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【速報】神保 彰がオリジナル・アルバムを3作同時リリース! レコーディング・レポート

  • Text:Rhythm & Drums Magazine Photo:Keisuke Nakai

日本が世界に誇るトップ・ドラマーで、今年プロ・デビュー40周年を迎えた神保 彰。洗練されたビート&テクニックとその精細さで、国内外に数多くのフォロワーを持つ彼が、毎年元旦恒例となっているオリジナル・アルバムを、3作同時リリースするという知らせが舞い込んできた。

例年通りであれば、海外に赴き、豪華アーティスト達との一発録りでレコーディングを進めるところ、今作は新型コロナウイルスの影響を受けてニューヨークと東京でのリモート制作になったということで、そのレコーディングの現場に潜入! 速報も兼ねて、レコーディング・レポートをお届けしよう。

神保が4日間をかけてドラム録りを行ったアルバム3作分の曲数は、全29曲! 編集部が現場にうかがったのは最終日で、初共演となるシルヴァーノ・モナステリオス(p)、リッキー・ロドリゲス(b)を迎えて制作を進めたというピアノ・トリオ盤『29 NY Red Featuring Silvano Monasterios & Ricky Rodriguez』のドラム・レコーディング真っ最中。軽やかなピアノの旋律に寄り添う繊細なシンバル・ワークや、楽曲のラテン色を増長させるクラーベの音色がレコーディング・ルームの外にも心地良く響いていたが、いざコントロール・ルームに入って聴くと、ダイナミックなドラム・サウンドで、迫力満点!

自身のソロ・アルバムを日本でレコーディングしたのは初めてとのことで、神保にその感触をうかがうと、「僕はすごくアナログ志向というか、“デジタルデジタルした音”はあまり好きじゃなくて……今回お願いしたエンジニアの加納(直喜)さんが手がけるサウンドは、僕の趣向とすごくマッチして良い感じです。目の覚めるような音で録っていただいて、非常に感謝しております」と、満足した様子で語ってくれた。

レコーディング中、曲のエンディング部を神保が何度もプレイ・バックし、納得のいくテイクが出るまで繰り返し演奏する場面もあり、そこから彼の細部に至るまでのこだわりが見てとれた。趣向を凝らしながらも、編集部が滞在した2時間弱の間に2曲を仕上げてしまう彼のスマートさと安定感はさすがの一言!

本作と同時にリリースされる2枚のうち1つは、前作に引き続いての参加となるオズ・ノイ(g)と、神保がマイク・スターンの来日公演で共演したというエドモンド・ギルモア(b)を迎えたギター・トリオ・アルバム『28 NY Blue Featuring Oz Noy & Edmond Gilmore』。もう1つは、神保がドラム以外のパートを打ち込みで制作したソロ・アルバム『30 Tokyo Yellow』のラインナップとなっている。発売は、2021年元旦を予定。

最後に、これら3作の内容について、神保本人からコメントをいただいた。

神保「ギター・トリオの『28 NY Blue〜』はファンク/ブルース系統で、ピアノ・トリオの『29 NY Red〜』はラテンに寄っています。ソロの『30 Tokyo Yellow』は、何でもありな内容です(笑)。オリジナル・アルバムを3枚同時に作るというのは初めての試みで、おそらくあまり他の人もやっていないことなんじゃないかと思います。曲に関しても、“ようやく3作出来た”というのではなく、“余裕で作れた”というところを目指して、時間をかけて作りました。これを併せて聴くと、今の神保 彰がわかるという内容になっておりますので、ぜひ3枚とも聴いていただきたいです」。

Recording Gear

今回のレコーディングで使用されていたのは、神保のメイン・キットであるヤマハのYD9000AJ。セッティングは1バス2タム2フロアの構成で、バス・ドラムにはサブ・キックをプリペアド。この日収録していたピアノ・トリオ盤はラテン色の強い曲調のため、ティンバレスも組み込まれていた。立てられたマイクの数は、何と合計20本! バス・ドラムだけでも4箇所に設置されており、ダイナミックなサウンドを実現。