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ドラムが叩ける!お宅訪問[Webオリジナル]#1 東京都在住 軽音ひとり宅スタジオ
- 取材:編集部 文:西本 勲 撮影:八島 崇
“自宅で思い切りドラムを叩きたい”、“いつでも楽器を鳴らせる環境を手に入れたい”、そんな夢を叶えてくれるのが、プロ用のスタジオやライヴ・ハウスなどの防音/音響工事を多く手がける専門業者、アコースティックエンジニアリングだ。ドラム・マガジン本誌では、同社が設計/施工した一般住宅のドラム用防音室を10年以上に渡り紹介しているが、今回より“ドラマガWebオリジナル”として掲載! 第1回目は東京都在住のドラムYouTuber、軽音ひとりの自宅スタジオを訪問した。
一番の要望は、とにかく遮音をしっかりと行うこと
さまざまなアーティストのライヴ/レコーディングをサポートしつつ、作曲やドラム・レッスンなど幅広い活動を行っている軽音ひとり(詳細はプロフィール欄を参照)。ごく一般的な住宅である実家の一室をリフォームし、昨年初旬にスタジオを完成させた。そしてYouTubeチャンネルを開設し、本誌のドラム・コンテストにもエントリー。それらを撮影した場所も、このスタジオだ。
Profile●ドラムを始めたのは12歳の頃。「GLAYが好きで、ドラマーのポジションが空いてるから、という理由で始めました。まだ小学生だったのでTOSHI NAGAIさんの存在もよくわかってなくて……イタい奴なんです(笑)」。高校時代は吹奏楽部でパーカッションを担当。2004年より瀧本季典(滝本季延)氏にドラムの手ほどきを受け、演奏活動を本格化。2010年より、ベーシスト宮下智氏、ドラマー白川玄大氏に師事。その後はさまざまなアーティストのライブ・サポートやセッションへの参加、ドラム・レッスンなどを行う一方で、作曲やアレンジ、さらにミュージカルの脚本執筆など幅広い活動を展開している。
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スタジオを作る前は電子ドラムを置いていたという軽音ひとりだが、叩ける時間は限られていたそうだ。
「隣家からの苦情もあって、夜8時以降は叩かないようにしていました。下に振動吸収板を敷いて、音はヘッドフォンで聴いていたのですが、厳しかったですね」
同じような理由で防音室を作ったという事例は多い。しかし、軽音ひとりがスタジオを作ったのは、もっと積極的な目的もあった。
「ドラマーの瀧本季典さんの弟子だった時期があって、そのとき師匠から、“ドラマーは身体を壊すと仕事がなくなるから、音楽理論とか打ち込みなど、ドラム以外の知識や技術をたくさん身につけておくように”と、よく言われていたんです。そこから作曲やアレンジなど、いろいろな方向に目を向けて活動してきたのですが、僕はイタい人間なので(笑)、TVのバラエティ番組に出ているような面白い奴になろうと思って……。このスタジオができたことで、ドラムとトークを組み合わせた動画をYouTubeで発信するという活動に結びついて、ようやくやりたいことができるようになった感じです。今、ドラマーとしてなんとか生きていけているのは師匠のおかげですね」
そして、2019年から続くコロナ禍も理由の1つ。都内のスタジオで行っていたレッスンの仕事がなくなるなど、ドラマーとしての活動が縮小し、一時はミュージシャンの廃業も考えたという。
「自宅スタジオを持っているドラマーの知り合いが何人かいて、特に田中 陽さんから話を聞いたのは大きな後押しになりました。スタジオを作るなら、アコースティックエンジニアリングしかないだろうなって」
スタジオに改装する部屋として選ばれたのは1階の6畳間。遮音と間取りを考慮し、ここが最も良い結果が得られると判断された。収納スペースを含めると約7.8畳の空間に遮音工事を行い、約5.5畳のスタジオが出来上がった。
「一番の要望は、とにかく遮音をしっかりと行うこと。基本的に夜中は叩かないようにしていますが、仕事の時間が不規則なので、やむを得ず深夜に叩いたことも何回かあります。でもまったく問題なかったです」
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