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アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」で話題! TAMA IMPERIALSTAR(インペリアルスター)を解説!!

  • 機材解説:山本拓矢

2022年10月から12月まで放送され、作品内でのバンド“結束バンド”のアルバムがヒットチャート上位を獲得するなど、すでに終了した現在でも各方面で話題を呼んでいるアニメ、『ぼっち・ざ・ろっく!』。

主要キャラの1人、ドラム担当の伊地知虹夏(いじちにじか)が使用していたキットだが、それがTAMAのエントリー・モデル=IMPERIALSTAR(インペリアルスター)がモデルとなり、さらにTAMA Drumsが劇中での設定協力をしていたことも明らかに。

BRM(バーント・レッド・ミスト)
 ELY(エレクトリック・イエロー)

そこでここでは、“IMPERIALSTARって何?”をテーマに、そのスペックや仕様などの詳細をドラム博士=山本拓矢に解説してもらった!

普段、機材としてのドラム・セットに触れることがない皆様向けに解説してみます。

ドラムのシェル(筒状の胴体にあたる部分)の素材はポプラ材ということで、さまざまなメーカーで採用されている木材です。上級機種ではより硬質な材が用いられる傾向がありますが、適切な厚さで整形することで、音に適切な輪郭をもたらしつつ、おおらかで心地良いサウンドを実現しています。

上級機種譲りのベアリング・エッジ(筒のフチ、太鼓の皮が触れるところ)は、サウンドの要とも言える部分。精度と形状から生まれるサウンドに、それぞれのメーカーの個性が現れます。音ヌケの良さ(聴こえやすさ)とクリアさには、優れたエッジが欠かせません。IMPERIALSTARのエッジは、幅広い音作りに貢献してくれる仕様となっています。

ハードウェア(ドラムを支えるスタンド類の総称)は2022年にリニューアル。これは意匠の面で大きな変化があり、各スタンドの脚部のデザインが上級機種と同等になりました。買い足しのハードルが下がったことで、より長く愛用できるようになったと感じます。

バス・ドラムの口径は、標準サイズの22インチと、小さめの18インチが選択可能ということで、さまざまなシーンにフィットするうれしい仕様になっています。音楽の内容や、部屋のサイズに合わせて選択することが多いポイントです。設置スペースの観点では、バス・ドラムの深さの差により、奥行きで約10センチ、部屋の角に置く場合、フロア・タムの口径差で幅にして約5センチの差がでるので、シビアな状況では留意しておくと良いかもしれません。

ドラム・セットは、楽器の集合体です。バス・ドラム、ラック・タム、フロア・タムを中心とした、いわゆるシェル・キットに対し、好みのスネア・ドラムやシンバル、ハードウェアなどを組み合わせて、自分のドラム・セットを組み上げることが一般的ですが、IMPERIALSTARのようなパッケージで揃えてから、徐々にステップアップしてゆくのも良い選択です。

ご参考までに、劇中でのスネア・ドラムはPearlのCS1450(廃番/後継の現行はUS1450)を、ハードウェアはYamahaの上級機種(シンバル・スタンドはCS865を3本、ハイハットスタンドはクラッチ形状を根拠とするならば1000番台のいずれか)を使用している様子です。いずれも優れた要素のある機材と言えるでしょう。

ドラムの基本構造とドラム譜の書き方

『ぼっち・ざ・ろっく』を見てドラムを始めようと思った方、新生活に向けてドラムを始めたい方、自分のドラム・セットが欲しいけどまずは何を買おうか迷っている方など、さまざまな方に参考にしてほしい! 仕様やセット内容など、詳細はTAMAの公式サイトをチェック!!