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イタリア生まれの魅惑の音色! UFiPシンバルをドラム博士=山本拓矢がレビュー!!
- Review:Takuya Yamamoto
- Photo:Takashi Yashima
Natural Series
こちらのNatural Seriesも、代表的なUFiPシンバルと言えるでしょう。ロング・セラーの製品です。表面はいわゆるRaw/Dry/Turkなどと呼ばれるタイプに近い、ざらついた仕上げで、裏面はトラディショナルなレイジングが施されています。使い込まれたシンバルならではの硬さを模しているようで、程良いダークさとタイトな音像は、Class Seriesに比べると即戦力の傾向が強い印象です。
とはいえ、独自の鋳造方法に由来する耐久性と変化の余地は残っているはずで、あくまでフィニッシュとハンマリングに由来する傾向の変化の範囲ではあるので、こちらも育て甲斐はありそうです。ハイハットのボトムは両面レイジングを施すといった柔軟な姿勢が垣間見え、ヴィジュアルとコンセプトに対して、実際の機能とブレンドの具合いなどがバランスしており、優れた設計の楽器だと感じられます。
Class Seriesとの棲み分けと共通のキャラクターの塩梅も絶妙なので、ベースとなるセットはNaturalで揃えて、Classのクラッシュを加えたり、Classで揃えて、Naturalのライドとハットを加えるなど、効率的に対応可能なシーンを拡充していくプランのイメージも持ちやすいと感じました。
なお、いつどのように変更しているかは明言されていないようですが、時代に合わせたリニューアルを重ねているそうです。ターキッシュ・スタイルとはやや異なるものの、B20系の響きではあり、音量感も自然なので、手持ちのセット・アップに対して、現代的なドライ・サウンドの楽器を取り入れたいというニーズにもフィットすると思われます。
UFiPオーナー=アルベルト氏の認定書つき
厳選Naturalシリーズ・シンバル・セット
Total Impression
楽器作りへの知見と
新たなテクノロジーが一体となって
伝統的な響きを持ち合わせた
独自のサウンドを獲得
UFiPの楽器は、Ice BellやXimbauなどを初めとした、印象的なパーカッション類や、あのチャーリー・ワッツが愛用していたフラット・ライドやチャイナなど、一部の楽器にしか馴染みがない方も少なくないと思います。しかし、あらためてまとまった数のベーシックなシンバルを試してみて、設立の経緯やその時期、ベースとなっている楽器作りへの知見、新たに生み出されたテクノロジーとが一体となって、伝統的な響きを持ち合わせた独自のサウンドを獲得していると再確認できました。所有して、育ててゆく価値のある楽器と言えそうです。14″、16″、20″や14″、18″、22″といった、基本のセットを揃えるベースとしてもオススメできます。
製品ページ:HP
問い合わせ:キクタニミュージック(☎️0561-53-3007)