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ゼロから始める! 初心者のためのドラム・ガイド
- Text:Yuichi Yamamoto (RCC Drum School)/Photo:Takashi Yashima/Illustration:eobrazy(iStock)/Model:Koharu Yamaki
【Section9】“さらにやる気になれる!” 自分の楽器&道具を手に入れよう
ドラム・セット、エレクトロニック・ドラム、トレーニング・パッドなど……自分の練習環境を整えるために、ここまでいろいろなパターンを考えてきました。でも、実際にバンドや個人でリハスタを借りて練習するようになったり、あるいはライヴ・ハウスに出演するようになったときに、“自分のモノ”として揃えておきたい楽器や道具があるんですね。実際にそれらを揃えると、ドラマー気分もグッと高まってやる気も増してきます。ここではそんなアドバイスを記しておきましょう。
持っておきたい2大アイテム
ドラマーがいろいろな場所に持っていきたい2大アイテムとなると、楽器では“スネア・ドラム”、ハードウェアでは“フット・ペダル”になります。どちらもドラム・セットがある場所には置いてあるはずなので、“絶対必要”とは言いません。ただ、そのドラム・セットについているスネアがボロボロでヒドい音だったり、ペタルがすごく踏みにくかったりした場合、本来の実力が発揮できないばかりか、イヤ〜な気分で叩き続けることになってしまうからですね。逆に言うと、この2つが好みの状態だと、プレイ全体も気分良くできるので自分のモノを使いたくなるのです。
実際にそれらの購入を考えたときに、どちらも大きく分けて2つのタイプがあります。スネアならば胴の材質が木、あるいはそれ以外(主に金属)。ペダルならばシングル・ペダルか、ツイン・ペダルですね。けれどそれだけですべてが決まるわけではありません。こういった悩ましき選択のチェック・ポイントも次のQ&Aで考えてみましょう。
〜チェックしておきたいマイ・ドラム選びのコツ〜
Q.1 スネア・ドラム購入のときのチェック・ポイントは?
A.1 “初心者ならばコレ”というのを選ぶのは難しい時代になりましたね。というのも、価格的には手頃でも、プロの現場で問題なく使えるクオリティのスネアがとても増えてきたからです。そういう意味で言うと、好きなドラマーのスネアを意識するのは当然あり。ドラム・マガジンを隅々まで読んで、“この人はこんなスネアを使っているのか”というチェックも1つの基準になるでしょう。
実際に選ぶときは、メイプル、ブラスなどシェルの材質も気になるところですが、ダイキャスト、プレスといったフープの違いや、テンション・ボルトの本数、ラグの数(8〜10本が主流)などといった仕様、張ってあるヘッド(打面の皮)、そして“メーカーならではの音色”などさまざまな要素が関わってくるので、そのあたりを意識しつつ、最終的には楽器店で相談するのがベストだと思います。
Q.2 スネアやペダル以外に持っていた方が良いものってある?
A.2 まずチューニング・キーは必ず欲しいですね。ドラムのチューニングから、いろいろなパーツの固定まで、幅広く使うマスト・アイテム。どのメーカーもほぼ共通サイズなので楽器店で手に入れてください。値段は300円〜500円程度です。ちなみにホーム・センターでは売っていません(笑)。
また、スティックが増えてきたら、スティック・バッグもあるといいですね。持ち運び用としてはもちろんですが、演奏時にはフロア・タムに引っかけておけるので、落としたり折れたりしてしまったときにも、次のスティックをサッと取り出せます。
そして本物のドラムを叩ける場合は、耳栓も用意しておきましょう。生ドラムやバンドのリハスタでの音量は、騒音レベルとしてかなり深刻。聴力が落ちてしまってからでは手遅れなので、状況に応じていつでも使えるように携帯するといいと思います。
Q.3 フット・ペダル購入のときのチェック・ポイントは?
A.3 フット・ペダルもいろんなタイプがあって悩ましいですね。気になる新品時の価格差は、使っているパーツの質や量、そして調整機能の幅などで決まってきます。ですからメーカーで一番高価なものが必ずしもベストとは限らず、逆に安いからダメというわけではありません。
ただ、その価格差の範囲でも“実際にプロ・ドラマーが使っているか?”というのは選ぶときの基準になるでしょう。というのも、フット・ペダルは演奏時に猛烈な負荷がかかり続けるので、耐久性が命。その点、“プロが使っている”というのは耐久性が高いことの証明になります。大手メーカーのものならば粗悪品はまずありませんし、踏み心地の好みは楽器店でのチェックとなりますが、せっかくマイ・ペダルを買うのであれば、初心者でもプロと同じグレードを選んでいいと思いますね。