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    新生活からエレドラ・デビュー! 5〜6万円で買えるエントリー・モデル活用術!! feat. Yamaha DTX 402KS

    • 文:長野祐亮/撮影:星野 俊

    Ⅱ.Yamaha DTX402KSの練習機能を使い倒す!

    DTX402シリーズのトレーニング機能は全部で10種類。今回はその中から6種類を解説していますが、他にもメトロノームを一定区間だけ聴こえないようにする「メジャー・ブレイク」や「チェンジアップ」、演奏を手軽に録音できる「レコーダー」などを搭載。

    音源モジュールにはディスプレイがありませんが、キー(ボタン)の点滅と音声ガイドで演奏の出来を伝えてくれます。また無料アプリ「DTX402 Touch」をスマホなどにダウンロードして接続すれば、視覚的にもわかりやすく練習することができます。

    RHYTHM GATE/RHYTHM GATE 3連

    RHYTHM GATEは、正確なタイミングでパッドを叩く能力を鍛えるメニューで、16分音符と3連符のリズムに対応する2タイプが用意。写真1がRHYTHM GATEの1番が呼び出されている状態になります。メトロノームに合わせてのタイミング・チェックはもちろん、内蔵の練習曲にも対応しているので、曲中のフィルやシンコペーションなども実践的に練習可能です。

    そしてDTX402シリーズのトレーニング機能の大きな特徴は、正確なタイミングを外すと音が鳴らないゲートと呼ばれる仕組み。また、叩いたタイミングはモジュールに配置された1~10の数字キーが時間軸の役割を果たして、視覚的に確認することができます。

    写真2で点灯している中央5・6番のキーは、ドンピシャな打点を示しており、そこにショットが重なると発音と同時にキーが点滅。タイミングを外すと発音しませんが、そのズレを左右のキーの点滅で教えてくれるので(タイミングが早いと右サイド、遅いと左サイドのキー)、その度合いをチェックできます。

    写真1
    写真2

    メトロノームに合わせて、Ex-1の譜例を叩いても、精度が良くないと正しく発音されないので、苦手な音形が一目瞭然。練習をゲーム感覚で楽しむことができます。さらに音が鳴らないゲートの範囲は、Easy〜Hardまで4段階で、測定パーツもセット全体から、パーツ単体まで個別に選択できます。

    DYNAMIC GATE

    DYNAMIC GATEはパッドを叩く強さをコントロールするメニューで、アクセントの強弱を使い分ける練習に最適です。音量は“強・中・弱”の3段階に分けられていて、選択していない強さで叩くとゲート機能がかかって、発音されない仕組みです。

    音量の表示は数字キーに、1~3が弱音量、4~7が中音量、8~10が強音量という具合いに割り当てられていて、ショットの強さに応じてキーが点滅。写真3はオレンジ色に発光していない4~5の中音量が発音しないエリアであることを表しています。

    写真3

    この音量設定は各パーツ個別に行うことができ、例えばスネアをこの設定にすると、強弱を叩き分けるアクセント(Ex-2a、b)やゴースト・ノート(Ex-3)と呼ばれる極小さい音を使った練習に効果的。音量レベルを目で確認しながら行えるので、苦手箇所の修正もしやすいと感じます。

    また写真4のように弱音量のみを発音するように設定して、タップ・ストローク(振り幅の小さい奏法)に特化した練習もオススメ。スティックを軽く落とすくらいのタッチでないと中音量のレベルのゲート機能に引っ掛かり発音されないため、シビアなコントロール力を磨くことができます。

    写真4

    SONG PART GATE/SONG SCORE GATE

    内蔵された練習曲を利用したトレーニング・メニューの充実も、DTX402シリーズの特徴。SONG PART GATEは、内蔵ソングをパート別に練習する機能です。演奏する譜面は、YamahaのHPや専用アプリ“DTX402 Touch”で確認できて、それを見ながら初心者でも段階的に曲を練習することができます。

    例えばPOP1のソングを呼び出すと、最初に1~8までの数字キーが発光しますが(写真5)、これは8つのパート練習があるということを示しています。ちなみにアプリでは写真6のように表示。この曲の場合は、レッスン1・2では写真7のような手の部分練習から始めるシンプルな譜面が掲載。初めてスティックを握ったビギナーでも、無理なくスタートできるようになっています。そのあとは好みのパートを数字キーで選択。テンポも自由に変えられるため、各自のレベルに合わせた難易度で取り組むことができます。

    写真5
    写真6
    写真7

    そしてSONG SCORE GATEは内蔵練習曲を1曲通して演奏する実践的メニュー。SONG PART GATEでパート練習した成果を試す場ともなります。曲の譜面は同じく、ヤマハHPや専用アプリで確認可能(写真8)。さまざまなジャンルの曲があるので、楽しみながらスキル・アップできます。またタイミングが合わないと発音しないゲート機能は、SONG PART GATE/SONG SCORE GATEの両方に機能するので、それによってミス・ショットを、曲中でも瞬間的に確認できるのも◎。

    写真8

    FAST BLAST

    FAST BLASTは設定した時間内に何打叩くことができるかを測定する、スピードとスタミナを鍛錬するメニュー。測定時間は10秒~10分まで段階的に設定できます。アプリを使わない場合は、数字キーの発光がタイム・カウンターとなって、残り時間を表示。写真9はスタート時のすべて発光している状態で、計測が終わると、数字キーの発光と音声ガイドで打数を伝えてくれます。

    写真9

    アプリを利用すると、測定の残り時間と現在のヒット数をカウンターでリアルタイムに確認できるため、さらに緊迫感と熱量を持って練習に挑めます。試しに1分間でチャレンジしてみましたが、1分がとても長く感じられると同時に、ついムキになってしまう……負けず嫌いのドラマー心をくすぐる機能だと思いました。またカウンターはすべてのパーツに対応しており、アプリではどこを何打ヒットしたかという結果も詳細に確認可能(写真10)。

    写真10

    タムやフロア・タムなど、自分が苦手なパーツでの連打練習や、プリセット・キット「METAL」を使ったEx-4a、bのようなツーバス練習も可能。ちなみに♩=180で1分間16分音符を連打すると180×4=720打となり、その辺りを速さの基準としてイメージするのも良いでしょう。さらにアプリでは自分の過去のベスト・スコアも表示されるので、目標数値を設定して取り組めばモチベーションの維持に役立ちます。

    Total Impression

    DTX402は音声ガイドでの評価が楽しかったです。出来が良いと“エクセレント!”、イマイチだと“トライ・アゲイン!”などと声で伝えてくれるので、実際のレッスンで先生に判断してもらっている感覚になります。また、内蔵練習曲を使ったメニューも非常に実践的。実際のバンド演奏においては、メトロノームに合う演奏が正解とは言い切れませんが、練習の段階は狙ったタイミングで、正確に音が鳴らせるということが大切だとあらためて思いました。

    製品の詳細はこちら→HP

    本記事は2023年4月号掲載の記事を転載したものになります。