウラ拍を中心にアクセントを絡めて抑揚をつけているのもポイント。
Ex-6は同じデモ演奏の後半部分で、右手をライドからスタック・シンバルに移したコンビネーション・プレイになる。ウラ拍のアクセントに加えて、3小節目の3拍目からダブル・パラディドル系の応用手順による3拍フレーズに移行する流れがスリリング。
ちなみにこの一連の演奏はテンポが約100になっているので、テンポ200でパラディドル系のフレーズが叩けることが前提となる。実際にチャレンジしてみるとかなりの速さであることが実感できるだろう。
【Recording Gear】
本映像でFUYUが使用した機材は、自宅スタジオに常設されたTAMAのSilverstar。オール・バーチ仕様で、1バス、2タム、1フロア・タムというシンプルなセッティング。スネア・ドラムも同シリーズで統一。
シンバルはマイネルでヴィンテージ、トラディショナル、ジャズとバイザンス・シリーズのさまざまなモデルが並ぶ。右手側のクラッシュは同じシンバルを重ね、さらにチン・リングを装備し、余韻の少ない音色を演出している。
フット・ペダルはIron Cobraのローリング・グライド(ツイン・ペダル)。
Set Up
Drum Kit:TAMA Silverstar 22″×18″BD、10″×8″TT、12″×9″TT、16″×14″FT、14″×5″SD
Cymbals:MEINL (L→R):14″ Byzance Vintage Sand Hihat、10″ Byzance Traditional Splash、16″ Byzance Traditional Crash、18″ Byzance Jazz Thin Crash(×2)with Ching Ring、20″ Byzance Extra Dry Medium Ride