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【SAKAE OSAKA HERITAGE】Japan Custom Snareの新モデル=Steel & Brassを大喜多崇規[Nothing’s Carved In Sone]が叩く!

厳選された素材を職人が国内で丁寧に組み上げるSAKAE OSAKA HERITAGEのJapan Custom Snareシリーズに、この度メタル・スネアの定番とも言えるスティール・モデルとブラス・モデルが追加された。旧SAKAE時代からラインナップされていた2機種だが、それぞれアップデートされ、より現代にマッチした仕様に変貌。今回はこの2機種の完成を心待ちにしていたというSAKAEファミリーの代表格、Nothing’s Carved In Stoneの大喜多崇規に検証してもらった。

Japan Custom Snare Steel

まずはスティール・シェル・スネアから検証。リハーサル・スタジオなどで触れる機会が多く、メタル・スネアのみならず、ファースト・スネアの候補としても選択肢として挙がることが多いのではないだろうか。SAKAE OSAKA HERITAGEのスティール・スネアはパウダー・コーティングによるマット・ブラック仕上げで、定番ながら異彩を放つルックス。旧SAKAE時代から大幅なアップデートを経た新たなスタンダードの実力とは?

SDM1455STJ(14″×5.5″)
¥69,850
SDM1465STJ(14″×6.5″)
¥79,200

── OHKITA’S IMPRESSION ──

ブラスにも負けないふくよかさ
叩いていて気持ち良く、自分をノせてくれる

深さ6.5″を最初に試奏してみたのですが、一瞬、“何の材質だろう? ブラスっぽさもあるな”と思うくらいふくよかさがあって、スティールっぽい感じがしなかったです。ただスティール独特の、スナッピーが収まるまでの早さ、鋭さはしっかりと感じられて、そういったエッジィな部分がありつつも、シェルが深い分、タイコのマイルドさも感じられるスティール、といった印象でした。

スティールって、セットに組み込むと埋もれてしまうことも多いんですけど、このスティールはEvolvedのセットの中でも負けず、しっかりと鳴ってくれましたね。これが5.5″になると、“あ! やっぱりスティールだ!”と思うくらい、聴き馴染みが出てきましたね。リムをかけたときの立ち上がりも速く、金属っぽさもより感じられるんですが、サイズ由来のまとまり具合い、コンプ感がありました。6.5″に比べるとやはりローの成分は減るので、相対的にアタックのキレが増していて、速いテンポの楽曲にバッチリ合うと思います。と言ってもオール・レンジでしっかり鳴ってくれるので、叩いていて気持ちいいですし、自分をノせてくれるスネアですね。


Japan Custom Snare Brass

SAKAE OSAKA HERITAGEのブラス・スネアは旧SAKAE時代を彷彿とさせるブラック・ニッケル仕上げの美しいルックス。シェルの上下それぞれ、エッジ付近に施されたビード加工も特徴的で、組み合わせるパーツは外巻きのライティ・ヘイロー・フープやダイキャスト・ラグ、ウルトラ・ハイカーボン20本線など、王道ながらシェルの鳴りを最大限に引き出すし仕様。3サイズ展開で、13″×6.5″という現代的なスペックも用意されている。

SDM1455BRJ(14″×5.5″)
¥99,000
SDM1465BRJ(14″×6.5″)
¥108,900
SDM1365BRJ(13″×6.5″)
¥99,000

── OHKITA’S IMPRESSION ──

倍音がたっぷりでまさに“メタルにおける究極の華”
14″で散るような倍音も13″ではまとまりが良い

僕がずっとメインで使っていたスネアの材質なだけあって、とても聴き馴染みがありますね。“Theブラス”という感じの音がします。ブラスって、メタル・スネアにおける“究極の華”だと思うんです。良い意味で暴れるというか、倍音もたっぷりあって、演者のコントロールを表情として音に出してくれる。叩いていて楽しいのは間違いないと思います。

そして深さ5.5″は、塊として爆発するインパクトとしては最強なんじゃないかと。ブラスが好きな人って、この爆発する暴れっぷりとか、華やかさを非常に重要視しているんじゃないかなと思うんです。“ブラサー(Brass+er)”の人達に(笑)ぜひお勧めしたいですね。6.5″との違いもわかりやすくて、キャラクターの棲み分けがしっかりしていた印象です。スペック的にウッドの音色にも共通する部分が出てきて、そういう意味では木胴を買おうか迷っている人は、ブラスもお勧めですね。華やかだし、バンドの中での存在感が大きいので。特に6.5″はオールマイティに使えて、即戦力になり得るスネアだと思います。

1つサイズダウンした13″×6.5″は、最近流行りのサイズですが、木胴に多い気がしていて、メタルではめずらしい気がしました。いろんなライヴで聴くことも多くて、“良い音だな~”と常々感じていたので、きっとこのモデルも……と思っていたのですが、やはり期待を裏切らない良い音でした。ノーマル・ショットでもリムをかけたような鋭さがあって、素晴らしいヌケでした。インパクトもゴーストも、少しモチっとしていて、全体のレンジのまとまり具合いも良かったです。金属成分が散ってしまうのが、うまく集められているんでしょうね。


── TOTAL IMPRESSION ──

3サイズどれもメインになり得るブラスと
ブラスに負けないふくよかなスティール

今回のパウダー・コーティングは、焼きつけ塗装のように金属のハイを抑える効果があるんじゃないかなと思うんですけど、最初に叩いたとき、ブラスだと思い込んでいたんですよ。それくらいまとまりが良くて、今まで経験してきたようなスティールとはちょっと違いましたね。ファースト・スネアとしても長く使えるんじゃないかと思いました。個人的には、6.5″のチューニングをあまり下げすぎず、マイク乗りのいいところまで上げて、ど真ん中をねらうような感じで使いたいですね。

ブラスに関しては、旧SAKAE時代からずっと使っていたので、OSAKA HERITAGEになってからも早く完成しないかと心待ちにしていました。スティールよりも音量感があって、音数が多い中でも埋もれずにヌケて出てくるパワフルさがあるので、ナッシングスにはとても重要なスネアですね。レギュラー・サイズの5.5″と6.5″に加えて、最近の流行で気になっていた13″×6.5″もラインナップされているのはとてもうれしいです。トリプル・スネアにしたら……という妄想もできますしね(笑)。それくらい3機種とも音が良かったし、どれもメイン・スネアになり得ると思います。これからどれをメインにするか、辻さんと相談です(笑)。ブラス派の人って、一生ブラス派だと思うんですよ。音の成分や、バンドの中に合わせたイメージなど、そこに必要とされる華やかさや存在感というのは変わらないものなんじゃないかなと思いますね。