こんにちは、摩天楼オペラの響です。第7回は、 SiMの「KiLLING ME」のドラム・カヴァー解説になります。この楽曲が収録されている『SEEDS OF HOPE』が発売されてから今月で10年。現在でもラウド・ロックを語る上では欠かせない曲と言えるでしょう。今回は基本ビート、ドラム・ソロ、Bメロ、ラス・サビを解説していきます。
◯ Anatomy of Drumming #7 Contents
■ カヴァーのポイント① 〜曲を印象づけるウラ打ちビート〜
■ カヴァーのポイント② 〜小節を跨ぐコンビネーション・フィル〜
■ カヴァーのポイント③ 〜右手が多忙なユニゾン・パターン〜
■ カヴァーのポイント④ 〜ラスサビを攻略する3つの課題〜
■カヴァーのポイント① 基本ビート〜曲を印象づけるウラ打ちビート〜
この曲の印象深いビートの1つで、いわゆるウラ打ちというパターンです。さまざまな曲で使われていることもあり、ある程度ドラムの経験があれば叩ける方も多いと思いますが、あらためて解説していきます。一気に叩こうとすると難しいパターンのため、両足の4分打ち→右手の8分ウラのハイハット→左手の2、4拍のスネアの順番で入れていくと、比較的簡単に習得することが可能です。また、最後の4小節目に関しては、スネアの位置がウラ拍へとズレているので注意して叩いてみてください。
■カヴァーのポイント② ドラム・ソロ〜小節を跨ぐコンビネーション・フィル〜
一見かなり難易度の高いドラム・ソロに聴こえますが、1つ1つのフレーズ自体は比較的簡単なものとなっています。ポイントしては2つ挙げられますが、1つが手の移動の忙しさです。全体を通してタイコ類とシンバルの行き来が多いため、フレーズを覚えてしっかりとヒットできるように練習してみてください。もう1つのポイントは小節を跨いだコンビネーション・フィルです。登場するパターンは手4打+足2打のシンプルなパターンではありますが、小節を跨ぐことでかなりズレやすくなるので、しっかりと拍を感じながら叩いてみてください。
■カヴァーのポイント③ Bメロ〜右手が多忙なユニゾン・パターン〜
Bメロはブレイクダウンなどで使われるユニゾン・パターンです。細かい足技が登場することが多いのですが、ここではフロア・タムを混ぜることで、足の3連打を使用しているようなフレーズとなっています。そのため足の打数は少なめとなっていますが、チャイナとフロアを交互に叩く必要があるため、右手がかなり忙しいフレーズです。その際、身体のバランスが崩れやすくフロアの音量が小さくなりがちなので、しっかりと鳴らすことを意識してみてください。
■カヴァーのポイント④ラスサビ〜ラスサビを攻略する3つの課題〜
ラスサビの攻略ポイントとしては3つ挙げられます。まずは入りの2拍目のクラッシュ。直前のCメロのラストも2拍休みのため、ジャストのタイミングで入るのが難しいフレーズとなっています。そして直後のコンビネーション・フィル。ドラム・ソロ同様にこちらも小節を跨いだフレーズとなっているため、拍をしっかりと意識するようにしてみてください。さらにそのフィルのラストがシンコペーションになっており、この3つのポイントすべてが安定していないと綺麗に叩くのは不可能です。全体を通して他の楽器と合わせるのが大変難しいため、まずはフレーズを覚えるところから始めてみてください。
◎Profile
ひびき:2014年に本格的な音楽活動を開始し、2019年にVロック・バンド“摩天楼オペラ”に正式メンバーとして加入。同年2月に初の参加アルバム『Human Dignity』でメジャー・デビューを果たす。自身のバンド活動以外にも、さまざまなアーティストのライヴ・サポートやドラム・セミナーの開催、教育現場でのライヴ参加や講師活動など、幅広い音楽活動を行っている。パール/ジルジャンのエンドーサー。
◎Information
HP / Twitter / Instagram / YouTube ◀︎ ドラマガ連載“Anatomy Of Drumming”更新中!
▼ 響[摩天楼オペラ]によるレクチャー動画解説つき連載 ▼
“Anatomy Of Drumming”のBack Numberはこちら!