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アーティスト&楽曲を支えるドラマーにも要注目!
国内最大規模となる音楽賞のノミネート作品
「世界とつながり、音楽の未来を灯す。」をコンセプトにスタートした、国内ではかつてない規模の国際音楽賞「MUSIC AWARDS JAPAN」。ロームシアター京都にて5月に開催予定の表彰式に向けて、50部門のノミネート作品が発表された。

写真左から、住吉美紀、柴 那典、小籔千豊、貴島明日香、松島 功、クリス・ペプラー。
中心にはこの日お披露目となった主要6部門のトロフィーが並ぶ。
「MUSIC AWARDS JAPAN」は、音楽業界の主要5団体(日本レコード協会、日本音楽事業者協会、日本音楽制作者連盟、日本音楽出版社協会、コンサートプロモーターズ協会)が設立した一般社団法人カルチャーアンドエンタテインメント産業振興会(CEIPA)が主催する、新たなる音楽の祭典。
最優秀アーティスト賞や楽曲賞をはじめとする主要部門に加え、ロックやジャズ、オルタナティヴといった音楽ジャンル別のカテゴリーも設定された全62部門/3000曲におよぶ候補の中から、プロフェッショナルの目線で優れたアーティスト/作品を選出するという試みのもと、音楽業界関係者からの投票が2月よりスタートしていた。
そして4月17日に行われたノミネート作品発表会では、主要6部門となる「最優秀ニューアーティスト賞」、「最優秀アルバム賞」、「最優秀アジア楽曲賞」、「Top Global Hit from Japan」、「最優秀アーティスト賞」、「最優秀楽曲賞」のノミネートが発表となった。その楽曲やアーティストを支えるドラマー陣にも注目しながら紹介していこう。
「最優秀アルバム賞」ノミネート5作品(全171作品中)

■Mrs. GREEN APPLE『ANTENNA』 (d:神田リョウ、クラカズヒデユキ)
“フェーズ2”への移行を経て3ピース編成となり、今や楽曲1つ1つがダントツのストリーミング再生回数を誇るMrs. GREEN APPLEが2023年にリリースした5thフル・アルバム。収録曲のドラムは、「ANTENNA」、「私は最強」、「Soranji」、「アンラブレス」、「橙」、「Doodle」の5曲をクラカズヒデユキが、そして「ケセラセラ」、「norn」、「Feeling」の3曲を神田リョウがプレイしている。
■米津玄師『LOST CORNER』 (d:石若 駿、堀 正輝、mabanua)
ここからはシンガー・ソングライターの作品が続々ノミネート。本作は、米津玄師が2024年8月にリリースした6thアルバム。ドラマーは石若 駿、堀 正輝、mabanuaの3名が参加しており、「KICK BACK」、「ゆめうつつ」、「月を見ていた」、「地球儀」の4曲を石若が演奏。「さよーならまたいつか!」、「Pale Blue」、「がらくた」をプレイした堀は、「M八七」のドラム・プログラミングにも携わっている。「LADY」はmabanuaが担当。
■藤井 風『LOVE ALL SERVE ALL』 (d:裕木レオン、上原俊亮)
藤井 風のフル・アルバム2作目(2022年発表)。ドラマーは2名が参加しており、裕木レオンが「へでもねーよ(LASA edit)」、「ガーデン」、「“青春病”」の3曲をプレイ。「やば。」、「damn」の2曲を担当したのは上原俊亮で、さらにパーカッショニストの福岡たかしも「燃えよ」、「“青春病”」の2曲を支えている。
■Vaundy『replica』 (d:BOBO)
2023年にリリースされたVaundyの2ndアルバム。CD2枚組で全35曲を収録したフル・ボリュームの本作には、パワフルなショットとタイトなドラミングでグルーヴを支えるBOBOが全面参加し、14曲でドラムをプレイしている。ライヴ・サポートも務めており、Vaundyが絶大な信頼を寄せるドラマーと言えるだろう。
■宇多田ヒカル『SCIENCE FICTION』 (d:アール・ハーヴィン、イアン・トーマス、クリス・デイヴ、レオ・テイラー)
絶大な人気を誇るシンガー・ソングライター=宇多田ヒカルのデビュー25周年を記念してリリースされたベスト盤。イアン・トーマスが参加した「花束を君に」、クリス・デイヴがドラム/パーカッションをプレイした「あなた」、レオ・テイラー参加の「BADモード」、ライヴでも絶大な信頼を寄せるアール・ハーヴィンが支える「二時間だけのバカンス featuring 椎名林檎」に加えて、再録やリミックスを経て新たな様相となった豪華ヒット・チューンを収録。新曲として収録された「Electricity」では、Kuniyuki Takahashiがパーカッションを演奏している。
「最優秀楽曲賞」ノミネート5作品(全256作品中)

■ROSÉ & Bruno Mars「APT.」
■Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」
■YOASOBI「アイドル」
■藤井 風「満ちてゆく」
■Mrs. GREEN APPLE「ライラック」
「最優秀楽曲賞」には、アニメ主題歌やTikTokなどの動画投稿サービスで一躍話題となった楽曲達がノミネート。ROSÉ & Bruno Mars「APT.」のMVでは、ブルーノ・マーズがドラムをプレイするシーンも。ブルーノの兄はドラマーのエリック・ヘルナンデスで、ツアー・サポートとして帯同しており、昨年の東京ドーム公演も支えた。YOASOBI「アイドル」は、ライヴにおいてサポート・メンバーの仄雲やTatsuya Amano[Crossfaith]がビートを再現している。藤井 風「満ちてゆく」は、「NHK紅白歌合戦2024」にて佐治宣英がドラムをプレイし、生中継での全体的な演出が大きな話題を呼んだ。ロング・ヒットを放つMrs. GREEN APPLE「ライラック」では、レコーディングにクラカズヒデユキが参加している。
★発売中のドラマガ2025年4月号掲載「セルフィー・セミナー」では、
クラカズヒデユキが映像つきでドラムをレクチャー!

