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    サイズ、材質、チップ……“ここ”に注目! スティック選びのコツ

    • Text:Yusuke Nagano Photo:Masao Sekigawa Illust:Chihiro Yaegashi

    PART II スティック選びの“ここ”をチェック!

    木製のスティックには個体差があり、同じモデルでも重さやピッチ感などが異なる。ここでは、ベストのペアが選べるようにスティックの選び方を順を追って解説していく。

    Check 1:木目

    まずはスティックの木目をチェックしましょう。木目がグリップ・エンドからチップの先端まで真っ直ぐに通っているのがベスト。斜めに入っているものは曲がりや折れの原因になります。また節があったり、一部に濃い木目が入っているものも、タッチや耐久性に問題がある場合があります。

    ▲スティック選びにおいて、木目をチェックすることは重要なポイントの1つ。写真上のも奥目が真っ直ぐ入っているのに対し、下は斜め。こういったスティックは、折れやすいものが多い。

    Check 2:曲がり

    木目のチェックをクリアしたスティック。次に曲がりをチェックしましょう。スティックをガラス・ケースやテーブルなどの平らな台の上で転がします。曲がっているスティックは、素直に転がらずに“クネクネ”と転がるので一目瞭然。スティックが曲がっていると、素直なリバウンド感が得られないのでNGです。

    ちなみに平らな台が手近にない場合は、2本のスティックを揃えて持った状態で、片方のスティックを自転させると、同様の曲がりチェックを簡易に行えます(イラスト参照)。

    ▲スティックを平らな床の上で転がして曲がりをチェックする方法。曲がりのあるスティックは素直に転がっていかず、“クネクネ”と転がっていくので、判別しやすい。

    ▲曲がりをチェックする他に、重心をチェックする方法として、人差し指の上にスティックを乗せ、写真のように手と手を近づけていきバランスのとれたところが重心ポイントとなる。目安として試してみると良いだろう。

    ▲平らな台がない場合、1本ずつ曲がりをチェックする方法。2本のスティックを揃えてもち、片方のスティックを添えら状態のまま手の中で回転させて、ショルダーやグリップ部などに隙間ができる場合は、曲がり“あり”に。

    Check 3:重さ

    曲がりのチェックをクリアしたスティックですが、次に重さをチェックしましょう。木の密度の違いによって、同じモデルでも重さが異なるので、可能な範囲で揃えます。楽器店には秤が設置してあることも多いのですが、秤がない場合は素振りや、試打用の練習パッドなどを叩いて感覚でチェック。

    ちなみに、前の項でも述べましたが、ある程度の経験者は、自分の好みのスティックの重さを把握している場合が多いのですが、それがわかっていると購入の際の目安となります。

    ▲同じモデルでも、重さが極端に違うと、音、タッチ、バランスなども変わってくる。楽器店などに秤が置いてあるので、必ずチェックしよう。

    Check 4:ピッチ

    最後はピッチをチェックします。スティックは木材の密度の違いにより、響き方に個体差が生まれます。左右でピッチの異なるスティックを使用していると、両手の音質や音量バランスが不揃いになる原因にもなります。

    ピッチのチェック方法は、スティックを軽く頭の上に落として、頭蓋骨に響く木の鳴りで確認します。このときにスティックを強く握ってしまうと鳴りが抑えられてしまうので要注意。また木の鳴りが鈍いスティックは、リバウンド感も鈍く、ライドなどを叩いたときの音のヌケも悪くなります。“コン!”と明るくヌケの良い音で鳴るスティックをチョイスしましょう。こうして残ったスティックが晴れて合格となります。

    厳密に選ぶと、1つのケースに1〜2ペアくらいしか好みのスティックが存在しない場合もありますが、ドラマーにとって身体の延長のように扱う大切なスティック。スティックも楽器であるという意識で念入りに選んでみてください。

    ▲軽く頭を叩くことで、木の鳴りを確認し、スティックのピッチをチェックする方法。2本のピッチを揃えるだけでなく、音ヌケの良いものを探すこともできる。