UP
Anatomy of Drumming feat. 響[摩天楼オペラ]#1 〜 X JAPAN「Silent Jealousy」
- 文&解説&動画:響[摩天楼オペラ]
こんにちは、摩天楼オペラの響です。名曲のカヴァー動画をもとにフレーズを解体/解説していく連載、“Anatomy of Drumming”が今月からスタートしました! 第1回目は、X JAPANの「Silent Jealousy」のドラム・カヴァーを解説してみたいと思います。今回は、この曲の中からカヴァーする上でポイントとなる4箇所をピックアップし、それぞれのフレーズ上達のための攻略エクササイズと共に紹介していきます。どれもメタルには欠かせないテクニックとなっておりますので、皆様ぜひ試してみてくださいね!
Anatomy of Drumming feat. 響[摩天楼オペラ]#1
X JAPAN「Silent Jealousy」
「Silent Jealousy」は、僕がメタルにハマったきっかけでもあり、現在の自身のドラミングの原点とも言える、非常に思い入れの強い楽曲です。全体を通して難易度の高いフレーズで構成されている楽曲ですが、その中でもカヴァーする上でのポイントとなる、イントロやドラム・ソロの高速タム回し、楽曲を構成する基本ビート、最難関ポイントとも言えるアウトロをピックアップしました!
◯ Anatomy of Drumming feat. 響[摩天楼オペラ]#1
■ Pattern 1 – イントロ 〜高速タム回し〜
▶︎ Ex-1 – 3打アクセント鍛錬
■ Pattern 2 – 基本ビート
▶︎ Ex-2 – 16分連打フット・ワークの切り替え練習
■ Pattern 3 – ドラム・ソロ
■ Pattern 4 – アウトロ 〜手足の完全ユニゾン・パターン〜
■カヴァーのポイント① イントロ 〜高速タム回し〜
イントロは、8小節すべてが高速タム回しで構成されています。その中でも、3、4小節目に登場するポリリズムのような3打アクセントのフレーズが、この曲をコピーする上での重要なポイントです。ただし、3打ごとに捉えてしまうと拍を見失いやすくなってしまうため、1拍ごと、つまり4打ごとのフレーズとして捉えることが大切です。
また、7、8小節目のタム回しは、スネアとタムの高低差があるセッティングだと、リムなどに当たってしまいがちなので、打面の真ん中をしっかりとヒットすることを意識してみてください。
▼
攻略エクササイズ① 3打アクセント鍛錬
Ex-1は、“3打アクセント”のフレーズに特化した練習法です。このフレーズは拍を見失いやすいと解説しましたが、スネアの連打を加えて小節内に収めるパターンを練習することで、4打ごとのフレーズとして捉えやすくなります。
1小節の場合は、“3打アクセントを4回/スネア連打を4回”、2小節の場合は、“3打アクセントを8回/スネア連打を8回”叩くことできれいに収まるので、それらを組み合わせて合計4小節のフレーズとして練習しましょう。慣れてきたら、4、8小節に収める練習なども効果的です。
■カヴァーのポイント② 基本ビート
メタルには必須の、2ビートのパターンです。基本的にこのパターンで進行していくので、 このビートを安定して叩けることがコピーする上での絶対条件となります。
この2ビートは片足のみを使うパターンとなっていて、具体的には(1小節内のキック)5打のうち3打が16分ウラに入っています。16分ウラのキックは、非常に不安定になりやすいため、しっかりと点で捉えるイメージを持ち、ゆっくりなテンポから練習してみてください。
▼
攻略エクササイズ② 16分連打フット・ワークの切り替え練習
楽曲全体を通して、基本的に2ビートで進行していきますが、足のパターンが要所要所で16分連打へと切り替わるため、Ex-2はそこを鍛えるための練習法をお勧めします。
基本ビートと16分連打を1小節ごとに切り替えるだけの練習ではありますが、片足から両足に切り替える際に上半身のバランスが崩れやすいので、そこに注意が必要です。慣れてきたら、小節数を増やしてチャレンジしてみてください。
■カヴァーのポイント③ ドラム・ソロ
ドラム・ソロということで、さまざまなパターンのタム回しや派手なシンバル移動が組み込まれたパターンとなります。規則性のあるフレーズが少ないため、まずはゆっくりなテンポからフレーズを覚えることが大切です。
ここでも4小節目と7、8小節目に3打アクセントのフレーズが登場するのです が、4小節目に関しては、スネアから始まらない少し特殊なパターンとなっているので注意が必要です。全体を通して手の移動範囲がかなり広いため、1つ1つのフレーズを落ち着いて叩いてみてください。
■カヴァーのポイント④ アウトロ 〜手足の完全ユニゾン・パターン〜
イントロ、ドラム・ソロと難しいフレーズの多い楽曲ですが、このアウトロが最難関のフレーズとなります。
2、3小節目の拍をまたいでのタム回し、4小節目の3打アクセントのフレーズ、ライド、クラッシュ、チャイナを使った派手なシンバル移動など、難易度の高いフレーズが立て続けに登場します。さらに、それらのフレーズを叩きつつ、足は常に16分連打となるので、足の安定も必要不可欠です。また、タム回しが手足の完全ユニゾンのパターンとなり、少しでもずれるときれいに聴こえないので、イントロやドラム・ソロ以上に正確に叩く必要があります。
◎Profile
ひびき:2014年に本格的な音楽活動を開始し、2019年にVロック・バンド“摩天楼オペラ”に正式メンバーとして加入。同年2月に初の参加アルバム『Human Dignity』でメジャー・デビューを果たす。自身のバンド活動以外にも、さまざまなアーティストのライヴ・サポートやドラム・セミナーの開催、教育現場でのライヴ参加や講師活動など、幅広い音楽活動を行っている。パール/ジルジャンのエンドーサー。
◎Information
HP / Twitter / Instagram / YouTube ◀︎ ドラマガ連載“Anatomy Of Drumming”更新中!