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How To Set Up an Electronic Drums〜電子ドラム“自宅導入”チュートリアル!〜
- Text:Yusuke Nagano
この春から“ドラム・デビュー”を飾ったビギナーも、新しい生活環境に慣れて、そろそろ本格的にドラムを叩いてみたくなる時期かと思います。そんな初心者の強い味方となってくれる電子ドラムですが、いざ自宅に導入するとなると、不安や心配も多いはず。ここでは“自宅導入チュートリアル”と題して、置き場所やセッティング、そして気になる防音/防振についてレクチャーしてみたいと思います。
1.自宅のどこに設置する?

電子ドラムが自宅に届いて、最初に考えることは、部屋のどこに設置するかということだと思いますが、その際に知っておくと良いポイントがいくつかあります。
まず自宅のスペースを有効利用するために、部屋の壁や隅に寄せてセットするケースが見受けられます。静粛性の高い電子ドラムですが、ペダルを踏むときやパッドを叩くときに、どうしても避けることができない振動が発生します。電子ドラムの振動は近い壁に伝わりやすいので、壁の向こう側に部屋があったり、住居が隣接している場合は、考慮する必要があります。窓から伝わるケースもあるので、カーテンを遮音性の高いものに変えるのも有効な手段の1つです。
また、ペダルを踏む振動は床に伝わりやすいので、可能であれば1階、もしくは下の居住空間に迷惑のかからない環境にセットしたいものです。どうしてもそれが難しい場合は、後で解説する防振対策を積極的に取り入れることで、振動軽減に努めることもできます。
そして細かい部分ですが、コンセントに近い場所に設置するということもポイント。もちろん延長ケーブルを活用すれば解決することですが、生活動線の邪魔をせず、さまざまな電源ケーブルがスッキリとまとまっていた方が、後々トラブルの可能性が少ないと言えるでしょう。
2.スペースの確保

電子ドラム自体の設置面積は1畳程度に収まりますが、周囲に気を使わずに腕を思いきり動かせることや、譜面やスマホなどのデバイスを見やすい位置にセットするなど、さまざまな要素を考えると、ある程度は周囲に余裕が欲しいものです。特に奏者から見て左手側=ハイハット・パッドの向こう側に、必要な用具を設置できると操作がしやすいので、そのあたりに少しスペースの余裕があることが望ましいでしょう。
また、電子ドラムを部屋の壁に寄せて設置する場合、奏者が部屋の中央を向くアングルで配置すると、電子ドラムと壁の間に人が座るスペースを確保する必要があります。従って部屋のスペースを有効活用するという意味では、奏者が壁側に向いて座るアングル(イスを部屋の中央側に置く方向)で、電子ドラムを壁に近づけてセットすることが得策となります。
さらに電子ドラムを設置する床には、マットを敷くことをお勧めします。市販のカーペットでも効果は期待できますが、ペダルとの摩擦や振動などで、床が痛んでしまう可能性も考えられます。厚手のものを選ぶ、二重/三重に敷くなど工夫してみると良いでしょう。もちろん耐久性や演奏性を考えたメーカー推奨のドラム・マットや、防振効果も期待できる専用マットもあるので、それらを導入するのもオススメです!

3.セッティングのポイント

“電子ドラムを組み立てる”という作業は、専門の道具や知識が必要で、難しいイメージがあるかもしれませんが、最近の電子ドラムは、パッド類の取りつけや配線などが非常にわかりやすく作られています。従って基本的な組み立て作業に関しては、説明書を見ながら行えば、ドラムを触ったことのないビギナーでもほぼ問題なく進められるでしょう。
パッド類のセッティングは、部屋のスペースの都合でコンパクトにまとめたい場合、各パッドを寄せ気味にして構いませんが、スペースに余裕がある場合は、なるべくアコースティック・ドラムを想定した距離感に近づけたいものです。
ここではRolandVドラムのエントリー・モデルのTD-02Kと、Yamaha DTXシリーズのエントリー・モデルであるDTX402KSを、筆者がアコースティック・ドラムを想定してセッティングした際の数値を目安として記してみました。初心者が座った際には、パッド類が少し離れている印象を受けるかもしれません。もちろん高さなどは身体の大きさによっても変わるので、すべての人にベスト・マッチするというわけではありませんが、1つの指針として役立ててもらえると良いと思います。
Roland TD-02Kの
参考セッティング


シンプルな3脚タイプのラックを採用したTD-02K。脚の開き具合いは、安定感を保つ意味でも1メートル以内が推奨されているということですが、その範疇で十分にスネアとフロア・タムとの間合いを確保できます。前方の2つのタムの間を近づけすぎないのもポイントです。
Yamaha DTX402KS
の参考セッティング


安定感のある4脚タイプを採用したDTX402KS。ラックタムやスネア・パッドは手前側に傾けすぎないこと、そしてハイハット・パッドの下にハイハットのペダルを置くこともポイントです。スネアとフロア・タムはほぼ同じか、フロア・タムがやや低くなるくらいでセット。フロア・タムは少しだけ内側に傾けても構いません。
4.防振/防音対策
静粛性の高い電子ドラムですが、前項でも述べたようにペダルを踏むときには、避けることができない振動が床に伝わります。今回フィーチャーしているRolandのTD-02と、YamahaのDTX-402KSはどちらもフット・ペダルを使用しない、ビーター・レス・タイプのキック・ペダルが採用されているので、防振効果はかなり高いのですが、それでも足を床に落とす動作を行う際に、どうしても振動は発生します。
そこでラストにそれを軽減するためのアイテムやアイディアを紹介しましょう。まずはRolandから発売されている防振アイテムのノイズイーター。ペダルの下に敷く半球型の防振ゴムがついたボードで、床面との間に空間を作り、階下への振動を減らすアイテムになります。メーカーのデータによると、階下への騒音を75%も軽減できるそうです。
またフット・ペダルを用いるキック・パッドを使用している場合は、TAMAのSOFT SOUND BEATERもオススメ。柔らかいスポンジ素材を採用したビーターが、打面をヒットする衝撃を大きく柔らげてくれます。

さらにDIYで製作できる、俗に”ディスクふにゃふにゃシステム”と呼ばれる防振対策もあります。これはヨガの練習などに使用する“バランス・ディスク”と呼ばれる空気を入れたクッションの上に板を置くことで、簡易な浮き床を作り、その上に電子ドラムをセットする方法です。
実は筆者もこの“ディスクふにゃふにゃシステム”を自宅で採用していますが、階下への振動がかなり軽減されると感じています。費用もさほどかかからないので、階下への不安を抱える人は試してみる価値があるでしょう。

このディスクふにゃふにゃシステムでは、イスは床に置いた状態で、電子ドラムのみを浮き台に設置するため、台の高さ(10cm~12cm程度)のぶん、イスを高くセットする必要があります。また、この台はクッション性が高いため演奏の動きで揺れが生じます。それが振動吸収に貢献しているわけですが、揺れが大き過ぎると感じる場合は、板の上にウエイトを乗せることで、ある程度軽減させることができます。
ちなみに筆者の場合は、使わなくなったダンベル用のウエイトを12キロほど乗せていますが、これは水を入れた2リットルのペットボトルを5~6本置くことでも代用できるでしょう。それでも揺れは完全には抑えられませんが、私の場合は使用しているうちに慣れてしまい、さほど気にならないレベルになりました。また、台となる板が薄いと、しなりが生まれて揺れやすくなることも考えられます。筆者は12mmの合板を使用していますが、12~15mmくらいがオススメだと考えています。
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