「Top Global Hit from Japan』ノミネート5作品(全100曲中)

■高橋あず美「It’s Going Down Now」
■XG「WOKE UP」
■YOASOBI「アイドル」
■藤井 風「死ぬのがいいわ」
■松原みき「真夜中のドア〜stay with me」
海外で話題となる日本の楽曲といえば、これまではアニメやゲームなどの主題歌などがメインとして挙げられる傾向が高かったが、やはり配信サービスの隆盛もあってか、ここでは多彩な出自の楽曲がノミネート。藤井 風「死ぬのがいいわ」も、TikTokやインスタのリールを通じ、リリースから2年を経て世界中にヒット。ドラマガ目線でぜひ注目しておきたいのが、松原みきの70年代のデビュー曲で、名匠=林 立夫がドラムをプレイした「真夜中のドア〜stay with me」。シンガポールのアーティストによるカヴァーをきっかけにリバイバルしたとのことで、80年代を彩ったシティ・ポップの名曲が今、時代と国境を超えて評価されていると言えよう。
「最優秀アーティスト賞」ノミネート5組(全171組中)

■Creepy Nuts
■Mrs. GREEN APPLE
■Vaundy
■YOASOBI
■藤井 風
「MUSIC AWARDS JAPAN 2025」の各賞の中でも1、2を争う注目度の高さであろう「最優秀アーティスト賞」には、アルバム/楽曲部門にもノミネートされた作品をはじめ、ヒット・チューンを多数リリースし、破竹の勢いで活躍するアーティスト達が揃い踏み。この中で誰が選ばれても納得の結果となるのではないだろうか。
「最優秀ニューアーティスト賞」ノミネート5組(全61組中)

■FRUITS ZIPPER
■Number_i
■Omoinotake(d:冨田洋之進)
■tuki.
■こっちのけんと
新世代アーティストの表彰部門では、TikTokやSpotify等の各種ストリーミング配信サービスを通じて楽曲の知名度を拡げた期待のアーティスト達が選出。配信サービスの普及により、アーティスト自身の認知度だけでなく、楽曲の質自体がフラットに評価されるという現代の音楽シーンの傾向が見て取れるラインナップとなった。
「最優秀アジア楽曲賞」ノミネート5作品(全24曲中)

■Bernadya「Satu Bulan」(インドネシア)
■REGINA SONG「the cutest pair」(シンガポール)
■aespa「Supernova」(韓国)
■PLAVE「WAY 4 LUV」(韓国)
■JEFF SATUR「GHOST」(タイ)
配信サービスの普及により、洋楽=アメリカやイギリス発の楽曲が中心となっていた時代から大きく変容したと言える現代。K-POPの浸透性の高さはもちろんのこと、日本のミュージシャンと同様、楽曲1つ1つのクオリティで知名度を拡げているアジア各国のシンガー・ソングライターにも注目したい。
「最優秀ジャズアルバム賞」ノミネート5作品

「ノミネート作品発表会」で取り上げられた主要6部門は以上となるが、他部門ではロックやオルタナティブ、クラシックなどの音楽ジャンル別のカテゴリーも設けられており、同じく注目するべき作品が多数。「最優秀ジャズアルバム賞」にノミネートされたこちらの5作品もまた、メイン・アーティストはもちろんのこと、参加ドラマーも実力派揃いとなっている。こちらも併せてピックアップしておきたい。
■小曽根 真『Day 1』
(d:高橋信之介)
■渡辺貞夫『PEACE』
(d:竹村一哲)
■矢野顕子、上原ひろみ『Step Into Paradise -LIVE IN TOKYO-』
■松田聖子『SEIKO JAZZ 3』
(d:スティーヴ・フェローン)
■Ovall『Still Water』
(d:mabanua)
確かな実力と音楽性を持ち、国内での認知度も抜群のノミネート作品/アーティストが出揃った「MUSIC AWARDS JAPAN 2025」。17日より投票権を持つ“音楽人”による最終投票(一部部門では一般投票も受付中)がスタートしており、各賞に選ばれる作品/アーティストは5月21、22日にロームシアター京都にて行われる表彰式での発表となる(22日はNHKにて生中継)。京都府では、表彰式に先駆けて「AWARDS WEEK」と題した音楽イベントも開催予定とのこと。その詳細や各種イベント情報、他部門のノミネート作品については、「MUSIC AWARDS JAPAN」特設サイトをチェックしてみてほしい。
▼全部門の候補作品が聴けるSpotifyプレイリスト「museum 2025」はこちら