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UP
Product Report – AGEAN Cymbals
- Review:FUMIYA[Unlucky Morpheus、猫曼珠] Photo:Masao Sekigawa
伝統的な技術と技法を受け継ぐ
トルコのハンドメイド・シンバルが再上陸!
2000年初頭、シンバルの聖地=イスタンブールで誕生したAGEAN Cymbals。熟練の職人が伝統的な製法によりハンドメイドで製造し、こだわり抜かれたトラディショナルな響きとジャンルを問わずマッチするサウンドには、林 立夫や高橋幸宏、玉田豊夢など日本のトップ・ドラマーも高い信頼を寄せている。このたび、国内代理店がエレクトリに変更となり、日本に再上陸したAGEANをあらためてフィーチャー。ドラマガWebでは、試奏した2シリーズのうち、Rock Masterのレビューをお届けしよう。
Rock Master Line Up!!
※画像はクリックで拡大できます。
Review
シンバルらしい奥深さと
音量の大きさが共存したシリーズ
Rock Master はとにかく音量が大きくて、ヌケも申し分ないです。ちなみに僕のドラム・セットは今後このシリーズを中心に組み立てていく予定です。ハイハットはハイがしっかりある中で中低音域も豊か。かと言って耳に痛いような高音域ではないです。これはシリーズとしての特徴ですが、レイジングとハンマリングの複合って、“ メタル向けシンバル” と謳っているモデルではめずらしいと思うんですよね。レイジング度合いが3段階ほどに分かれていて、ハンマリングがしっかり施されてるゾーンもある。これが複雑な音の厚みを生み出しているんだと思います。
ライドに関しても基本的な印象は同じなんですが、今まで叩いてきたシンバルと違うなと思ったのは、ボウの音量感ですね。カップはどのシンバルでも音色的に分離させやすい部分ではあると思うんですけど、これはボウのヌケも良くて、ビートを刻む際も他の音に埋もれない安心感がありますね。
クラッシュは口径による音程の違いはもちろんあるのですが、18″ と16″ で音量の差がほぼなかったですね。たいてい口径の小さい方が物足りなくなってしまう傾向があるんですけど、それがまったくない。18″ と16″ を交互に叩いても、聴こえ方のバランスがしっかり取れると思います。
そしてスプラッシュのレスポンスには驚きました。タムやバス・ドラムの中に2連発のスプラッシュを組み込むフィルインでも、2 発目のアタックがしっかり出てくれます。それでいて10″ とは思えない音のボリュームも兼ね備えていました。チャイナはブリリアントらしいキラキラした成分もありつつ、シリーズに共通している中低音域がしっかり出ていて、厚みがありますね。ここぞの一発ですごい破壊力を発揮してくれると思います。
これまでのいわゆる“ メタル系” と呼ばれるモデルは、高音域を強くすることで他の楽器と帯域が分かれて音は飛ぶんですけど、奥深さをある程度犠牲にしなければいけなかったと思うんです。Rock Master はハンドメイド由来のシンバルらしさを1 枚1 枚から感じられながらも、音がデカい。他にはないシリーズだと思います。
AGEANシンバルの取扱店舗はコチラ
お問い合わせ:エレクトリ(☎03-5419-1593) https://www.electori.co.jp
ドラマガ7月号ではExtremeシリーズのレビューとAGEAN愛用ドラマー=椎野恭一&玉田豊夢からのコメントも掲載!!