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むらたたむ meets Acoustune Monitor RS ONE【Product Review】
- Interview & Text:Rhythm & Drums Magazine Photo:Takashi Yashima
Try! Acoustune RS ONE // むらたたむがRS ONEを試してみた
今回は、むらたの愛用キットに、Yamahaのエレクトロニックアコースティックドラムモジュール=EAD10をセットしたモニター環境でRS ONEを体験。NEMOPHILAの楽曲を聴きながら普段通りに演奏してもらい、その使用感について聞いてみた。
Impression 〜試奏を終えて〜
“楽器をこう弾いている”というのが鮮明に聴こえる
音量を過度に上げる必要がなく耳に負担がかからない
むらたたむ:Acoustune RS ONEを使ってみた第一印象は、音がすっきりと聴こえる感じがしました。私が普段使っているイヤモニと比べると、同じ音量に設定していても、RS ONEは、小さくて細かい音まで聴き取りやすかったです。今回の試奏ではYamahaさんのEAD10を使わせていただいたんですけど、バス・ドラムはもちろん、タムに重なっているトリガーの音までよく聴こえてきたので、RS ONEの性能にすごく驚きました。
NEMOPHILAの楽曲は激しい曲調で、ツイン・ギターにシンセサイザーも加わるような分厚いバンド・サウンドなんですけど、そういうサウンドの中でマイキングされた音やクリックを聴き取るためには、音量レベルをかなり上げないといけなくて……それに対して、RS ONEは、音量を大きく調節しなくても“この人が楽器をこう弾いている”というのが鮮明に聴こえるので、耳にも負担がかからない印象です。そこは、このイヤモニのすごく大きな特長だと思います。音質も全体的に良いんですけど、バンド・サウンドの中で、ドラムの音が特に聴きやすい感じがしました。楽曲の耳コピにも向いていると思います。密閉度はかなり高い印象で、ドラムを叩かずに、イヤモニを着けているだけの状態でも、周りの人が何を話しているのか聴こえないくらいでした。装着感やフィット感も良かったです。
イヤモニって、演奏中に汗をかいたりすると、耳にかける部分がだんだんと劣化して切れてしまうこともよくあるので、消耗品と捉えて使っているドラマーの方も多いと思うんです。でも、RS ONEは、ケーブルがかなり丈夫に作られているので、そういうところにも他との違いを感じますね。耳にかける部分には針金のような芯が通っているので、固定しやすくていいなと思いました。ケーブル自体は柔らかくて、バッと手に取っても、絡まずにサラッと解けてくれます。綺麗にトリートメントしてケアしている髪の毛みたいな感触ですね(笑)。長さもちょうど良い感じがします。
今回はライヴ環境ではなく、NEMOPHILAのCD音源を聴きながら、トリガーのかかったドラム・サウンドで試奏させていただきましたが、いつものモニター環境と比べても違和感はまったくなくて、すごく演奏しやすかったです。アコースティック・キットはもちろん、電子ドラムで叩くのにも向いている製品だと思います。他の音が入ってこないぶん、アコースティックよりもさらにすっきりとしたサウンドになりそうですね。
このRS ONEは、総じて優秀なイヤモニだと思いました。しかも、1万2千円台で購入できるなんて……“良いんですか?”という感じです(笑)。イヤモニを初めて買うという方にもお勧めできる製品だと思います。
▼使用した機材はこちら
▲試奏に使ったドラム・キットは、むらたが新しく導入したばかりのTAMA Starclassic Walnut/Birch Drum Kits。
▲ドラムには、Yamahaのエレクトロニックアコースティックドラムモジュール=EAD10をセット。トリガーをバス・ドラムに装着し、こちらのモジュールにイヤモニ=Acoustune Monitor RS ONEを接続。NEMOPHILAの楽曲をモニターしながら試奏してもらった。