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    Cross Review – レッド・ホット・チリ・ペッパーズ『リターン・オブ・ザ・ドリーム・カンティーン』

    10月25日は、レッド・ホット・チリ・ペッパーズの屋台骨を担う剛腕ドラマー、チャド・スミスの誕生日! ということで、今月14日にリリースされた、レッチリの今年2枚目となるフル・アルバム『リターン・オブ・ザ・ドリーム・カンティーン』を豪華4名のドラマー達にレビューしていただいた。ARIMATSU[特撮]、Tetsu[D’ERLANGER]に続いて、山葵[和楽器バンド]のレビューを公開!

    【A】レッド・ホット・チリ・ペッパーズ
    『リターン・オブ・ザ・ドリーム・カンティーン』

    d:チャド・スミス

    ◎Disc Information
    【参加ミュージシャン】チャド・スミス(d)、フリー(b)、ジョン・フルシアンテ(g)、アンソニー・キーディス(vo)、レニー・カストロ/マウロ・レフォスコ(per)、ジョシュ・ジョンソン(sax)、他

    発売元:ワーナー 品番:WPCR-18552
    本体価格:¥2,860 発売日:2022.10.14

    Review 1 // ARIMATSU[特撮]

    全17曲、音の会話のパッケージを堪能

    ジョン・フルシアンテ二度目の復帰にして早々、2枚目のアルバム。黄金期を支えたリック・ルービンとの再タッグの流れはレッチリ最終章へ突入?! 冒頭M1を聴き、「Freaky Styley」あたりのファンク色強めのレッチリを感じる。ジョンの哀愁あるサウンドや各楽器のセパレーションと空気感を感じ取れるクオリティは素晴らしい。スタジオでのジャムをパッケージしたとも取れるM4や、ハネたリズムが気持ち良いM5はレッチリ節炸裂。M8やM17では実験的かつドライなドラム・サウンドを試みたりと、今作も全17曲、音の会話のパッケージを堪能。ちなみに、サイケデリックでぶっ飛んだジャケットがチャドNEWキットのデザインになるとか!

    Review 2 //
    Tetsu[D’ERLANGER]

    スピーカーから立体的に生き様が飛び出してくる

    今年だけで2作目、通算13作目となる本作。創作期間中は、彼らがリスペクトする往年のアーティストの楽曲を聴き込みコピーしまくったそうだが、自分達の初期のアルバムをも再演したらしい。リリースは40曲で7LP説もあったとか。近年の僕のこだわりは、“RHCPの音源は、まず最初に聴くときだけは必ずアナログ盤で聴くべし!”ということ。このバンドに限っては、スピーカーからより立体的に生き様が飛び出してくるのだ(笑)! ジョンが古巣に戻り、ありのままの想いを音にした2枚のロック・アルバム。本作は実験的なことを楽しんでいることが多く、いろんな偶然でよりRHCPの宇宙を感じるわけだが……大げさかもしれないけど、コロナ禍を喰らった数年間、世界中で止まってしまった時間を取り戻すべく、今また再び楽しむことを導いてくれている気がする。M12「The Drummer」は、タイトルを見たとき、“チャドのことか? もしかしたらテイラーのことか?”と想像したのだけど、アンソニー・ワールドすぎて意味不明だった……(笑)。僕にとってチャド・スミスとは、究極の“BAND Drummer”であり、“LIVE Drummer”。REC時はガイドのごとくおとなしいプレイもあったりするのだが、ひとたびライヴが始まるとステージ上にはあの轟音が炸裂する。数年にわたるワールド・ツアーなんて行こうものなら、当初のフレーズはほぼ残ってないくらいのアドリブ王だ。前作に続き、ロー・ピッチながらちゃんとゴースト感が聴こえてくるあたりパワー・バランスは健在で、つまみで上げてる音でないのがとても心地よい。以前、何度かレモのエンペラーXをパンパンに張ったスネアを叩かせてもらったことがあるが……自分には点でしかなかった。恐るべしリストの持ち主! 本作のプレイも引き出しの多いチャドだからこそ多彩だし、やはりドラマーを応援してくれているかのような音に聴こえる。まもなくチャドは61歳! マジか? あの音? 年々ますます生音がデカい……(笑)。今年だけで36曲(ボーナストラック含む)を世に放ったRHCP! 今現在まだ発表されないが、来日公演を待ちながら爆音で聴き続けよう。

    Review 3 //
    山葵[和楽器バンド]

    まるで目の前で演奏しているかのごとく解像度が高い

    普通、アーティストがオリジナル・フル・アルバムを年に2枚もリリースするだろうか? しかも還暦前後のビッグ・アーティストが。しかもフル・ボリュームの大作を。正直、狂ってる(褒め言葉)。作品としては『Californication』や『By The Way』の頃のようなポップとファンク・ロックのミクスチャー・バランスで、長年のレッチリ・ファンとしてニヤケが止まらない。余計な音を足さないミニマムなロック・サウンドゆえ、ゴースト・ノートの音までしっかり感じ取ることができ、まるで目の前で演奏しているかのごとく解像度が高い。特にM5、M6ではチャドとフリーの世界最高のファンク・ロック・グルーヴを全身に浴びることができるだろう。

    ⏩ Review 4は後日更新! お楽しみに♪