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    Archive Interview – ピエール中野[凛として時雨]2014年9月号

    • Interview & Text: Rhythm & Drums Magazine Photo:Taichi Nishimaki

    ピエール中野[凛として時雨]のアーティスト・ブック発売を記念し、ドラマガWebでは本書の特設サイトを公開中! ここでは試し読みコンテンツとして、書籍に再収録予定の本誌掲載インタビューを一部ピックアップ。今回は第6弾として、リズム&ドラム・マガジン本誌2014年9月号掲載のインタビューを紹介しよう。ここでは、ソロ名義のミニ・アルバム『Chaotic Vibes Orchestra』のリリースなど、個人での活動について語られている。

    リズム&ドラム・マガジン2014年9月号掲載インタビュー

    ドラマー以外の人にもちゃんと
    ドラムの魅力を伝えることができた

    ●今回のミニ・アルバム(『Chaotic Vibes Orchestra』)をはじめ、47都道府県ツアーや他アーティストへのサポート参加など、ますます拍車がかかったソロ・プロジェクトには、個人的にどんなテーマがあった?

    ピエール これまでやってきたことの延長ではあるんですよ。教則本とか教則DVDもそうですけど“いつかはやってみたいな”ってずっと思っていたことを、今しかできないタイミングで実現させたというのが一番ですね。バンドがそれぞれソロで動いている状況の中で、自分はドラマーとして何ができるかって考えたときに、47都道府県ツアーもそうだし、あとは自分が主軸の“ソロ作品”を作りたかった。それはすごく自然な流れでしたね。

    ●念願の47都道府県ツアーだったんですね。

    ピエール そうですね。時雨ではできなかったので。でも、ドラム1台で何をやるか?って話になるじゃないですか。僕はドラム・クリニックでツアーをやったことがあるんですけど、そのときにマイナスワン・トラックで演奏したり、Q&Aも含めてだいたい2〜3時間の内容で、ドラム1台でも意外とみんなが楽しく過ごしてくれるってことがわかって、しかも普段DJ活動もしているので、それらをミックスした形でライヴが作れないか考えていたんです。

    そうしたら、ちょうどDJでイベントに出ないかってオファーをもらって、こっちから「ドラムも叩きたいんですけど」って提案したら、大歓迎されて。それが、9mm Parabellum Bulletがトリで出るイベントで、渋谷AXでトリ前に僕1人で出て行ってパフォーマンスをやったら、ちゃんとウケたんですよ(笑)。バック・ステージに戻っても、みんなが「ドラム1台って想像がつかなかったけど、すごく楽しかった」って絶賛してくれて、これだったらイケると思ったんです。

    ●ドラマーの観客にとっては、ドラム1台で、マイナスワンを使ったパフォーマンスは当たり前ですけど、一般の観客にも、ドラム・クリニック的なパフォーマンスが訴求したということですね。

    ピエール そうですね。セミナーとかクリニックに来る人以外の、音楽好き、ライヴ好き、バンド好きの人に、ドラムの面白さとか魅力をちゃんと伝えることができたと思います。意外とこういう世界は知られていないんですよ。こうやってドラムに焦点を当てると、凛として時雨の楽曲でも「ドラムの聴こえ方が全然変わった」とか「こんなことやってたんだ」ってびっくりされる。そういう点での満足度もとても高かったみたいです。

    ●今回のミニ・アルバム『Chaotic Vibes Orchestra』も、広くドラムの魅力を伝えるという裏テーマみたいなものがあったのかなと。

    ピエール そういう部分もありますね。5曲ともカラーが違いますし、それぞれドラムだけ切り取っても面白い要素がちゃんとある作品になっています。

    Review 〜当時のインタビューを振り返って

    ピエール中野「ソロ作品と47都道府県ツアーは、まじでこれでドラム人生終わらせてもいいくらいの覚悟で望んでました。この頃は精神的にも相当追い詰められていて、生活も荒れてましたね……。何とか作品を完成させたり、仲間の協力を感じたり、大森靖子との出会いもあって、持ち直すことができました。ドラマーとしてやりたいことは、この時点でほとんど叶えたようなもので、1つの到達点でした。それはインタビューからも作品からも伝わってくる。面白いのは、バンドをやっているからこそ、到達点なんてのは1人では決まらないし、時間や周りの流れでどんどん変わっていくところ。ここからは予想できない人生がどんどん展開されていきました」。

    発売中の『ピエール中野[凛として時雨]アーティスト・ブック』では、このインタビューの続き&過去の掲載記事をまとめて読める!

    詳細はこちら⬇︎

    本体2,500円+税
    128ページ
    2020.12.14発売予定
    ISBN:9784845635733

    絶賛予約受付中!

    Artist Book
    ピエール中野[凛として時雨]

    今年CDデビュー15周年を迎えた凛として時雨のドラマー、ピエール中野。ドラマーとしてはもちろん、プロデューサー、DJ、MC、ヘッドホン/イヤホンの監修など、その才能を多方面で発揮している。本書ではそんなピエールのマルチな魅力をさまざまな角度から掘り下げていきます。録り下ろしによる最新の超ロング・インタビューでは、そのルーツやドラマーの軌跡はもちろん、求められる自分になる方法や、セルフ・プロデュース術などにもフォーカス。ドラム・セット5台、スネア・ドラム24台を核とした膨大な機材コレクションや、愛用のイヤモニや監修したイヤホンも30ページ以上に渡って掲載! さらにリズム&ドラム・マガジンでこれまでに行ってきたインタビューを再収録する他、関係者によるコメントや撮り下ろし写真を駆使したプレイ・スタイル分析なども掲載。ドラマーとしての魅力を凝縮したアーティスト・ブックでありながら、“人生の歩き方”もわかる世界的にも類を見ない1冊です。

    -掲載予定コンテンツ-
    Special Interview
    Biography
    Gear
    Drumming Style
    Archive Interview
    Discography、etc.