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    【連載】山本拓矢が島村楽器ドラムショー2024で見つけた逸品たちを試打&レポート〜特別編〜

    • Text:Takuya Yamamoto
    • illustration:Yu Shiozaki

    DW Collector’s Maple

    国内外のトップ・ドラマーたちが愛用しているアメリカ・サンディエゴ初のトップ・ブランド、DW(Drums Workshop)。ウッド、メタル共に豊富なラインナップを誇るコレクターズ・シリーズの中から、メイプル製のスネアをレビュー。

    厳選した北米産の10プライ・メイプルに、6プライのレインフォースメントを施した構成で、サイズは14”×6”。10テンション仕様で、プレス・フープの中でやや厚めな3mm厚のトゥルー・フープを装備。21年に亡くなったローリング・ストーンズのチャーリー・ワッツも晩年はバーズアイ・メイプルをあしらった同サイズのコレクターズ・メイプルを使っていたことでも有名なスネア・ドラムです。

    倍音成分に由来する”埋もれなさ/ヌケの良さ”とは
    また違った音圧による存在感

    モダン・アメリカン・ドラムのトップ・ランナーとも言える、Collector’s Mapleの6″というやや深めなサイズ。5″は浅さを、6.5″は深さを感じるので、5.5″や6″が標準と言っても差し支えないように思います。10plyシェルに対して、6plyのレインフォースメントが取りつけられていますが、1枚あたりの厚みは薄めなので、シェルとしての厚みはあくまで標準的です。ただ、製造工程や現物を見る限り、厚みに対する剛性は高め仕上がっていると思われます。

    このシェルに対して3mm厚のトゥルー・フープに、60度の鈍角エッジということで、ヘッドとシェルが接触している領域の剛性がかなり高めに仕上がっており、質量の影響もあってシンプルに大きな音が出せます。倍音成分に由来する”埋もれなさ/ヌケの良さ”とはまた違った、音圧による存在感の大きさは、ぜひともアンサンブルの中で味わっていただきたいですね。

    SONOR Prolite〜PL-1405SDWD

    来年150周年の節目を迎えるドイツの老舗ブランド、SONOR(ソナー)。高い製造技術を誇り、シグネチャー、デザイナー、フォニックなど数々の名スネア・ドラムを世に送り出してきました。今回博士が試奏したのは、メイプル・シェルのハイエンド・スネア・ドラム=プロ・ライト・シリーズのPL-1405SDWD。

    80年代のソナーを代表する「ソナーライト」の冠を受け継いだシリーズで、2mm 3プライ・ダイナミック・エッジ(レインフォースメントをソナー)を装備した4mm 6プライのシェル。仕上げは迫力あるスノー・タイガー・フィニッシュで、サイズは14″×5″。

    SONORの楽器の中では軽めの設計で
    他社の楽器とのマッチングも良好

    SONORの楽器には、独自のOSM機構による独特な振る舞いがあります。OSMは意図的にシェル・サイズの外径を僅かに小さくすることで、ヘッドとの理想的なコンタクトを実現するという触れ込みですが、打点による音色の変化のグラデーションや、チューニングの応答性など、他社の楽器とは一線を画した強烈な個性の源泉となっています。良し悪しではなく、違いであり、何を求めてどう利用するかは人それぞれなので、ジャスト気味やオーバー・サイズのシェルにも演奏上有利になり得る個性がありますが、このような楽器で身につけたテクニックを生かすという観点では、OSMかどうかは重要なポイントです。

    “PROLITE”名前の通り、SONORの楽器の中では軽めの設計なので、相対的に他社の楽器とのマッチングも良好で、レンタルの楽器が用意されているステージやスタジオに、スネア・ドラムだけを持ち込むようなシーンでも、フィットしやすいという利点があります。

    MAPEX JEFF HAMILTON/THE MAXIMUS

    新たなディストリビューターの下、今年日本再上陸を果たしたMAPEX。豊富なスネア・ドラムのバリエーションの中でも、シンボルとして掲げられているのが97年に登場したBlack Panther。その頭文字を冠した、アーティストのシグネチャー・シリーズがBP DESIGN LAB。今回試奏したのは、重鎮ジャズ・ドラマー、ジェフ・ハミルトンとのコラボレーションから生まれたThe Maximus。

    シェルはオール・マホガニーで、8プライ・シェルに4プライのレインフォースメントを装備した構成で、ヘッドとエッジの密着度が高い、同社オリジナルのSONIClearベアリング・エッジを採用。フープは内巻きのソニックセイバー・タイプで、ストレイナーはMulti Step Throw Offストレイナーを搭載。スナッピーはカノウプス Vintage Snare Wires、打面ヘッドはファイバースキンのディプロマットというこだわりのスペックで、ヴィンテージ・ドラムのサウンドとフィーリングを持ちつつ、モダンミュージックに求められるサウンドにも対応できるサウンド作りが可能となるとのこと。

    ジェフのこだわりが詰まった仕様

    長らくRemoのキットを愛用していたジェフ・ハミルトンですが、MAPEXへと移籍し、シグネチャー・モデルが発売されました。MAPEXは地理的/歴史的な背景もあって、オリジナル・パーツの製造に長けていますが、TrickのGS007 Multi Step Throw Offや、CanopusのVintage Snare Wiresなど、同業他社のパーツを採用するなど、ジェフのこだわりが詰まった仕様で出荷されます。

    ベッドの深さやフープ形状、スネア・ワイヤーとそれを支持するコード、さまざまな要素がガッチリと噛み合っており、3段階のポジションすべてがうまく機能してくれる点は、流石の一言に尽きます。シェル材、パーツのフィニッシュ、打面ヘッド、ダークでファットな方向に作用する部分が多いので、業界標準とも言えるRemo Ambassador Coatedを張ってみた際にどのような振る舞いをするか、確認してみたいですね。

    British Drum Co.、Ludwig、Yamahaは
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