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誌上ドラム・コンテスト2020「BACK to the FUSION」Special Interview – 伊吹文裕

  • Interview & Text:Rhythm & Drums Magazine Photo:Kana Tarumi

-Point- 課題曲「Symbiosis」の攻略アドバイス

起承転結がついた物語のようになると
聴く人の印象に残る

●今年は二次審査員としてコンテストにカムバックしていただきましたが、心境としてはいかがですか?

伊吹 お声がけいただきありがとうございます。本当に光栄なんですけど、僕なんかが審査員だなんて、誰?って感じですよね。すみません……(苦笑)。

●いやいや(笑)! 伊吹さんがフュージョンに挑戦されたときのお話は、今年の応募者にとっても心強いのではないかと。

伊吹 フュージョンという音楽はそもそも、ジャズとかラテンとかロックが“融合”してできたものです。今回の課題曲にも“フュージョンだからこうしなきゃいけない”という決まりは全然なくて、自分のルーツにある音楽や面白いと思うプレイをぶつければ、それがフュージョンになる。

解釈がロックであろうとファンクであろうとメタルであろうと、応募する人のバックグラウンドが見える演奏だったり、“これがカッコいい!”と思って叩いたアプローチの方が、聴いていて楽しいと思います。僕は、ワクワクするドラムが好きなので。

あと、起承転結がついた物語のようになると、聴く人の印象に残ると思います。聴いてくれる人がいないと音楽は成り立たないので……。

●今年の課題曲「Symbiosis」でポイントになるセクションはどこだと思いますか?

伊吹 構成譜(本誌20年7月号の誌面に掲載)で言うと、Bridge’〜Cパートの部分ですかね。ここで、“やったぁあああ!”という気持ちが溢れるエモーショナルな演奏を聴かせてもらえたら、グッと来ると思います。

●キメの多い楽曲でもありますが、どういった対策が考えられるでしょう?

伊吹 本当ですよね……真央樹先生、難しすぎます(笑)! 全部完璧に合わせることだけが正解ではないです。キメとかユニゾンにとらわれすぎてビートが節々で止まったような感じになってしまうよりは、曲を通して気持ち良いビートがずっと流れていることを大前提に考えて取り組めるといいと思います。

あと、僕が応募したときにそうしていたのですが、自分なりにプレイ内容の下書きが完成するまでは、参考演奏を聴かないのもアリだと思います。

●レコーディング面のコツは?

伊吹 録音機材が手に入らなかったり、レコーディングに詳しい人が身近にいないという方に向けてアドバイスをするなら……マイクはスタジオの備品で十分で、ミキサーやDAWの中にあるコンプレッサーをかけるだけでも、音がかなりカッコ良くなるのでお勧めです。

あと、これは1タムのキットで試した方法ですが、ダイナミック・マイク1本だけで録る場合、自分の方に向ける形で、バスドラの上に立てるとバランスの良い音で録れます。僕がイヤモニ現場でよく使う手法です。

今ではiPhoneにつないで手軽に録れる機材もあると思うので、逆に、どういう方法で録ったのかを聞くのも楽しみです。

●なるほど。最後に、応募するドラマー達へのアドバイスをお願いします!

伊吹 僕も、YouTubeを観ていてカッコいい映像にはすごく憧れますが、コンテストの応募動画は音楽を第一に考えて、まず良いプレイができているかを意識して撮影できるといいですね。演奏面では、気持ち良いビートと音色を……欲を言えば、“2020年の音”と思えるような、新鮮味のある面白いプレイが聴けたらうれしいです!

◎Profile
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◎Information
【ライヴ情報】
2020.08.27(木) fumihiro ibuki & friends vol.16 “CHUBBY CHASER” RELEASE LIVE
東京・元住吉POWERS2
18:00 open/19:30 start (2sets)
ADV ¥4,000/U25 ¥2,500(要予約)/DOOR ¥4,500

〜参加ミュージシャン〜
伊吹文裕(d)
森 俊之(key)
井上 薫(key)
大江康太(g、vo)
高木大丈夫(g、vo)
小川 翔(g)
小金丸 慧(g)
竹之内一彌(g)
林 あぐり(b)
山本 連(b)
佐々木詩織(vo、cho)

チケット購入方法、最新情報はこちら→fumihiro ibuki Official Tumblr