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    沼澤 尚が語るアル・ジャクソンJr.のすごさ!

    本日11月27日は伝説のグルーヴ・マスター、アル・ジャクソンJr.の生誕記念日。Booker T. & the MG’sのメンバーとして、オーティス・レディング、サム&デイヴを筆頭に数々のレコーディングに参加。そのソリッドかつタイトなサウンド&グルーヴに影響を受けたドラマーも数多く、その死から40年以上経った現在も高い人気を誇っている。ここでは2017年4月号で、沼澤 尚氏がその魅力について語ったコメントを掲載!

    当時の他のドラマーと比べるとすべてがソリッドでものすごくステディ

    アル・ジャクソンは若くして亡くなっていることもあって、アメリカでは特に伝説になっているドラマーですね。まずヒット曲が多過ぎる。アール・パーマーも大量のヒット曲に参加しているけど、アル・ジャクソンの場合はやはりBooker T. & the MG’sというバンドの存在が大きくて……スタックス・レコードの初期の作品、オーティス・レディングもサム&デイヴもアレサ・フランクリンも全部Booker T. & the MG’s。彼らはバンドとしてもヒット作を出していて「Green Onion」や「Hip Hug-Her」などはアメリカでは今もインストの定番ですから。モータウンやハイ・リズムにも特別優秀なミュージシャン達がいたけどバンドとしての活動はなくて。でもスタックスだけはチームを売りにしていて、それはギターとベースが白人だったことも関係しているかもしれないですね。

    アル・ジャクソンの曲をコピーするときにびっくりするのは、実はものすごく細かいということ。シンプルなように聴こえるけど、足とスネアのゴーストが異常なくらい細かい。アルバート・キングの「Born Under a Bad Sign」もシンプルに聴こえるんだけど、左手のゴーストがずっーと入っているし、サム&デイヴの「Hold on I’m coming」もキックがものすごい。フィルなんて一切無くて、キックのパターンだけできっちり曲の展開を変えている。サビのアタマでクラッシュなんてことも絶対にしないですし。そしてブルーズの作品でも曖昧さがまったくない。当時の他のドラマーと比べるとすべてがソリッドでものすごくステディ。あの時代にああいうドラマーは他にいなかったから新鮮でコンテンポラリーに聴こえたんじゃないかと思います。今聴いてももちろんまったく古くないですし、数年前立て続けにクエストラヴがプロデュースしたベティ・ライト、アル・グリーン、MG’sのアルバムは間違いなくアル・ジャクソンの影響そのものが表現されてましたから。