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【連載】山本拓矢が島村楽器ドラムショー2024で見つけた逸品たちを試打&レポート〜特別編〜
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- Text:Takuya Yamamoto
- illustration:Yu Shiozaki
特別編:島村楽器ドラムショー2024に展示されたスネア・ドラム11台
ドラム博士=山本拓矢が今あらためて注目すべき楽器たちを、楽器ECサイトであるデジマート(https://www.digimart.net/)で見つけ、独断と偏見を交えて紹介する連載コラム。今回はその特別編をお届け! 島村楽器が主催する展示イベント=DRUMS SHOW 2024の一環として、10月19日に島村楽器名古屋パルコ店で行われた「山本拓矢が島村楽器ドラムショー2024で見つけた逸品たちを試打&レポート」で、博士が試奏した11台のスネアのレビューを掲載!
去る2024年10月19日、島村楽器名古屋パルコ店において、「山本拓矢が島村楽器ドラムショー2024で見つけた逸品たちを試打&レポート」が行われました。
現在開催中の展示イベント“DRUMS SHOW”の企画の一環で、当日は北野編集長進行の元、その瞬間に感じたことや、理解する上で重要な情報をシェアしながら、生の声をお届けしましたが、その一部を厳選し、現物を試すきっかけや、特徴を捉える一助になりそうなレビューを心がけて、あらためてまとめてみました。
ポピュラーなモデルから希少なモデルまで、幅広くセレクトされているので、“DRUMS SHOW”の会場だけでなく、いつかどこかで偶然に出会うこともあるかもしれません。見かけた際は、ぜひご自身の耳で確認してみてください。好みや先入観に縛られず、オープンな気持ちで向き合うことで、新たな発見があるかもしれません。
Pearl Factory Tour 2024 Order Model ♯1
Pearl Factory Tour 2024 Order Model ♯2
日本が世界に誇るドラム・ブランド、Pearl。究極のオーダー・システム=Masterworksを筆頭に、同社のプロフェッショナル・モデルを手がける台湾工場で、熟練の職人が精魂込めて作り上げたスネア・ドラムの中から、昨年発表のハイエンド・モデル=Reference Oneのオーダー・モデル2台をフィーチャー!
「Pearl Factory Tour 2024 Order Model」と題した今回のスネアは、去る9月に行われた台湾工場ツアーに合わせてオーダーされたモデル。Reference Oneのスネア・ドラムはメイプル4プライ+バーチ2プライのコンポジット・シェル。5.5”モデルのフィニッシュは「Trans Whale Blue Burst over Tamo」、6.5”モデルのフィニッシュは「Gloss Natural Black Limba」で、共に厳選された木材を生かした、手作業による美しい仕上げが特徴的。
浅胴と深胴に存在する共通のキャラクターが
はっきりと感じられる
薄胴かつコンパクトなラグによるふくよかさと、チューニングのレンジによって、ヘッドのテンションがシェルへ与えるプレッシャーが反映される、音色の変化。スペック通りの素直なキャラクターです。メイプルのクリアな輪郭にバーチの複雑なアタックとキレがブレンドされていますね。
5.5″モデルに関してはブラック・ニッケルのフィニッシュによって、高域がややダークな方向になっているようで、ゴージャスでありながら上品さも感じられます。条件を揃えた個体を複数用意して比較しないと断言はできませんが、アウターのタモ材は、太さや膨らみをもたらしている可能性を感じました。パーツの設計、仕上がりと組み上げの精度もあって、チューニングボルトの感触は極めてスムーズ。この感触はぜひ体感していただきたいです。
シェルの深さに関わらず、エッジからラグまでの距離をコントロールできるのは、セパレートタイプのラグが持つアドバンテージの1つです。浅胴と深胴に存在する共通のキャラクターが、はっきりと感じられました。薄いウッド・シェルということで、ヘヴィなメタル・シェルなどと比べると質量の差が小さく、純粋な深さと容積の差による違いとして現れてくるので、音色の好みで選びやすい点は歓迎できる特性です。
6.5″のモデルは特別仕様のニッケル・フィニッシュで、通常のクロームと比べるとややダークです。アウター材やバッジのカラーともマッチしており、見た目通りのラグジュアリーなサウンドが楽しめます。ウルトラ・サウンド・スナッピーのポテンシャルを余すことなく引き出せている印象で、スタンダードなIタイプと繊細な音色のDタイプの2つを軸として、さまざまな状況で試してみたいと感じました。
DW、SONOR、MAPEXは
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