NOTES
UP
“煩悩の数”だけリズム・パターン108 -Traditional & World編-
- 講師:菅沼道昭 イラスト:伊藤丈丸
2014年12月号、2015年1月号の2号連続でお届けした、『“煩悩の数”だけリズム・パターン』をドラマガWebにて再掲載! 煩悩の数=108ものパターンを当時の付録CDの音源と共に #教則の日曜日 に振り返っていきましょう。ジャンルも幅広く、反復練習も可能なエクササイズなので、初心者にもオススメ!!
Traditional編
伝統的なルーツ系リズム
8パターン
Traditional編は、現在そのままの形ではあまり使われないが、さまざまなリズムの“ルーツ”となっているような、伝統芸能的パターンを8つ紹介。身につけてアイディアの糧としよう!
Traditional 01 ジャンプなどで用いられたバウンス特化型ビート
後のロックンロールにつながるR&B系のジャンプといったジャンルなどで用いられた、バウンスに特化したアプローチ。8ビートの確立前にバウンスしたR&B系のリズムにもある種の“エクストリーム化”が起こっていたことを示すアプローチ。今使っても十分“おいしい”ビートである。
Traditional 02 ブルース伝統のシャッフル・ビート
“テキサス・ドライヴィング・シャッフル”とも異名を取るシャッフルのパターン。スネアのゴースト・ノートでスウィング感を出しているのが特徴で、ジャズからの影響も感じられるアプローチ。8ビートを3連で弾ませたのがシャッフルという単純な図式ではないことを認識させられるパターン。
Traditional 03 ロックンロール黎明期の8ビート・アプローチ
リトル・リチャ-ズなどのロックンロール黎明期に見られる8ビートのパターン。バック・ビート以外の8分もスネアを連打しているのが特徴で、レッド・ツェッペリンの「ロックンロ ール」でもボンゾが継承しているアプローチ。8ビートの歴史を語る上で欠かせないパターンである。
Traditional 04 ベンチャーズ風のロックンロール・ビート
1960年代にエレキ・ブームを起こしたベンチャーズを彷彿とさせる定番パターン。メル・テイラ-などが叩くこのビートは単純に“ドンタタ・ドンタン”と叩いてはダメ。2拍目のウラにアクセントをつけるように叩くのがポイント。ビ-トルズの地元の“マージー・ビート”も同様のパターンを用いている。
Traditional 05 ニューオーリンズ伝統のジャズの4ビート
ニューオーリンズ~スウィング時代のジャズ・ドラムはモダン・ジャズのようなアドリブ性はまだ発展途上で、このようにある種パターン的なアプローチが多く見られた。バック・ビ ートに相当するような2、4拍のスネアも叩きバス・ドラムはフェザリングと呼ばれる4分をキープ。
Traditional 06 カントリー・ミュージックの“トレイン・ビート”
カントリーで使われる2ビートの通称“トレイン・ビート”。スネアのアクセントの移動によるパターンで、列車が走る感じからこの名がついたと思われるが、アメリカの開拓精神ともつながっているとも想像できるような、伝統のアプローチ。ブラシで演奏されることも多いパターン。
Traditional 07 セカンドラインを使った元祖ジャングル・ビート
ジャングル・ビートと称されるパターンは時代によってさまざまに移り変わって来ているが、これはその元祖とも言うべきアプローチ。ニューオーリンズのセカンドライン的なリズムをタムで叩くパターンで、TOTOの「ロザーナ」のバス・ドラム・パターンは実はこれがもとになっている。
Traditional 08 カリプソ的パターン
ソニー・ロリンズの楽曲「セント・トーマス」でのマックス・ローチのカリプソ的なパターン。ジャズでのアフロ・キューバン・リズムとは違ったアプローチで、左手がスネアのリム・ショット、右手がタムを移動する形で、カリブ海のリズムの雰囲気を見事に表現したパタ ーンである。