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半世紀以上に渡って世界を魅了し続けるロックンロール・バンド、ザ・ローリング・ストーンズのドラマー、チャーリー・ワッツが24日に死去したことが発表された。享年80歳であった。
チャーリー・ワッツは1941年生まれ。ロンドンはイズリントン出身。ジャズに目覚め、ドラムを始めたのは10代の頃だったという。60年初頭、当時のロンドンのブルース・シーンの中心的存在であったアレクシス・コーナー率いるバンド、ブルース・インコーポレイテッドに加入。このバンドのライヴにブライアン・ジョーンズらが度々参加していたことをきっかけに、1963年にザ・ローリング・ストーンズに加入。同年6月に「カム・オン」でデビュー。翌年4月には4月にはファースト・アルバム『ザ・ローリング・ストーンズ』をリリース。1965年に発売されたミック・ジャガーとキース・リチャーズの作詞・作曲による「サティスファクション」がアメリカとイギリスで1位を記録するメガ・ヒットとなり、彼らの存在は一躍世界中に知られることになった。
その後も『ベガーズ・バンケット』、『レット・イット・ブリード』、『スティッキー・フィンガーズ』など歴史に名を残す数々の傑作をリリース。その活躍ぶりはご存知の通りで、メンバー・チェンジを行いながらも、現役最強のロックンロール・バンドとして半世紀以上に渡って世界中を熱狂させ続けている。初来日は1990年で、計10日間に渡って東京ドーム公演を開催。これまでに6回来日公演を行なっている。
チャーリーはそんなストーンズでの活動の傍ら、自身のジャズ・バンドを率いてソロ・ワークもスタート。86年にはイギリス・ジャズ界の精鋭を集めた30人超えの大編成によるチャーリー・ワッツ・オーケストラのライヴを実施し、その模様を収録した『Live at Fulham Town Hall』をリリース。90年代にはピーター・キング中心のクインテットを形成し、91年にはチャーリーが20歳のとき書いたチャーリー・パーカーがモデルの絵本とCDをセットにした『From One Charlie』も発表。2000年代に入ると、チャーリー・ワッツ/ジム・ケルトナー・プロジェクト名義で敬愛するジャズ・ドラマーの名前を曲名に冠したトリビュート・アルバムを制作。17年にはデンマークの名門ビッグ・バンドと共演したアルバム『チャーリー・ワッツ・ミーツ・ザ・ダニッシュ・ラジオ・ビッグ・バンド~ライヴ・アット・ザ・ダニッシュ・ラジオ・コンサート・ホール、コペンハーゲン 2010』を発表し、話題を集めた。さらにチャーリーはブギウギ・バンドでの活動も精力的で、09年にはABC&Dオブ・ブギウギを結成し、12年には『ライヴ・イン・パリ』をリリースした。
04年には喉頭ガンが見つかるも、治療し、見事に回復。2012年には結成50周年を迎え、同年11月に「50&Couning Tour」を開催。16年には11年ぶりとなるスタジオ・アルバム『ブルー&ロンサム』を発表し、全英1位を記録。そして2017年からは“NO FILTER TOUR”をスタートさせ、昨年のアメリカ公演で締め括る予定だったが、コロナ禍によって延期。その振替公演が9月にスタートすることが告知されたタイミングで、チャーリーのツアー不参加がアナウンス。代理としてスティーヴ・ジョーダンが参加することが発表されたばかりであった。
バック・ビートのタイミングでハイハットを抜くなど、独創的なドラミングで、ストーンズ・サウンドを見事にロールさせていたチャーリー・ワッツ。心よりご冥福をお祈りいたします。