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    【R.I.P.】80年に渡るキャリアを築いた革新のジャズ・レジェンド、ロイ・ヘインズが逝去

    • Photo:Eiji Kikuchi

    僕は自分の人生に対するのと同じようなアプローチで
    ドラムに取り組んでいる
    つまり“呼吸”と同じようなものかな – ロイ・ヘインズ

    *発言はリズム&ドラム・マガジン本誌2009年8月号より抜粋

    プロ・デビュー以来、およそ80年に渡るキャリアを通して、ジャズ・シーンに多大なる影響をもたらしたレジェンド、ロイ・ヘインズ。現役として最前線で活躍し、功績を残し続けたジャズ・ジャイアントの逝去が、11月13日に発表された。享年99歳。

    ロイ・ヘインズは、1926年3月13日、アメリカのマサチューセッツ州ロックスバリーに生まれる。高校生の頃にはすでにさまざまなジャズ・セッションに参加し、シーンでの知名度を“口コミ”で広げていった彼は、サビー・ルイス楽団やフランキー・ニュートンとのバンド活動を経て、19歳でニューヨークに進出。程なくして1940年代にプロ・デビューを果たし、1949年にはチャーリー・パーカーのバンドへの加入でより注目を集めることとなった。以降、豪快なスウィングと革新的なドラミング、歯切れの良いサウンド、そしてダンサブルなアプローチで引っ張りだこの存在となり、レスター・ヤングやセロニアス・モンク、バド・パウエル、チャーリー・パーカー、エリック・ドルフィー、ジョン・コルトレーン、マイルス・デイヴィス、チック・コリアやパット・メセニーなど、枚挙にいとまがないほどの豪華ジャズ・プレイヤー達と共演。

    ドラム・マガジン本誌でのインタビューでは、特に影響を受けたドラマーとしてたびたび“パパ”ジョー・ジョーンズの名を挙げており、自身のプレイ・スタイルに関しては、「俺は話をするようにプレイするのが好きなんだ。会話するように、絵を描くようにね」、「画家のようにいろいろな色彩感を出していくのが好き」と一貫して語っていた。

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    なお、共演ミュージシャンについては雰囲気の良さを重視していたそうで、「どれだけ速弾きができるかといったテクニック的なことよりも、音をどう鳴らすかとか、ほかのミュージシャンの演奏とどう合わせていくかといったことの方が、はるかに大切」との発言からも、自身も斬新なドラム・アプローチと柔軟な対応を両立し、さまざまな年代や個性を持つプレイヤー達との共演を重ねてきた彼だからこその説得力を感じられる。

    初となる対面でのインタビューに成功した2009年8月号では、84歳にして「僕はまだまだこれからだよ(笑)。…(中略)…僕は何より今も先に進んでいる。もっと“先にある何か”をつかもうとしているんだ」と語っていたことも印象深い。

    ▲2015年ブルーノート公演で使用した機材はこちら

    90歳を迎えて開催された2015年の来日公演でも元気な姿で、衰えを感じさせないパフォーマンスを見せてくれたロイ・ヘインズ。まさに“生涯現役”の勢いで活躍を続け、忘れえぬ功績をシーンに残した偉大なるジャズ・ジャイアントへあらためて敬意を表したい。ご冥福をお祈りします。

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