プランのご案内
  • 2024年12月27日(金)12:00 ~ 2025年1月6日(月)11:00まで、サポートをお休みいたします。期間中のお問合せは、1月6日(月)以降、順次対応させていただきます。
  • SPECIAL

    UP

    “王道×革新”で生まれ変わるパール・ドラムスの最高峰! Pearl HIGH-END REIMAGINED ♯1

    • Photo:Taichi Nishimaki
    • Text:Yusuke Nagano

    2021年に創業75周年の節目を迎えた日本を代表するトップ・ブランド=パール。アニバーサリー・イヤーを経て、進化を加速させてきた同社が今年、“ブランド再定義”を掲げて、国内外のトップ・ドラマーを魅了してきたハイエンド・モデルを再編。♯1ではその概要と新たに導入されたR2AIRタム・サスペンションシステム、そしてGyroLock-Lについて迫っていこう!

    Ⅰ.Introduction 
    今、パール・ブランドを再定義する“理由”

    世界中のドラマーから愛される老舗ドラム・メーカーのパール。トップ・プロが使用するモデルから、ビギナーが初めて購入する最初の1台まで、豊富なラインナップを誇るパールですが、80周年を目前にしたタイミングで、ブランド再定義を掲げてドラム・セットをリニューアル。

    資料によれば目指したのは「サウンドの選択を明確化し、ドラマーの真の創造力を引き出し、現代音楽シーンを活性化すること」。現在の多様化する音楽ジャンルにマッチするドラムを、わかりやすいラインナップから選択できるように提示し、演奏者の表現したいイメージと、実際のサウンドとの橋渡しをスムーズにすることを目指したそうです。それを実現させるためにドラム作りの根幹に関わる部分から見直し、シェルの特性を余すことなく表現できる“究極の鳴り”を追求したとのこと。

    リニューアルされたのはブランドの看板でもあるハイエンド・クラスのドラム・セット。従来のシリーズの中から4つのラインに厳選し、シンプルな選択肢でありながら、幅広い音楽スタイルを網羅する布陣になっています。ここではまず、その4モデルを紹介していきたいと思います。

    Reference One

    Reference Oneは、北米産メイプル、バーチ、アフリカ産マホガニーといった素材を、タムやキックのサイズごとに、最適なスペックで組み合わせたハイブリッド・シェルを採用したモデル。パールには通常のライン・ナップの他に、シェルの素材からサイズ、パーツ構成まで自由に選べる“Masterworks”というカスタム・ラインが存在しますが、そこで培ったノウハウから生まれたのがReferenceシリーズでした。

    従来は厚めのシェルとヘヴィなラグやフープを組み合わせ、パワフルなサウンド指向の“Reference”と、薄めのシェルと軽量なラグやフープでふくよかなサウンドを実現する“Reference Pure”の2モデルが存在していましたが、それらを統合したのがReference Oneです。Reference Pureの薄いシェルに、Referenceに装着されていたマスター・キャスト・フープを組み合わせ、そこに軽量なシングル・スィーベル・ラグを装着し、現代の音楽に幅広く対応できるキットに仕上がっています。

    Masters Maple/Gum

    Masters Maple/Gumは、ガム・ウッドをインナーに2プライ、アウターにメイプル4プライを組み合わせた5.4mm厚の薄めのシェルに、アウター60°というパワフルでブライトな特性を引き出すベアリング・エッジを導入。2017年にMasterworksの推奨スペックとして提唱された“Sonic Select Shell Recipes”の中から誕生した、 “Studio”の名称で人気の高かったモデルです。後にMasters Maple/Gum(MMG)という名でレギュラー・ラインナップに加わり、今回も現在のパールを代表する音として選ばれました。

    Masters Maple

    Masters Mapleは、1975年に登場以来、GIANT STEP→GX→MX→MRX→MRSなどと名称を変えつつも、一貫したサウンドを守り続けてきた伝統的なシリーズ。6プライ・メイプルの7.5mm厚のシェルにスタンダード45°のベアリング・エッジを施したシェルで、メイプルの特徴の明るい高域を生かした、パワフルでクリアなサウンドが持ち味。ジェフ・ポーカロを筆頭に、数多くの伝説的ドラマーが愛用していました。

    Masters Maple Pure

    Masters Maple Pureは、4プライで5mm厚という薄めのメイプル材に、スタンダード45°のベアリング・エッジとレインフォースメントを施したシリーズ。アコースティック・サウンドの心地良い響きを追求したシェルで、温かみのあるまろやかな低域と締りのある高域が魅力。90年代はMRという名前で親しまれ、その後MMX〜MRVと名称変更。LOUDNESSの樋口宗孝氏が愛用していたことでも知られています。

    キット数が絞られたのに対して、オプションの選択肢が増えている点も大きなトピック。サウンドとヴィジュアルに大きな影響を及ぼすタム・サスペンションシステムにR2 AIR、そしてLロッド・アームのタム・ホルダー=GyroLock-Lが新たにラインナップ。

    カラーのバリエーションが増えたことも注目ポイントで、“PREMIUM”と“CUSTOM”の2グレードによるフィニッシュが登場。今までの価格帯では実現が難しかったストライプ入りの高級感溢れるデザインや、流線ラインのような個性をアピールできる計39種類のカラー・ラインナップを日本国内では展開することになりました。

    次ページ
    音色を進化させるR2 AIRタム・サスペンションシステム